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証券税制①所得税(利子・配当・譲渡益・NISA)|外務員試験の要点

証券税制① 所得税とNISA

結論:証券税制の所得税は「20.315%」「3年」「3%」「1,800万円」の4つの数字で大半が解けます。

  • 上場株式等の配当・譲渡益・特定公社債等の利子は、所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%=20.315%
  • 上場株式等の配当は総合課税・申告分離課税・申告不要から選べる。配当控除は総合課税を選んだときだけ
  • 上場株式等の譲渡損失は、申告分離課税を選んだ配当・利子と損益通算でき、残りは翌年以後3年間繰越控除できる
  • 発行済株式等の3%以上を持つ大口株主の配当は総合課税のみ(源泉20.42%)
  • NISAは年間つみたて120万円+成長240万円、生涯の非課税保有限度額1,800万円(うち成長1,200万円)、期間無期限・恒久化

一種・二種の出題範囲

一種◯ 出題範囲二種◯ 出題範囲外務員必携 第3巻

この章は一種・二種で範囲が同じです。二種の方も記事全体が対象です。先物取引の雑所得など、デリバティブに関係する税金の話も共通範囲に入っています。

▶ この章の解説動画

動画で要点を確認してから、下の本文で数字とひっかけを押さえましょう。ほかの章の動画は YouTube「証券外務員アカデミー」にまとめています。

外務員必携の章別記事の一覧は外務員必携の章別まとめにあります。相続税・贈与税・法人税・住民税は証券税制②法人税・相続税・贈与税・住民税で扱います。

所得税の基本:10種類の所得と課税方式

所得税は、個人が1月1日から12月31日までの1年間に得た所得にかかる国税です。所得は性質に応じて10種類に分けられ、それぞれ計算方法が違います。証券外務員試験で問われるのは、このうち利子所得・配当所得・譲渡所得(株式等の譲渡所得等)・雑所得の4つが中心です。

所得の種類 証券取引での主な例
利子所得 預貯金の利子、公社債の利子、公社債投資信託の収益分配金
配当所得 株式の配当(剰余金の配当)、株式投資信託の普通分配金、投資法人(REIT)の分配金
不動産所得 (地代・家賃など。証券とは直接関係なし)
事業所得 (商売・自由業の所得)
給与所得 (給料・賞与)
退職所得 (退職金。分離課税)
山林所得 (山林の譲渡。分離課税)
譲渡所得 株式・公社債・株式投資信託などの売却益(「株式等に係る譲渡所得等」として別枠の申告分離課税)
一時所得 (懸賞金・生命保険の一時金など)
雑所得 先物・オプション取引の差金決済の利益(「先物取引に係る雑所得等」)、公的年金など

総合課税・分離課税・源泉分離課税の違い

課税方式は大きく3つです。総合課税は他の所得と合算して超過累進税率(所得が増えるほど高い税率)で課税する方式。申告分離課税は他の所得と切り離して一定税率で計算し、確定申告で納める方式。源泉分離課税は支払時に一定税率で天引きされて課税関係が終わり、確定申告できない方式です。預貯金の利子が源泉分離課税の代表例です。

課税方式 しくみ 代表例
総合課税 他の所得と合算し累進税率。確定申告 給与所得、上場株式等の配当(選択した場合)、大口株主の配当、非上場株式の配当
申告分離課税 他と切り離して一定税率。確定申告 株式等の譲渡所得等、特定公社債等の利子(申告する場合)、先物取引に係る雑所得等
源泉分離課税 天引きで課税終了。申告できない 預貯金の利子、一般公社債等の利子

税率の内訳と復興特別所得税・防衛特別所得税

証券税制でいう「20.315%」は、所得税15%、復興特別所得税0.315%(所得税額の2.1%)、住民税5%の合計です。復興特別所得税は2013年から課されています。当初は2037年までの予定でしたが、下記の令和8年度改正で10年延長され、令和29年(2047年)12月31日までとなりました。

さらに2026年3月に成立した令和8年度税制改正で、2027年1月から防衛特別所得税(所得税額の1%)が創設され、同時に復興特別所得税の税率が2.1%から1.1%へ下がり、課税期間が10年延長(2047年まで)されました。国税庁は「改正前と改正後で合計税率に変更はない」と明記しているので、2027年以後も上場株式等の源泉徴収税率は合計20.315%のままです(源泉徴収される税目が「所得税・防衛特別所得税・復興特別所得税」の3つになる)。

区分 2026年まで 2027年から
所得税 15% 15%
復興特別所得税 所得税額の2.1%(=0.315%) 所得税額の1.1%(=0.165%)
防衛特別所得税 なし 所得税額の1%(=0.15%)
国税の合計 15.315% 15.315%(変わらない)
住民税 5% 5%

利子所得の課税

2016年(平成28年)1月1日以後、公社債の税制は「特定公社債等」と「一般公社債等」に分けられ、株式と同じように「上場」「一般」の2グループで課税する形に一本化されました(金融所得課税の一体化)。

  • 特定公社債等:国債・地方債・外国国債・公募公社債・上場公社債、公募公社債投資信託など。上場株式等のグループに入る
  • 一般公社債等:特定公社債以外の公社債(私募債など)。一般株式等のグループに入る
利子の種類 課税方式 税率
預貯金の利子 源泉分離課税(申告できない) 20.315%
特定公社債等の利子 申告分離課税。ただし源泉徴収で済ませる申告不要も選べる 20.315%
一般公社債等の利子 源泉分離課税 20.315%
同族会社が発行した私募債の利子で、その同族株主等が受けるもの 総合課税 累進税率

特定公社債等の利子を申告すると上場株式等の譲渡損失と損益通算できます。預貯金の利子はどうやっても通算できない、という対比がよく問われます。

配当所得の課税

配当所得は原則として総合課税です。ただし上場株式等の配当(大口株主等が受けるものを除く)は、申告分離課税や申告不要を選べます。支払時には必ず源泉徴収されます。

配当の種類 源泉徴収税率 選べる課税方式
上場株式等の配当(一般の株主) 15.315%+住民税5%=20.315% 総合課税/申告分離課税/申告不要(金額に関係なく)
上場株式等の配当(大口株主等=発行済株式等の3%以上を保有する個人) 20.42%(住民税の特別徴収なし) 総合課税(少額配当は申告不要可)
非上場株式の配当 20.42% 総合課税(少額配当は申告不要可)

申告不要にできる少額配当は、1回に支払を受ける配当が「10万円×配当計算期間の月数÷12」以下のものです。一方、一般の株主が受ける上場株式等の配当は、金額に関係なく申告不要を選べます。「上場株式の配当は年10万円以下でないと申告不要にできない」はひっかけです。

3つの課税方式の比較

項目 総合課税 申告分離課税 申告不要
税率 累進税率 20.315% 20.315%(源泉徴収で終了)
配当控除 あり なし なし
上場株式等の譲渡損失との損益通算 できない できる できない
向いている人 課税所得が低く、配当控除で税負担が下がる人 譲渡損失を抱えている人 手間をかけたくない人、所得が高い人

申告分離課税を選ぶときは、その年の上場株式等の配当等について申告するものは全部申告分離課税にしなければなりません(一部を総合課税、一部を申告分離、という混在は不可)。一方、申告不要は1回に支払を受ける配当ごとに選べます。

また2024年度(令和6年度)分の個人住民税から、上場株式等の配当等の課税方式は所得税と住民税で一致させることになりました。所得税は総合課税、住民税は申告不要、という使い分けは現在できません。

配当控除

配当控除は、法人税を課された後の利益から配当が払われる「二重課税」を調整するための税額控除です。総合課税を選んだ場合だけ使えます。

配当の種類 課税総所得金額等が1,000万円以下の部分 1,000万円超の部分
剰余金の配当等(株式の配当) 配当所得の10% 配当所得の5%
証券投資信託の収益分配(一般的な株式投信) 5% 2.5%
外貨建等証券投資信託の収益分配 2.5% 1.25%

配当控除の対象外は、申告不要・申告分離課税を選んだ配当、外国法人からの配当、投資法人(J-REIT)からの分配、私募公社債等運用投資信託などです。「J-REITの分配金は総合課税にすれば配当控除が受けられる」は誤りです。

投資信託の分配金:普通分配金と元本払戻金

追加型株式投資信託の分配金は、個別元本(その人の平均取得単価)を基準に分けて扱います。分配落ち後の基準価額が個別元本を上回る部分から払われる普通分配金は配当所得として課税、個別元本を下回る部分から払われる元本払戻金(特別分配金)は非課税で、その分だけ個別元本が下がります。投資信託の分配の仕組みは投資信託②販売・基準価額・分配・投資法人(REIT)もあわせて確認してください。

株式等の譲渡所得の課税

株式・公社債・株式投資信託などを売った利益は「株式等に係る譲渡所得等」として、給与などとは切り離した申告分離課税(20.315%)です。ここでは「上場株式等」と「一般株式等」を別々の所得として計算するのが最重要ポイントです。

区分 主な範囲 譲渡損失の扱い
上場株式等 上場株式、ETF、上場REIT、公募株式投資信託、特定公社債、公募公社債投資信託など 上場株式等の譲渡益と通算可。申告分離課税を選んだ上場株式等の配当・利子とも通算可。3年間繰越控除可
一般株式等 非上場株式、私募株式投資信託、一般公社債など 一般株式等の中だけで通算。上場株式等とは通算不可。繰越控除不可

株式等の譲渡損失は、給与所得や不動産所得など他の所得とは通算できません

譲渡所得の計算と取得費

譲渡所得等の金額は「譲渡価額−(取得費+売却手数料など)」で計算します。同じ銘柄を何回かに分けて買った場合、取得費は総平均法に準ずる方法(買った金額の合計を株数の合計で割った平均単価)で計算します。

例題1(取得費の計算) A社株を1,000株@1,200円で買い、その後1,000株@1,500円で買い増した。このうち1,500株を@1,600円で売った。手数料は考えない。譲渡所得等の金額はいくらか。

平均単価=(1,200円×1,000株+1,500円×1,000株)÷2,000株=2,700,000円÷2,000株=1,350円

譲渡所得等=(1,600円−1,350円)×1,500株=250円×1,500株

答え:375,000円

例題2(源泉徴収額) 特定口座(源泉徴収あり)で上場株式を3,000,000円で売却。取得費2,400,000円、売却手数料20,000円。2026年中の取引として、源泉徴収される所得税等と住民税はいくらか。

譲渡所得等=3,000,000円−(2,400,000円+20,000円)=580,000円

所得税+復興特別所得税=580,000円×15.315%=88,827円

住民税=580,000円×5%=29,000円

答え:所得税等88,827円、住民税29,000円(合計117,827円)

特定口座:源泉徴収あり・なし

特定口座は、証券会社が上場株式等の譲渡損益を計算し、「特定口座年間取引報告書」を作ってくれる口座です。1つの証券会社につき1口座で、源泉徴収を選ぶかどうかで扱いが変わります。

口座 税金の納め方 確定申告
一般口座 自分で計算して申告 必要
特定口座(源泉徴収なし=簡易申告口座) 年間取引報告書を使って申告 必要(簡便に作成できる)
特定口座(源泉徴収あり=源泉徴収口座) 売却の都度、証券会社が20.315%を源泉徴収・損失が出れば還付 不要を選べる(他口座との通算や繰越控除を使うなら申告)

源泉徴収口座には、上場株式等の配当や特定公社債等の利子を受け入れることもできます。受け入れると、口座内の譲渡損失と配当等が自動で損益通算され、源泉徴収税額が還付・調整されます。ただし、配当を口座で受け取るには証券会社で受け取る方式(株式数比例配分方式)を選ぶ必要があります。

損益通算と3年間の繰越控除

上場株式等の譲渡損失は、その年の申告分離課税を選んだ上場株式等の配当所得・利子所得と損益通算でき、なお引ききれない損失は翌年以後3年間繰り越して、上場株式等の譲渡所得と配当所得等から控除できます。

  • 損益通算できる配当は申告分離課税を選んだものに限られる(総合課税を選んだ配当とは通算できない)
  • 繰越控除を受けるには、損失が出た年に付表を添付して確定申告し、その後も連続して確定申告する
  • 株式を売らなかった年でも、損失を翌年へ繰り越すための申告が必要

例題3(損益通算と還付) ある年、上場株式の譲渡損失が500,000円、源泉徴収済みの上場株式等の配当が300,000円あった(配当は申告分離課税で申告)。還付される所得税等と、翌年に繰り越せる損失はいくらか。

損益通算:300,000円−500,000円=−200,000円 → 配当の課税所得は0円

配当から源泉徴収されていた所得税等=300,000円×15.315%=45,945円 → 全額還付

答え:所得税等45,945円が還付。損失200,000円を翌年以後3年間繰越控除できる(連続申告が条件)

配当から特別徴収された住民税(300,000円×5%=15,000円)も、住民税の計算で同じように調整されます。

割引債・公社債の償還差益

2016年1月1日以後は、公社債の譲渡益や償還差益(償還金額と取得価額の差)も「株式等に係る譲渡所得等」として申告分離課税20.315%になりました。それまで非課税だった公社債の譲渡益が課税対象になった点、利子・償還差益・譲渡益がまとめて上場株式等と損益通算できるようになった点が改正のポイントです。

項目 内容
2016年以後の償還差益・譲渡益 上場株式等(特定公社債)または一般株式等(一般公社債)に係る譲渡所得等として申告分離課税(20.315%)
2015年12月31日以前に発行された発行時源泉分離課税の割引債 発行時に償還差益に対し18.378%(特別割引債は16.336%)を源泉徴収
同族会社の社債の償還金で同族株主等が受けるもの 申告分離課税の対象外で、総合課税の雑所得

割引債そのものの仕組みと利回り計算は債券業務②転換社債(CB)と債券の利回り計算で扱っています。

先物・オプション取引の雑所得

先物取引・オプション取引などの差金決済で得た利益は「先物取引に係る雑所得等」として申告分離課税(所得税等15.315%+住民税5%)になります。

項目 内容
主な対象 取引所の先物・オプション取引(市場デリバティブ取引)、FXなどの店頭デリバティブ取引の差金決済
税率 20.315%(申告分離課税)
損益通算 先物取引に係る雑所得等の中でのみ可。上場株式等の譲渡損益や給与所得とは通算不可
繰越控除 損失は翌年以後3年間、先物取引に係る雑所得等から控除可(確定申告が要件)

「株価指数先物の損失は上場株式の譲渡益と通算できる」は×です。株式とデリバティブは別のグループと覚えてください。先物取引の仕組みはデリバティブ取引①先物・先渡・スワップと市場デリバティブで扱っています。

NISA(少額投資非課税制度)

NISAは、NISA口座で買った上場株式・投資信託などの配当・分配金と売却益が非課税になる制度です。2024年1月から現行制度になり、制度の恒久化と非課税保有期間の無期限化が行われました。

項目 つみたて投資枠 成長投資枠
併用 可能 可能
年間投資枠 120万円 240万円
非課税保有期間 無期限 無期限
非課税保有限度額(総枠) 1,800万円(簿価残高で管理) 1,800万円のうち1,200万円まで
口座開設期間 恒久化 恒久化
投資対象 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 上場株式・投資信託等(整理・監理銘柄、信託期間20年未満・毎月分配型・高レバレッジ型の投資信託などは除外)
対象年齢 18歳以上の居住者等 18歳以上の居住者等
  • 年間の投資上限は2つの枠の合計で最大360万円
  • NISA口座は1人1口座(金融機関は1年単位で変更可)
  • 売却すると、売った商品の簿価(取得価額)分の枠が翌年以降に復活する(売った年のうちには復活しない)
  • NISA口座で生じた損失はないものとされ、他の口座の利益との損益通算や繰越控除はできない
  • 上場株式の配当をNISAで非課税にするには、株式数比例配分方式で受け取る必要がある

ジュニアNISAの現状

ジュニアNISA(未成年者口座)は2023年末で終了し、2024年以降は新規に買い付けられません。すでに持っている商品は、5年の非課税期間が終わると自動的に継続管理勘定へ移り、18歳になるまで非課税で保有できます。

払出し(引出し)の制限は2024年以降なくなり、年齢や事由に関係なく非課税で払い出せます。ただし一部だけの払出しはできず、全額を払い出して口座を廃止する形になります。「ジュニアNISAは18歳まで払い出せない」は、制度終了前の古い知識なので注意してください。

2027年からの未成年者のつみたて投資枠(令和8年度改正)

2026年3月31日に成立した令和8年度税制改正で、つみたて投資枠の対象年齢が0歳まで拡大されることになりました。財務省・金融庁の資料では、2027年1月から次の内容で実施されます。

項目 内容
対象年齢 0〜17歳
年間投資枠 60万円(つみたて投資枠)
非課税保有限度額 600万円
払出し 12歳以降、子の同意を得た場合に親権者等が払出し可能
18歳到達後 成人のNISAへ移行(総枠1,800万円の仕組みへ)
開始 2027年(令和9年)1月から

外務員必携2026年版の範囲では現行NISA(18歳以上)が中心なので、試験ではまず「年120万円・240万円・1,800万円・1,200万円・無期限・恒久化」を確実に押さえてください。

告知制度・支払調書・マイナンバー

税務署が利子・配当・譲渡の対価の支払状況を把握するために、告知支払調書の仕組みがあります。

  • 告知:証券口座の開設時など、利子・配当・株式等の譲渡対価を受け取る人は、氏名・住所・個人番号(マイナンバー)を証券会社などに告知する
  • 支払調書:配当や株式等の譲渡の対価を支払う証券会社などは、受取人の個人番号を記載した支払調書を税務署に提出する。たとえば株式等の譲渡の対価等の支払調書は翌年1月31日までに提出
  • 特定口座年間取引報告書:特定口座の年間の損益を記載し、顧客に交付するとともに税務署にも提出される

マイナンバー制度そのもの(取得時の本人確認や利用制限)は個人情報保護法・マイナンバー法・犯罪収益移転防止法で扱っています。

試験に出るひっかけ(○×問題)

問1. 預貯金の利子は、確定申告をすれば上場株式等の譲渡損失と損益通算できる。

答え:× 預貯金の利子は源泉分離課税で、申告自体ができません。通算できるのは特定公社債等の利子です。

問2. 上場株式等の配当について申告分離課税を選択した場合でも、配当控除の適用を受けることができる。

答え:× 配当控除は総合課税を選んだ場合だけです。

問3. 発行済株式等の3%以上を保有する大口株主等が受ける上場株式の配当は、申告分離課税を選択できない。

答え:○ 大口株主等の配当は総合課税で、源泉徴収税率は20.42%です。

問4. 上場株式等の譲渡損失は、確定申告により翌年以後5年間繰り越すことができる。

答え:× 3年間です。先物取引に係る雑所得等の損失も3年間です。

問5. 非上場株式の譲渡損失は、上場株式の譲渡益と損益通算できる。

答え:× 一般株式等と上場株式等は別の所得として計算し、相互に通算できません。

問6. NISAの非課税保有限度額は1,800万円で、そのうち成長投資枠は1,200万円までである。

答え:○ 簿価残高で管理し、売却すると簿価分の枠が翌年以降に復活します。

問7. NISA口座で生じた譲渡損失は、特定口座の譲渡益と損益通算することができる。

答え:× NISA口座の損失はないものとされ、損益通算も繰越控除もできません。

問8. 株式投資信託の元本払戻金(特別分配金)は、配当所得として課税される。

答え:× 元本払戻金は非課税です。課税されるのは普通分配金です。

この章の論点は外務員試験の模擬試験(一種・二種 各3回分・全問解答解説つき)でも出題しています。要点を読んだら、本番形式の問題で理解を確かめてください。

外務員の次に取る資格

証券税制は、お客さまの手取りを左右する実務の知識です。配当か売却益か、どの口座で持つかといった判断の先には、そもそもどの資産にどう配分するかというポートフォリオの考え方があります。そこを体系的に学ぶ資格として、証券アナリスト(CMA)やCFA®を目指す人もいます。

金融機関で働く人が外務員の次にCFA®試験を選ぶ理由は、こちらでまとめています。
【金融機関×CFA】銀行・証券・保険・アセマネ勤務の方がCFA®試験に挑む理由

よくある質問

Q. 上場株式等の配当・譲渡益にかかる税率20.315%の内訳は何ですか?

A. 所得税15%、復興特別所得税0.315%(所得税額の2.1%)、住民税5%です。2027年からは防衛特別所得税(所得税額の1%)が創設され、復興特別所得税は1.1%に下がりますが、合計税率は変わりません。

Q. 上場株式の配当はどの課税方式を選ぶのが得ですか?

A. 課税所得が低く配当控除が効く人は総合課税、上場株式等の譲渡損失がある人は申告分離課税、手間をかけたくない人は申告不要が一般的です。なお2024年度分から、所得税と住民税で同じ課税方式を選ぶ必要があります。

Q. 特定口座の源泉徴収ありを選べば、確定申告は一切いりませんか?

A. 口座内の譲渡益については申告不要を選べます。ただし、複数の証券会社の口座の損益を通算したい場合や、譲渡損失を翌年以後3年間繰り越したい場合は確定申告が必要です。

Q. ジュニアNISAは今でも18歳まで払い出せないのですか?

A. いいえ。ジュニアNISAは2023年末で新規投資が終了し、2024年以降は年齢や事由に関係なく非課税で払い出せます。ただし一部だけの払出しはできず、全額を払い出して口座を廃止します。

Q. 先物取引の損失は株式の売却益と相殺できますか?

A. できません。先物・オプション取引の損益は「先物取引に係る雑所得等」として別に計算し、その中でだけ通算できます。損失は翌年以後3年間繰り越せます。

参考(2026年9月確認):国税庁タックスアンサーNo.1310「利息を受け取ったとき(利子所得)」、No.1330「配当金を受け取ったとき(配当所得)」、No.1331「上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度」、No.1250「配当所得があるとき(配当控除)」、No.1463「株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」、No.1474「上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」、No.1476「特定口座制度」、No.1510「公社債の償還金と税金」、No.1521「先物取引に係る雑所得等の課税の特例」、国税庁「株式・配当・利子と税」「株式等の譲渡の対価等の支払調書」、財務省「令和8年度税制改正」「NISAのつみたて投資枠の拡充(令和8年度改正)」、金融庁「NISA特設ウェブサイト」、総務省「個人住民税における金融所得課税について」。税制は毎年改正されるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。