【CFA®︎ L1 Alternatives LM5】Natural Resources を要点解説|更地・森林・農地・コモディティ・キャリーコスト・分散効果

Learning Module 5「Natural Resources(天然資源)」は、更地・森林・農地の特徴と投資特性、コモディティの特徴と投資特性、そして天然資源投資のリスク・リターン・分散効果の源泉を扱う単元です。
本記事では、最新版カリキュラムのLOS(Learning Outcome Statement)と、この単元の重要論点を日本語で整理しました。
LM5のLOS(学習目標)
LOSは、この単元で「できるようになるべきこと」として示されている学習目標です。LM5には3つのLOSがあります。
- LOS 1:更地、森林、農地の特徴とそれらの投資特性を説明するexplain features of raw land, timberland, and farmland and their investment characteristics
- LOS 2:コモディティの特徴とその投資特性を説明するdescribe features of commodities and their investment characteristics
- LOS 3:天然資源投資のリスク、リターン、分散効果の源泉を分析するanalyze sources of risk, return, and diversification among natural resource investments
LM5のまとめ
この単元の要点をまとめると、次のとおりです。
- 農地や森林への投資は、不動産投資と似た面を持つ一方、いくつかの重要な違いもある
- 更地のリターンは価格変化のみから生じるのに対し、農地と森林は価格変化に加えて資産が生むインカムからもリターンを得る
- 森林は伐採時期を選べる点で、作物を定期的に収穫する農地とはインカムの性質が異なる
- コモディティへの投資は一般にデリバティブ市場を通じて行われるが、現物や専門ファンドを通じて投資する場合もある
- 裁定機会が生じないよう、デリバティブ市場でのコモディティ価格は現物市場の価格と関連づけられる
- コモディティのフォワード価格がスポット価格を上回るのは、現物の保有コストが現物保有による非金銭的便益を上回る場合に限られる
- コモディティ投資の動機は、高い期待リターン、伝統的資産のポートフォリオの分散、インフレ・ヘッジで、コモディティは過去30年にわたりインフレとの相関が高い
- 農地と森林は非公開市場で取引頻度が低いため、天候リスクなどの重大なリスクがあるにもかかわらず、コモディティや株式よりボラティリティが低く見えやすい。伝統的資産との過去の相関はゼロに近く、分散効果が期待される
以下、LOSごとに重要論点を整理します。
LOS 1:更地・森林・農地の特徴と投資特性
更地は値上がりだけがリターン源ですが、森林と農地は値上がりに加えて木材や作物の販売によるインカムも得られます。森林は伐採の時期を選べる柔軟性があり、農地は定期的に収穫する点が異なります。
- 更地:リターンは価格変化のみ
- 森林:木材の成長がリターンに寄与、伐採時期の選択が可能(生産の貯蔵)
- 農地:作物を定期的に収穫、インカムは作物価格と収量に依存
- 不動産と似て、異質性・非流動性・取引コストの高さを持つ
- 天候、病害、火災などの自然リスク
- ESGの観点(持続可能な森林経営など)も考慮
LOS 2:コモディティの特徴と投資特性
コモディティへの投資は主に先物などのデリバティブを通じて行われます。先物価格はスポット価格とキャリーコスト(保管料・保険料と、現物保有の非金銭的便益であるコンビニエンス・イールド)の関係で決まり、無裁定で結びついています。
- 主な分類:エネルギー、金属(貴金属・工業用)、農産物、畜産物など
- 投資手段:先物、スワップ、ETF、コモディティ関連企業の株式、現物
- フォワード価格 > スポット価格(コンタンゴ):保有コストが便益を上回る
- フォワード価格 < スポット価格(バックワーデーション):便益が保有コストを上回る
- 先物のリターン=スポット価格の変化+ロール・リターン+担保(証拠金)の金利
LOS 3:天然資源投資のリスク・リターン・分散効果
天然資源投資は、インフレ・ヘッジと伝統的資産との低い相関による分散効果が主な魅力です。ただし、非公開市場で取引頻度が低い森林や農地は、評価の平滑化によりボラティリティが実態より低く見えやすい点に注意が必要です。
- コモディティ:高い期待リターン、分散効果、インフレとの高い相関
- 森林・農地:伝統的資産との過去の相関はゼロに近い
- 非公開・低頻度取引の資産は見かけのボラティリティが低い
- リスク:天候、価格変動、需給、政治・規制
- コモディティ価格は景気循環や需給ショックの影響を大きく受ける
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