法令・諸規則

金融商品取引法③インサイダー取引・相場操縦・空売り規制|外務員試験の要点

金融商品取引法③ インサイダー取引

結論:不公正取引は「インサイダー取引の数字と対象者」「相場操縦の類型」「空売り規制の数字」の3つで得点が決まります。

  • インサイダー取引の規制対象は、会社関係者と会社関係者でなくなってから1年以内の者、そして第一次情報受領者まで
  • 「公表」は2以上の報道機関に公開して12時間経過、または取引所のTDnetで公衆縦覧、またはEDINETで公衆縦覧
  • 公開買付者等関係者は、関係者でなくなってから6か月以内も規制対象
  • 罰則はインサイダー取引が5年以下の拘禁刑・500万円以下の罰金、相場操縦が10年以下の拘禁刑・1,000万円以下の罰金(併科あり)
  • 空売りの価格規制は基準値段から10%以上下落で発動。残高は0.2%以上で報告、0.5%以上で公表

一種・二種の出題範囲

一種◯ 出題範囲二種◯ 出題範囲外務員必携 第1巻

この章は一種・二種で範囲が同じです。二種の方も記事全体が対象です。

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動画で要点を確認してから、下の本文で数字とひっかけを押さえましょう。ほかの章の動画は YouTube「証券外務員アカデミー」にまとめています。

外務員必携の章別記事の一覧は外務員必携の章別まとめにあります。この記事は金融商品取引法の第3回で、不公正取引を扱います。

不公正取引規制の全体像

金商法は、市場の公正な価格形成をゆがめる行為を「市場阻害行為」として禁止しています。規制は「何人も」を主語とするものが多く、証券会社や外務員に限らず、一般の投資家も規制対象です。

条文 規制 ポイント
第157条 不正行為の禁止(包括規定) 不正の手段・計画・技巧、重要事項の虚偽表示による財産取得、虚偽の相場の利用を広く禁止
第158条 風説の流布・偽計・暴行または脅迫の禁止 相場の変動などを目的とすることが要件
第159条 相場操縦の禁止 仮装売買・馴合売買・変動操作・表示による相場操縦・違法な安定操作
第162条 空売りの規制 政令で明示・確認義務、価格規制などを定める
第163条〜第165条 役員・主要株主の売買報告、短期売買利益の返還、空売りの禁止 主要株主は議決権の10%以上
第166条・第167条 内部者取引(インサイダー取引)の禁止 会社関係者等の禁止/公開買付者等関係者等の禁止
第167条の2 情報伝達・取引推奨の禁止 利益を得させる目的などでの伝達・推奨
第168条〜第171条 その他の不公正取引 虚偽相場の公示、対価を受けた新聞等での意見表示、有利買付けの表示、一定配当の約束の表示など
第185条の22〜 暗号等資産の不公正取引の禁止 不正行為、風説の流布・偽計、相場操縦

不正行為の禁止・風説の流布・偽計

第157条は、有価証券の売買その他の取引やデリバティブ取引等について、不正の手段・計画・技巧をすることなどを禁じる包括規定です。個別の禁止規定に当てはまらない悪質な行為も捕捉できるように、広く書かれています。

第158条は、有価証券の募集・売出し・売買などのため、または相場の変動を図る目的で、次の行為を禁止しています。

  • 風説の流布:根拠のない噂を不特定多数に広めること(SNS・掲示板への書き込みも含む)
  • 偽計:人を欺く計略や手段を用いること(虚偽の業績や提携の公表など)
  • 暴行または脅迫

風説は「虚偽であること」が要件ではなく、合理的な根拠のない情報を流すことで成立し得ます。「結果的に本当だったから問題ない」とはなりません。

相場操縦の禁止

相場操縦は、人為的に相場を動かして他の投資家を誘い込む行為です。第159条は類型ごとに禁止しています。

類型 内容
仮装売買 権利の移転を目的としない見せかけの売買(同一人が売りと買いを同時に出すなど)。取引が繁盛していると他人に誤解させる目的が要件
馴合売買 他人と通謀し、同じ時期に同じ価格で売りと買いを出し合うこと
変動操作 売買を誘引する目的で、取引が繁盛であると誤解させ、または相場を変動させるべき一連の売買や委託・受託をすること
表示による相場操縦 相場が自己や他人の操作によって変動する旨を流布すること、重要な事項について虚偽・誤解を生じさせる表示をすること
違法な安定操作 相場をくぎ付けし、固定し、安定させる目的の一連の売買。政令で定めるところに従う場合(募集・売出しを円滑に行うための安定操作など)を除き禁止

仮装売買・馴合売買は、その委託や受託も禁止されています。証券会社が顧客の相場操縦の注文と知りながら受託すれば、業者も違反になります。相場操縦で損害を受けた投資家は、違反者に損害賠償を請求できます(第160条)。

業者の行為規制でも、実勢を反映しない作為的相場を形成する目的で過当な数量の売買を受託することなどが禁止されています。業者側のルールは金融商品取引法①総論・業者規制・外務員制度で確認してください。

空売り規制

空売りとは、有価証券を有しないで、もしくは借り入れて売り付けることです。空売りは価格発見に役立つ一方、下落局面で売り崩しに使われるおそれがあるため、政令・内閣府令で次の規制が設けられています。

規制 内容
明示・確認義務 売付けの注文を出す者は空売りであるか否かを明示し、証券会社はそれを確認して取引所に明示する
価格規制(トリガー方式) 株価が基準値段から10%以上下落した銘柄に発動。発動から翌日の立会終了まで直近公表価格以下での空売りが原則禁止(直近の価格が上昇して付いた場合は直近公表価格での空売りは可)
価格規制の適用除外の例 機関投資家以外(個人等)の信用取引による売付けで50売買単位以内のもの、裁定取引・ヘッジ取引など一定のもの
残高の報告・公表 発行済株式総数の0.2%以上の空売り残高は取引所経由で報告、0.5%以上のものは取引所が公表
増資公表後の空売り規制 公募増資の公表後から発行価格決定までの間に空売りをした者は、その増資で取得した株式で空売りの決済をしてはならない
決済措置のない空売りの禁止 売付けの際に借株などの決済手当てがされていない空売り(いわゆるネイキッド・ショート・セリング)は禁止

価格規制の数字「10%」と、残高報告の「0.2%/0.5%」を入れ替えるひっかけに注意してください。

役員・主要株主の売買規制

上場会社の役員と主要株主(総株主等の議決権の10%以上を保有する株主)は、内部情報に接しやすい立場にあります。そのため、インサイダー取引の規制とは別に、形式的な規制がかかります。

規制 内容
売買報告書の提出(第163条) 自社株券等の売買をしたときは、売買のあった月の翌月15日までに内閣総理大臣に報告書を提出(証券会社を通じた売買は証券会社経由)
短期売買利益の返還(第164条) 自社株券等について、買付け後6か月以内に売付け(または売付け後6か月以内に買付け)をして利益を得たときは、会社はその利益の提供を請求できる。内部情報を利用したかどうかは問わない
空売りの禁止(第165条) 役員・主要株主は、自社株券等について、保有する数量を超える売付け(空売り)をしてはならない

インサイダー取引(内部者取引)の規制

インサイダー取引とは、上場会社の重要事実を職務などで知った者が、その事実が公表される前に、その会社の株式などを売買することです。規制の構造は「誰が(規制対象者)」「何を知って(重要事実)」「いつまで(公表前)」「何をすると(売買等)」の4点で整理します。

規制対象者:会社関係者と情報受領者

会社関係者 重要事実を知った経緯
上場会社等の役員・代理人・使用人その他の従業者(役員等) その者の職務に関し知ったとき(アルバイト・派遣社員なども含む)
会計帳簿閲覧請求権を有する株主(投資法人の投資主を含む) その権利の行使に関し知ったとき
法令に基づく権限を有する者 その権限の行使に関し知ったとき(許認可を担当する公務員など)
契約を締結している者・締結の交渉をしている者 その契約の締結・交渉・履行に関し知ったとき(取引銀行、引受証券会社、監査法人、弁護士など)
上記の株主・契約締結者等が法人である場合のその役員等 その者の職務に関し知ったとき
  • 元会社関係者:会社関係者でなくなった後1年以内の者も規制対象です(退職者など)
  • 情報受領者:会社関係者から重要事実の伝達を受けた者(第一次情報受領者)も規制対象です
  • 第一次情報受領者が法人の場合、その法人の役員等で職務上伝達を受けた者も対象になります
  • 第一次情報受領者からさらに伝達を受けた第二次情報受領者は、原則として規制対象外です

重要事実

重要事実は、投資判断に影響を及ぼす会社の情報です。4つの区分と、それぞれの子会社版があります。

区分 主な例
決定事実 業務執行を決定する機関が、株式・新株予約権の募集、資本金の額の減少、自己株式の取得、株式分割、剰余金の配当、合併、会社分割、事業の譲渡・譲受け、解散、新製品・新技術の企業化、業務提携などを行うことを決定した(または中止を決定した)こと
発生事実 災害に起因する損害、主要株主の異動、上場廃止の原因となる事実、訴訟の提起・判決、行政処分など
決算情報 売上高・経常利益・純利益・配当などについて、公表済みの予想値と新たな予想値(または決算)との間に一定以上の差異が生じたこと
バスケット条項 上記以外で、会社の運営・業務・財産に関する重要な事実であって投資者の投資判断に著しい影響を及ぼすもの

決定事実の「決定」は、取締役会決議に限りません。実質的に会社の意思決定と同視できる機関(社長や経営会議など)が決定した時点で重要事実になり得ます。また、投資判断への影響が軽微なものとして内閣府令で定める基準(軽微基準)に該当する事実は、重要事実から除かれます。決算情報の差異の基準は、売上高が10%、経常利益・純利益が30%(利益の変動額が純資産の一定割合以上の場合)、配当が20%以上の変動です。

「公表」とは

重要事実が公表されれば、以後の売買はインサイダー取引になりません。公表とは、次のいずれかをいいます。

公表の方法 公表されたとみなされる時点
報道機関への公開(12時間ルール) 上場会社等の代表者などが、2以上の報道機関に公開した時から12時間が経過した時
取引所への通知(TDnet) 上場している取引所に通知し、取引所のウェブサイト(TDnet)で日本語で公衆縦覧に供された時
法定開示書類の縦覧 重要事実が記載された有価証券報告書・臨時報告書などがEDINETで公衆縦覧に供された時

例題1. A社の社長が、ある日の15時に新聞社2社と通信社1社に業績の上方修正を公開した(TDnetでの開示はしていない)。A社の社員が買付けをしても規制に触れないのは何時以降?

式:公開時刻 + 12時間

途中計算:15時 + 12時間 = 翌日3時

答え:翌日午前3時以降(実際には翌日の取引開始から)。ただし、同じ事実を15時にTDnetで開示していれば、その時点で公表となります

実務では、上場会社はTDnetによる適時開示で公表するのが通常です。「新聞1社に公開した」「記者1人に話した」だけでは公表になりません。また、公表前に報道機関の観測報道が出ても、それは会社による公表措置ではないため「公表」には当たりません。

公開買付け等に関するインサイダー取引(第167条)

株式の公開買付け(TOB)や、議決権の5%以上の買集めを行うという事実は、対象会社の株価を大きく動かします。そこで、公開買付者等関係者(公開買付者の役員等、契約締結者など)が、公開買付け等の実施・中止に関する事実を知って、公表前に対象会社の株券等を買付け(中止の場合は売付け)することが禁止されています。

  • 公開買付者等関係者でなくなった後6か月以内の者も対象(会社関係者の「1年」と区別)
  • 公開買付者等関係者から伝達を受けた第一次情報受領者も対象
  • 規制されるのは、実施の事実なら買付け、中止の事実なら売付け

情報伝達・取引推奨の禁止(第167条の2)

会社関係者などが、公表前に他人に利益を得させる目的または損失の発生を回避させる目的で、重要事実を伝達したり、売買を勧めたり(取引推奨)することは禁止されています。

ただし刑事罰・課徴金の対象となるのは、伝達・推奨を受けた者が公表前に実際に売買をした場合に限られます。証券会社の営業員が法人関係情報を顧客に伝えて勧誘すれば、この規制と業者の行為規制の両方に抵触し得ます。

適用除外

次のような取引は、重要事実を知っていてもインサイダー取引規制の適用が除外されます(主なもの)。

  • 株式の割当てを受ける権利・新株予約権の行使による株券の取得
  • 株式買取請求権などの法令上の義務に基づく売買
  • 公開買付けに対抗するための、取締役会決議に基づく買付け(対抗買い)
  • 会社法の手続に基づく自己株式の取得(決議の事実を除く重要事実について一定の要件を満たすもの)
  • 重要事実を知っている者同士が、市場外で相対で売買する場合(いわゆるクロクロ取引)
  • 重要事実を知る前に締結した契約の履行や、知る前に決定された計画の実行として行う売買(知る前契約・計画)

インサイダー取引の罰則と課徴金

制裁 内容
刑事罰(個人) 5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、または併科(第197条の2)。情報伝達・取引推奨違反も同じ
刑事罰(法人の両罰規定) 5億円以下の罰金(第207条)
没収・追徴 違反行為で得た財産は没収、没収できなければその価額を追徴
課徴金(行政処分) 利得相当額を基準に算定。買付けの場合、重要事実の公表後2週間の最高値×買付数量から買付価額を差し引いた額。売付けの場合は、売付価額から公表後2週間の最安値×売付数量を差し引いた額

例題2. 会社関係者Bが、好材料の重要事実の公表前にC社株を1株1,000円で10,000株買い付けた。公表後2週間の最高値は1,400円。課徴金の額は?

式:公表後2週間の最高値 × 買付数量 − 買付価額

途中計算:1,400円 × 10,000株 − 1,000円 × 10,000株 = 1,400万円 − 1,000万円

答え:400万円

例題3. 会社関係者Dが、悪材料の重要事実の公表前にE社株を1株2,000円で5,000株売り付けた。公表後2週間の最安値は1,500円。課徴金の額は?

式:売付価額 − 公表後2週間の最安値 × 売付数量

途中計算:2,000円 × 5,000株 − 1,500円 × 5,000株 = 1,000万円 − 750万円

答え:250万円

相場操縦・風説の流布の罰則と課徴金

違反 個人 法人(両罰)
相場操縦・風説の流布・偽計・不正行為(第157条〜第159条) 10年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、または併科 7億円以下の罰金
財産上の利益を得る目的で相場操縦などをし、その相場で売買した場合 10年以下の拘禁刑および3,000万円以下の罰金(必ず併科) 7億円以下の罰金
インサイダー取引・情報伝達・取引推奨 5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、または併科 5億円以下の罰金

2025年6月の刑法改正の施行により、懲役・禁錮は拘禁刑に一本化されています。課徴金は、風説の流布・偽計、仮装・馴合売買、変動操作、違法な安定操作、インサイダー取引が対象で、同じ違反を繰り返すと1.5倍に加算、調査前に自ら報告すると半額に減算される仕組みがあります。課徴金の手続や開示違反の課徴金は金融商品取引法④開示制度・5%ルール・TOB・法執行で扱います。

その他の不公正取引の禁止

  • 虚偽相場の公示等の禁止(第168条):有価証券等の相場を偽って公示したり、公示・頒布の目的で虚偽の相場を記載した文書を作成・頒布したりすること
  • 対価を受けて行う新聞等への意見表示の制限(第169条):発行者などから対価を受けて、有価証券に関する意見を新聞・雑誌などに掲載するときは、対価を受けていることを表示しなければならない
  • 有利買付け等の表示の禁止(第170条):有価証券の売付けの勧誘などに際し、不特定多数の者に対して「自己または他人が一定の価格を超える価格で買い付ける」などと表示すること
  • 一定の配当等の表示の禁止(第171条):不特定多数に対し、一定期間継続して一定の額を超える配当などを行う旨を表示すること

暗号等資産の不公正取引規制

暗号資産(仮想通貨)や電子決済手段などの暗号等資産についても、金商法は株式などと同様の不公正取引を禁止しています。

  • 暗号等資産の売買やデリバティブ取引などについての不正行為の禁止(第185条の22)
  • 相場の変動を図る目的での風説の流布・偽計・暴行または脅迫の禁止
  • 仮装売買・馴合売買・変動操作などの相場操縦の禁止

なお、2026年7月に成立した金融商品取引法等の改正法では、暗号資産の規制を資金決済法から金商法に移し、暗号資産のインサイダー取引規制を新たに設けることなどが盛り込まれました。暗号資産に関する部分の本格的な施行は2027年とされており、2026年9月時点では施行前です。試験対策では現行ルール(暗号等資産にはインサイダー取引規制がまだない)で押さえてください。

試験に出るひっかけ(○×問題)

問1. 上場会社を退職して2年経過した元社員が、在職中に職務で知った未公表の重要事実に基づいて株式を買い付けても、インサイダー取引規制の対象とならない。

答え:○ 元会社関係者の規制期間は会社関係者でなくなった後1年以内です。

問2. 会社関係者から重要事実を聞いた友人から、さらにその話を聞いた者(第二次情報受領者)も、原則としてインサイダー取引規制の対象となる。

答え:× 規制対象は原則として第一次情報受領者までです。

問3. 重要事実を1つの報道機関に公開し、12時間が経過すれば「公表」されたことになる。

答え:× 2以上の報道機関に公開して12時間の経過が必要です。

問4. 公開買付者等関係者でなくなった後1年以内の者は、公開買付けに関するインサイダー取引規制の対象となる。

答え:× 公開買付者等関係者は「6か月以内」です。1年は会社関係者の期間です。

問5. 情報伝達・取引推奨の禁止に違反した場合、伝達を受けた者が売買をしたかどうかにかかわらず刑事罰の対象となる。

答え:× 刑事罰・課徴金の対象になるのは、伝達・推奨を受けた者が公表前に売買をした場合です。

問6. 上場会社の主要株主が、自社株を買い付けてから6か月以内に売り付けて利益を得た場合、会社はその利益の提供を請求できる。

答え:○ 短期売買利益の返還請求です。内部情報の利用の有無は問いません。

問7. 空売りの価格規制は、株価が基準値段から5%以上下落したときに発動する。

答え:× 発動基準は10%以上の下落です。

問8. 相場操縦の禁止は、証券会社などの金融商品取引業者だけが対象である。

答え:× 「何人も」が対象で、一般の投資家も規制されます。

この章の論点は外務員試験の模擬試験(一種・二種 各3回分・全問解答解説つき)でも出題しています。要点を読んだら、本番形式の問題で理解を確かめてください。

外務員の次に取る資格

インサイダー取引や相場操縦のルールは、市場の公正さと投資家の信頼を守るためにあります。「どこまでが許される情報収集で、どこからが不正か」という判断は、アナリストやファンドマネージャーになると日常的に問われます。CFA®では、重要な未公表情報の扱いが倫理・職業行為基準の中核テーマです。

金融機関で働く人が外務員の次にどんな資格に挑んでいるかは、こちらでまとめています。
【金融機関×CFA】銀行・証券・保険・アセマネ勤務の方がCFA®試験に挑む理由

よくある質問

Q. インサイダー取引の「公表」は、いつ成立しますか?

A. 2以上の報道機関に公開して12時間が経過した時、上場取引所に通知してTDnetで公衆縦覧に供された時、または重要事実を記載した有価証券報告書などがEDINETで公衆縦覧に供された時のいずれかです。

Q. 退職した社員はいつまでインサイダー取引規制の対象ですか?

A. 会社関係者でなくなった後1年以内は規制対象です。公開買付けに関する事実を知った公開買付者等関係者の場合は、関係者でなくなった後6か月以内が規制対象です。

Q. インサイダー取引の罰則はどのくらいですか?

A. 個人は5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはその併科です。法人には両罰規定で5億円以下の罰金が科され、得た財産は没収・追徴されます。これとは別に行政処分として課徴金もあります。

Q. 空売りの残高はどの水準で報告・公表されますか?

A. 発行済株式総数の0.2%以上の空売り残高は報告が必要で、0.5%以上のものは取引所が公表します。

参考(2026年9月確認):e-Gov法令検索「金融商品取引法」(第157条〜第171条・第185条の22・第197条・第197条の2・第207条)、「金融商品取引法施行令」第30条、日本取引所グループ「空売り規制」、証券取引等監視委員会「不公正取引規制違反に係る課徴金制度について」、金融庁「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案 説明資料」(2026年4月)。制度は改正されることがあるため、最新の条文は各公式サイトでご確認ください。