CFA®︎ Level 2「Financial Statement Analysis(財務諸表分析)」で使われる重要用語を、学習単元(Learning Module)ごとに英語・日本語訳・意味の3点セットで整理しました。全6単元・55語を収録しています。英語の協会テキストを読むときの辞書代わりにお使いください。
単元(LM)一覧
FSA の重要用語(LM別)
LM1 Intercorporate Investments(企業間投資)
Significant Influence
重要な影響力
投資先の財務・経営方針の決定に参加できるが、支配には至らない状態。通常は議決権の20〜50%保有が目安で、持分法を適用する。
Equity Method
持分法
投資額を取得原価で計上し、投資先の利益の持分を加え受取配当を差し引いて調整する方法。貸借対照表・損益計算書とも1行で表示する。
Joint Venture
共同支配企業(ジョイント・ベンチャー)
複数の投資者が契約に基づき共同で支配する事業体。IFRS・US GAAPとも原則として持分法で会計処理する。
Acquisition Method
取得法
企業結合で用いる会計方法。被取得企業の識別可能な資産・負債を取得日の公正価値で測定し、連結財務諸表に全額を計上する。
Goodwill
のれん
取得価額が被取得企業の識別可能純資産の公正価値を上回る部分。償却せず、少なくとも年1回減損テストを行う。
Non-Controlling Interest (NCI)
非支配持分
連結子会社の純資産のうち親会社以外の株主に帰属する部分。連結貸借対照表では資本の一部として表示する。
Full Goodwill Method
全部のれん法
被取得企業全体の公正価値から識別可能純資産の公正価値を差し引いてのれんを測る方法。取得分だけで測る部分のれん法より、のれんと非支配持分が大きくなる。
Variable Interest Entity (VIE)
変動持分事業体(VIE)
議決権ではなく契約などを通じて支配される事業体。US GAAPでは、期待損失の大半を負担するか期待残余便益の大半を受け取る主たる受益者が連結する。
Fair Value Through Other Comprehensive Income (FVOCI)
その他の包括利益を通じて公正価値で測定(FVOCI)
金融資産を公正価値で測定し、評価差額をその他の包括利益に計上する分類。IFRSでは資本性金融商品の差額を後で純利益に振り替えない。
LM2 Employee Compensation: Post-Employment and Share-Based(従業員報酬:退職後給付と株式報酬)
Share-Based Compensation
株式報酬
株式やストック・オプションなど自社株式に基づいて支払う従業員報酬。付与日の公正価値で測定し、権利確定期間にわたり費用化して相手勘定を資本に計上する。
Restricted Stock Unit (RSU)
譲渡制限付株式ユニット(RSU)
一定の条件を満たすと普通株式を受け取れる権利。公正価値は付与日の株価で測定し、権利確定時に株式へ転換される。
Employee Stock Option
従業員ストック・オプション
従業員が一定期間、決められた価格で自社株式を購入できる権利。公正価値はオプション評価モデルで見積もり、行使時には現金の流入と株式の発行が生じる。
Vesting Period
権利確定期間
株式報酬の受給権が確定するまでの期間。付与日に測定した公正価値を、この期間にわたって報酬費用として配分する。
Defined Contribution Plan
確定拠出制度
企業が拠出額だけを約束し、将来の給付額は運用成果で決まる退職後給付制度。企業は拠出額を費用とし、運用リスクは従業員が負う。
Defined Benefit Plan
確定給付制度
企業が将来の給付額を約束する退職後給付制度。運用リスクと数理リスクを企業が負うため、債務の測定と会計処理が複雑になる。
Defined Benefit Obligation (DBO)
確定給付債務
従業員がすでに提供した役務に対して将来支払う給付の現在価値。割引率が低下すると増加する。US GAAPのPBOに相当する。
Funded Status
積立状況
確定給付制度の制度資産の公正価値から確定給付債務を差し引いた額。マイナスなら積立不足として純負債、プラスなら純資産を計上する。
Service Cost
勤務費用
当期に従業員が提供した役務によって増加した確定給付債務の現在価値。年金費用の中心的な構成要素で、損益に計上する。
Remeasurement
再測定
IFRSの確定給付制度で、数理計算上の差異や制度資産の実際収益と純利息部分の差などから生じる変動。その他の包括利益に計上し、損益には振り替えない。
LM3 Multinational Operations(多国籍企業の会計)
Local Currency
現地通貨
企業が所在する国の通貨。多くの場合は機能通貨と一致するが、事業の実態によっては異なることがある。
Functional Currency
機能通貨
企業が事業を行う主たる経済環境の通貨。売上・費用・資金調達の主な通貨から判断し、在外子会社の換算方法を決める基準となる。
Presentation Currency
表示通貨
財務諸表を表示する通貨。親会社の場合は通常、所在国の通貨が用いられ、在外子会社の財務諸表はこの通貨に換算して連結する。
Foreign Currency Transaction Gain or Loss
外貨建取引の為替差損益
外貨建の債権・債務について、取引日から決算日または決済日までの為替変動で生じる損益。純利益に計上し、決算日時点の分は未実現となる。
Current Rate Method
カレント・レート法
資産・負債を決算日レート、収益・費用を平均レートで換算する方法。在外子会社の機能通貨が現地通貨の場合に用い、換算差額は資本に累積する。
Temporal Method
テンポラル法
貨幣性項目を決算日レート、非貨幣性項目を取得時レートで換算する方法。機能通貨が親会社の表示通貨の場合に用い、換算差額は純利益に計上する。
Cumulative Translation Adjustment (CTA)
為替換算調整勘定(CTA)
カレント・レート法で生じる換算差額を資本の独立項目に累積したもの。在外事業を処分した時点で損益に振り替える。
Balance Sheet Exposure
貸借対照表エクスポージャー
決算日レートで換算する資産と負債の差額。カレント・レート法では純資産、テンポラル法では純貨幣性資産(負債)がこれにあたり、換算差額の方向を決める。
Hyperinflationary Economy
超インフレ経済
物価が急激に上昇し通貨価値が大きく下がる経済。US GAAPでは3年累計インフレ率が約100%超を目安とし、IFRSとUS GAAPで換算方法が異なる。
Organic Growth
オーガニック成長
為替の影響や買収・売却による変化を除いた、数量や価格の変化による売上高の成長。為替要因の成長より持続性が高いと考えられる。
LM4 Analysis of Financial Institutions(金融機関の分析)
Systemic Risk
システミック・リスク
金融システムの一部の機能不全が他の部分に波及し、経済全体に悪影響を及ぼすリスク。金融機関が厳しく規制される主な理由である。
Basel III
バーゼルⅢ
バーゼル銀行監督委員会が定めた国際的な銀行規制の枠組み。最低自己資本、最低流動性、安定調達の3つを要件とする。
Risk-Weighted Assets
リスク加重資産
銀行の資産や取引をリスクの大きさに応じた掛け目で加重して合計した額。自己資本比率の分母として用いる。
Common Equity Tier 1 (CET1) Capital
普通株式等Tier 1資本(CET1)
普通株式と内部留保などを中心とする最も損失吸収力の高い自己資本。リスク加重資産に対して一定以上の比率を維持することが求められる。
Liquidity Coverage Ratio (LCR)
流動性カバレッジ比率(LCR)
高流動性資産を30日間のストレス下で見込まれる純資金流出額で割った比率。短期の資金流出に耐えられるかを示し、100%以上が求められる。
Net Stable Funding Ratio (NSFR)
安定調達比率(NSFR)
利用可能な安定調達額を所要安定調達額で割った比率。資産の流動性に見合った安定的な資金調達ができているかを示す。
CAMELS
CAMELS(キャメルズ)
自己資本の充実度、資産の質、経営、収益、流動性、市場リスクへの感応度の6項目で銀行を評価する枠組み。政府支援など捉えきれない要素がある。
Net Interest Margin
純利息マージン
受取利息から支払利息を差し引いた純利息収入を、利息を生む資産で割った比率。銀行の本業である資金仲介の収益性を表す。
Float
フロート
保険会社が保険料を受け取ってから保険金を支払うまでの間に保有する資金。この資金の運用収益が保険会社の重要な収益源となる。
Combined Ratio
コンバインド・レシオ
損害率と事業費率を合計した損害保険の比率。100%を超えると保険引受で損失が生じていることを表す。
LM5 Evaluating Quality of Financial Reports(財務報告の質の評価)
Financial Reporting Quality
財務報告の質
財務報告が企業の経済実態を忠実に表し、意思決定に有用な情報を提供している度合い。基準準拠で有用な報告から架空取引まで連続的な幅で捉える。
Earnings Quality
利益の質(結果の質)
報告された利益が持続可能で、資本コストを上回る十分な水準にあるかという観点での質。報告の質が低いと評価できない。
Beneish Model
ベニッシュ・モデル
売掛金回転の変化や売上総利益率の変化など8つの変数から、利益操作の可能性をMスコアとして推定するモデル。
Earnings Persistence
利益の持続性
当期の利益が翌期以降も繰り返し生じる度合い。当期利益で翌期利益を説明する回帰の係数で測り、係数が大きいほど持続性が高い。
Accruals
発生項目(アクルーアル)
利益のうち現金の受払いを伴わない部分。利益に占める発生項目の割合が大きいほど、利益の持続性は低くなる。
Mean Reversion in Earnings
利益の平均回帰
極端に高い、または低い利益が競争などによって平均的な水準に戻っていく傾向。発生項目の多い利益ほど速く回帰する。
Channel Stuffing
チャネル・スタッフィング(押し込み販売)
流通業者に通常を超える量の商品を出荷して売上を前倒しで計上する行為。売上と売掛金の不自然な増加として現れやすい。
Altman Z-Score
アルトマンのZスコア
5つの財務比率を加重合計して企業の倒産の可能性を評価する判別モデルの指標。結果(利益)の質の評価に用いる。
Management’s Discussion and Analysis (MD&A)
経営者による財政状態・経営成績の分析(MD&A)
経営者が業績、財政状態、リスク・エクスポージャーとその管理方針を説明する開示。財務諸表を補うリスク情報の源泉となる。
LM6 Integration of Financial Statement Analysis Techniques(財務諸表分析手法の統合)
Financial Statement Analysis Framework
財務諸表分析の枠組み
目的と文脈の明確化、データの収集、加工、分析・解釈、結論の作成と伝達、フォローアップの6段階で分析を進める枠組み。
Common-Size Financial Statements
百分率財務諸表(共通サイズ財務諸表)
各項目を売上高や総資産に対する比率で表した財務諸表。規模の異なる企業間や期間の比較を容易にする。
DuPont Analysis
デュポン分析
ROEを税負担率、金利負担率、EBITマージン、総資産回転率、財務レバレッジなどの要素に分解し、収益性の源泉を分析する手法。
Big Bath Accounting
ビッグ・バス
業績の悪い期に費用や損失を過大に前倒し計上し、将来の利益を押し上げやすくする会計上の選択。保守的に見える偏りの一種である。
LIFO Reserve
LIFO準備金
FIFOで評価した棚卸資産とLIFOで評価した棚卸資産の差額。LIFO採用企業の数値をFIFOベースに調整する際に棚卸資産へ加算する。
Normalized Earnings
正常化利益
非経常的な損益を除外して、企業が持続的に生み出す利益水準を表すように修正した利益。評価や企業間比較の基礎とする。
Off-Balance-Sheet Obligations
オフバランス債務
貸借対照表に計上されていない保証やコミットメントなどの実質的な債務。分析では負債に加算して修正し、レバレッジを再評価する。
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効率よく学ぶには FA-Academy
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