「証券アナリスト(CMA)は難しい?」という疑問に、協会が公表している合格率のデータで答えます。1次・2次それぞれの合格率の推移、合格率が5割前後でも「難しい」と言われる理由、そして難易度に振り回されずに合格するための進め方までを、2026年の最新データでまとめました。

この記事の結論

  • 1次試験の合格率(3科目計)はおおむね45〜50%前後。2026年春は44.6%で、科目Ⅲは39.2%と直近で最も低い回でした
  • 2次試験の合格率は2023年の46.7%から4年続けて低下し、2026年は42.0%
  • 合格率の数字以上に難しく感じるのは、受験者が講座受講者に限られた相対評価であること、出題範囲の広さ2次の記述式と職業倫理の足切り、そして過去問が2025年春までしか公開されていないことが理由です

1次試験の合格率

3科目計の合格率の推移

試験回 合格率(3科目計)
2022年春 48.6%
2022年秋 47.0%
2023年春 46.4%
2023年秋 50.5%
2024年春 46.5%
2024年秋 49.9%
2025年春 48.4%
2025年秋 52.7%
2026年春 44.6%

1次試験の合格率は、4年以上にわたっておおむね45〜50%前後で推移しています。受験者のおよそ半分が合格する試験です。ただし2026年春は44.6%と、この期間で最も低い水準になりました。

科目別の合格率

試験回 科目Ⅰ 科目Ⅱ 科目Ⅲ
2024年春 47.9% 43.8% 48.1%
2024年秋 50.4% 50.9% 48.4%
2025年春 47.3% 49.5% 48.1%
2025年秋 52.8% 54.4% 51.0%
2026年春 43.1% 50.7% 39.2%

1次試験は科目ごとに合否が決まります。科目別に見ると、2026年春は科目Ⅲ(市場と経済の分析・数量分析・職業倫理)が39.2%と大きく下がりました。2026年春の受験者数は、科目Ⅰが2,084名、科目Ⅱが2,411名、科目Ⅲが2,127名です。

出所:日本証券アナリスト協会「CMA1次レベル試験データ」

2次試験の合格率

試験年 受験者数 合格者数 合格率
2022年(旧制度) 3,405名 1,865名 54.8%
2023年 2,548名 1,189名 46.7%
2024年 2,556名 1,139名 44.6%
2025年 2,522名 1,121名 44.4%
2026年 2,317名 973名 42.0%

2次試験は、現行制度(午前・午後の計360点)になった2023年以降、合格率が4年続けて下がっています。受験者は全員が1次の3科目に合格した人たちです。その中で上位に入る必要があるので、1次より一段上の準備が求められます。

合格率5割前後でも「難しい」と言われる5つの理由

1. 受験者が「講座受講者」に限られた相対評価

1次試験を受けられるのは協会の第1次レベル講座の受講者だけで、2次試験も第2次レベル講座の受講者に限られます。受講料を払ってテキストで学んだ人たちが受験者なので、合格率5割といっても「半分は誰でも受かる」という意味ではありません。さらに合否は上位一定割合の受験者の平均得点を基準にした相対評価で、合格点も公表されていません。周りが準備してくるほど、合格ラインも上がります。

2. 出題範囲が広い

協会が公表する「主要学習事項と学習ポイント」の対象は、1次で431項目、2次で370項目にのぼります。1次だけでも株式・債券・デリバティブ・ポートフォリオ・財務分析・コーポレート・ファイナンス・経済・数量分析・職業倫理と9つの分野があり、金融の実務経験がある人でも初めて学ぶ分野が必ず出てきます。

3. 計算問題が多く、時間との勝負になる

科目Ⅰは170点のうち計算問題が120点を占めます。債券の利回りやデュレーション、オプションの価格、ポートフォリオのリスクなどを、限られた時間で電卓を使って正確に解く必要があります。理解していても、手が慣れていないと時間が足りなくなります。

4. 2次は記述式で、職業倫理に足切りがある

2次試験は午前3時間・午後3時間の記述式で、答えの数字だけでなく計算の過程や論旨も採点されます。職業倫理・行為基準は配点が40点台半ばと大きく、一定水準に届かないと総得点にかかわらず不合格になります。1次の「選ぶ」力から「書く」力への切り替えが必要です。

5. 過去問が2025年春までしか公開されていない

1次試験の過去問は、協会のCMA e-Learningで学習できる2025年春の分が最後で、2025年秋・2026年春の問題は公開されていません。2026年秋からはCBT方式も始まりました。SNSでは「形式が変わった」という声もありますが、公式に発表されているのは「試験時間・出題数・配点は従来から変更なし」という点までです。2026年春の合格率低下が問題の難化によるものなのか、準備の仕方の変化によるものなのかは、公開情報からは判断できません。いずれにしても、過去問の形に慣れるだけでは不十分で、初見の問題でも解ける理解が求められています。

難しく感じやすい人・取り組みやすい人

バックグラウンド 取り組みやすさの傾向
簿記・経理の経験がある 科目Ⅱの財務分析・会計処理に入りやすい。ディスクロージャー制度など細かな知識は別途必要
理系・統計に慣れている 科目Ⅲの数量分析、科目Ⅰの計算問題に入りやすい
経済学を学んだことがある 科目Ⅲのミクロ・マクロ経済に入りやすい
金融機関で運用・営業の経験がある 株式市場や債券の用語になじみがある。理論の部分は改めて学ぶ必要がある
金融・会計ともに初めて 用語から覚えることになるので、インプット期を長めにとり、解説動画や用語解説を活用する

どのバックグラウンドでも、全分野を得意分野で固めている人はいません。必要な学習時間は人それぞれなので、他人の「○時間で合格した」という話より、自分がいつまでに何を終えるかを決めることのほうが大切です。

難易度に振り回されずに合格するには

  • 出題範囲を学習ポイントで把握する:広い範囲も、431項目のリストにすれば「どこが終わっていないか」が見えます
  • 3科目を並行して進める:1次は3科目が同じ日に来ます。1科目ずつ仕上げると最後の科目が間に合いません
  • テキストの例題・練習問題で理解を固めてから過去問へ:過去問は理解の確認に使い、初見でも解ける状態をつくります
  • 職業倫理を後回しにしない:1次の科目Ⅲにも2次にも、一定水準に届かないと不合格になる仕組みがあります

具体的なスケジュールと科目別の進め方は、証券アナリスト1次試験の勉強法で解説しています。

よくある質問

Q. 証券アナリスト1次試験の合格率はどれくらいですか?

3科目計でおおむね45〜50%前後です。2026年春は44.6%でした。科目ごとに合否が決まり、2026年春の科目別の合格率は科目Ⅰ43.1%、科目Ⅱ50.7%、科目Ⅲ39.2%です。

Q. 2次試験の合格率はどれくらいですか?

2026年は42.0%(受験者2,317名・合格者973名)でした。現行制度になった2023年の46.7%から4年続けて下がっています。

Q. 合格点は何点ですか?

1次・2次とも合格点は公表されていません。上位一定割合の受験者の平均得点を基準とする相対評価で、回によって合格ラインは変わります。

Q. 証券アナリストとCFA®はどちらが難しいですか?

試験の形式や言語、範囲が異なるため単純には比べられません。証券アナリストで学ぶ内容はCFA®と重なる部分が多く、証券アナリストの学習はCFA®の土台になります。詳しくは証券アナリスト試験の次に目指す試験で解説しています。

Q. 独学でも合格できますか?

受験には協会の講座の受講が必須で、テキスト・学習ポイント・過去問という公式の教材がそろっています。予備校の利用は任意で、独学で合格を目指す方も少なくありません。

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※合格率・受験者数は日本証券アナリスト協会の公表データ(2026年9月時点)にもとづきます。最新情報は協会の公式サイトでご確認ください。