標準化と標準正規分布表とは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト1次・数量分析と確率・統計
ひとことで言うと
- 標準化とは、確率変数Xから平均μを引き、標準偏差σで割ってZ = (X − μ) ÷ σに変換することです。
- 正規分布に従うXを標準化すると、Zは標準正規分布N(0, 1)に従います。
- Zの値がわかれば、標準正規分布表からどんな正規分布の確率でも求められます。
この記事では、証券アナリスト1次「数量分析と確率・統計」の学習ポイントのひとつ「標準化と標準正規分布表」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 1次 科目Ⅲ/数量分析と確率・統計 |
|---|---|
| 大分類 | (5) 確率分布 |
| 協会の学習ポイント | 正規分布に従う確率変数の標準化について理解し、標準正規分布表で確率が求められる。 |
標準化と標準正規分布表とは
正規分布は平均や標準偏差が違えば形も位置も変わるため、分布ごとに確率の表を用意するのは現実的ではありません。そこで、どの正規分布も平均0・標準偏差1の標準正規分布に変換してから確率を読むという方法をとります。この変換が標準化です。
標準化後の値Zは「Xが平均から標準偏差の何倍離れているか」を表します。たとえばZ=1.5なら、平均より1.5σ上にあるという意味です。単位のない数値になるので、異なるデータ同士の比較にも使えます。
標準正規分布表の読み方
標準正規分布表には、主に次のどちらかの形式があります。
- 累積確率型:P(Z ≦ z) = Φ(z)を載せる形式(zが0なら0.5)
- 上側確率型:P(Z ≧ z)を載せる形式(zが0なら0.5)
試験では、問題文に付された表がどちらの形式かをまず確認することが大切です。表の値が0.5付近から始まって増えていくなら累積確率型、0.5から減っていくなら上側確率型です。
確率を求める手順
- 求めたい条件(X ≦ a、X ≧ b、a ≦ X ≦ bなど)を整理する
- 境界の値をZ = (X − μ) ÷ σで標準化する
- 表の値と対称性(Φ(−z) = 1 − Φ(z))、余事象(P(Z ≧ z) = 1 − Φ(z))を組み合わせて確率を出す
押さえておきたい公式
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| X | 正規分布に従う確率変数 |
| μ、σ | Xの平均と標準偏差 |
| Z | 標準化した値(標準正規分布に従う) |
| Φ(z) | 標準正規分布の累積分布関数 P(Z ≦ z) |
具体例で確認
ある投資信託の年間収益率Rが、平均6%・標準偏差15%の正規分布に従うとします。
例1:元本割れ(R<0%)の確率
- 標準化:Z = (0 − 6) ÷ 15 = −0.4
- 対称性より P(Z ≦ −0.4) = 1 − Φ(0.4) = 1 − 0.6554 = 約34.5%
例2:収益率が30%を超える確率
- 標準化:Z = (30 − 6) ÷ 15 = 1.6
- P(Z ≧ 1.6) = 1 − Φ(1.6) = 1 − 0.9452 = 約5.5%
例1のように負のZが出てきたら、対称性を使って正の値に直してから表を引くのがコツです。
動画で解説
この論点は、証券アナリストアカデミーのYouTubeで解説しています。テキストとあわせて確認してください(動画「正規分布・標準正規分布・標準化を理解し、標準正規分布表で確率を計算できる」)。
試験で問われやすいポイント
- 標準化の式Z = (X − μ) ÷ σで、分散σ2ではなく標準偏差σで割る点がひっかけになりやすいです。
- 付表が累積確率型か上側確率型かを確認しないまま計算して間違える失敗が多いので注意しましょう。
- 負のZに対してはΦ(−z) = 1 − Φ(z)を使う計算が頻出です。
- 区間の確率は「上の境界の累積確率 − 下の境界の累積確率」で求める手順が問われます。
- 元本割れ確率(収益率が0%を下回る確率)など、ファイナンスの文脈での出題に慣れておきましょう。
要点まとめ
- 標準化はZ = (X − μ) ÷ σ(平均を引いて標準偏差で割る)
- 標準化したZは標準正規分布N(0, 1)に従う
- Zは「平均から標準偏差何個分離れているか」を表す
- 表の形式を確認し、対称性と余事象を使って確率を求める
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
