ひとことで言うと

  • 正規分布は、平均μを中心に左右対称な釣鐘型の連続分布で、平均μと標準偏差σの2つだけで形が決まります。
  • 平均0・標準偏差1の正規分布を標準正規分布といい、どんな正規分布も標準化すればこれに帰着できます。
  • 平均±1σに約68.3%、±2σに約95.4%、±1.96σにちょうど95%が入る、という数値が頻出です。

この記事では、証券アナリスト1次「数量分析と確率・統計」の学習ポイントのひとつ「正規分布と標準正規分布」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。

分野 1次 科目Ⅲ/数量分析と確率・統計
大分類 (5) 確率分布
協会の学習ポイント 正規分布と標準正規分布の確率密度関数と累積分布関数について理解する。

正規分布と標準正規分布とは

正規分布は、連続型の確率変数が従う代表的な分布です。グラフは平均μを頂点とする左右対称の釣鐘型で、平均から離れるほど確率密度は小さくなりますが、0にはならず左右にどこまでも続きます。株式の収益率などは、近似的に正規分布に従うと仮定して分析されることが多く、ポートフォリオ理論やリスク管理の土台になっています。

正規分布の特徴は、平均μと分散σ2(標準偏差σ)の2つのパラメータで分布が完全に決まることです。μは分布の中心の位置を、σは広がり具合を表します。σが大きいほど山は低く横に広がり、σが小さいほど山は高く尖った形になります。記号ではX〜N(μ, σ2)と書きます。

確率密度関数と累積分布関数

連続型確率変数では、ある1点をとる確率は0で、確率は確率密度関数f(x)の下の面積で表されます。累積分布関数F(x)は「X≦xとなる確率」、つまり−∞からxまでの面積です。正規分布の累積分布関数はS字型のカーブを描き、平均μのところでちょうど0.5になります。

標準正規分布

平均0、分散1の正規分布N(0, 1)を標準正規分布といい、その確率変数を通常Zで表します。標準正規分布の累積分布関数はΦ(z)と書かれ、値は標準正規分布表で読み取ります。左右対称なのでΦ(−z) = 1 − Φ(z)が成り立ち、表には正の側だけが載っていることが多いです。

押さえておきたい公式

f(x) = {1 ÷ (√(2π) σ)} × exp{ −(x − μ)2 ÷ (2σ2) }正規分布N(μ, σ2)の確率密度関数
φ(z) = {1 ÷ √(2π)} × exp( −z2 ÷ 2 )標準正規分布N(0, 1)の確率密度関数
F(x) = P(X ≦ x)  Φ(−z) = 1 − Φ(z)累積分布関数と、標準正規分布の対称性
区間 その区間に入る確率
μ ± 1σ 約68.3%
μ ± 1.96σ 約95.0%
μ ± 2σ 約95.4%
μ ± 2.58σ 約99.0%
μ ± 3σ 約99.7%

具体例で確認

ある株式の年間収益率Rが、平均5%・標準偏差20%の正規分布に従うとします。

  1. μ ± 1σ = 5% ± 20% なので、収益率が−15%〜25%に収まる確率は約68.3%です。
  2. μ ± 2σ = 5% ± 40% なので、−35%〜45%に収まる確率は約95.4%です。
  3. 左右対称なので、25%を上回る確率は (1 − 0.683) ÷ 2 ≒ 約15.9%、−15%を下回る確率も同じく約15.9%です。

このように、平均と標準偏差さえわかれば、どの範囲にどれくらいの確率で収まるかをすぐに見積もれるのが正規分布の便利な点です。

動画で解説

この論点は、証券アナリストアカデミーのYouTubeで解説しています。テキストとあわせて確認してください(動画「正規分布・標準正規分布・標準化を理解し、標準正規分布表で確率を計算できる」)。

試験で問われやすいポイント

  • 正規分布は平均と分散(標準偏差)の2つで決まる左右対称の分布であることが問われやすいです。
  • 正規分布では平均・中央値・最頻値が一致し、歪度は0です。
  • ±1σ(約68%)、±1.96σ(95%)、±2σ(約95%)、±2.58σ(99%)などの代表的な確率の数値を覚えておきましょう。
  • 連続型では1点の確率は0で、確率は密度関数の面積で表されるという考え方がひっかけになりやすいです。
  • 対称性Φ(−z) = 1 − Φ(z)を使って、表にない負の値の確率を求めさせる問題に注意しましょう。

要点まとめ

  • 正規分布N(μ, σ2)は平均と分散で決まる釣鐘型の分布
  • 平均0・分散1の正規分布が標準正規分布N(0, 1)
  • 累積分布関数は「x以下となる確率」で、平均のところで0.5
  • ±1σで約68%、±1.96σで95%、±2σで約95%

証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。

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※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。