CFA®︎ Level 3「Asset Allocation(アセット・アロケーション)」で使われる重要用語を、学習単元(Learning Module)ごとに英語・日本語訳・意味の3点セットで整理しました。全5単元・48語を収録しています。英語の協会テキストを読むときの辞書代わりにお使いください。
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単元(LM)一覧

Asset Allocation の重要用語(LM別)

LM1 Capital Market Expectations, Part 1: Framework and Macro Considerations(資本市場期待 Part 1:枠組みとマクロ要因)

Capital Market Expectations (CME)
資本市場期待
資産クラスごとの期待リターン・リスク・相関に関する予測。戦略的・戦術的資産配分の入力となり、個々の精度より資産クラス間と期間間の整合性が重視される。
Cross-Sectional Consistency
クロスセクションの整合性
異なる資産クラスについての予測が互いに矛盾しないこと。同じ前提から導かれた相対的なリスク・リターンの関係が保たれている状態を指す。
Intertemporal Consistency
異時点間の整合性
短期・中期・長期など異なる予測期間の期待が互いに整合していること。短期の見通しを積み重ねた結果が長期の見通しと食い違わない状態をいう。
Ex Post Risk
事後的リスク
実際には起きなかった低確率の大きな事象の可能性が過去の価格に織り込まれていたため、事後の実現データから測ったリスクが実態とずれること。過去データによる推定をゆがめる要因。
Exogenous Shock
外生的ショック
政策変更、新技術、地政学的事件、自然災害、資源価格の急変、金融危機など、経済の外側から生じ予測できない出来事。成長トレンドを変えることがあり、影響の把握には時間がかかる。
Trend Growth Rate
トレンド成長率
景気循環をならした経済の中長期的な成長ペース。労働投入の伸び+労働生産性の伸びで近似され、長期の債券利回りや株価上昇率の目安となる。
Econometric Modeling
計量経済モデル
経済変数間の関係を統計的に推定した方程式体系で経済を予測する手法。定量的で一貫性があり、ショックの影響も分析できるが、構造が複雑で転換点の予測は苦手。
Leading Economic Indicators
先行指標
景気の変化に先立って動く経済変数や、それらを合成した指数。景気の転換点を簡便に捉えられる一方、誤ったシグナルを出すこともある。
Checklist Approach
チェックリスト・アプローチ
関連する経済・市場の項目を順に点検し、分析者の判断で総合して見通しを立てる予測手法。柔軟に構造変化を取り込めるが、主観的で手間がかかる。
Taylor Rule
テイラー・ルール
中立金利に予想インフレ率を加え、成長率ギャップとインフレ・ギャップに応じて調整することで政策金利の目安を示すルール。金融政策の引き締め・緩和の度合いの評価に用いる。

LM2 Capital Market Expectations, Part 2: Forecasting Asset Class Returns(資本市場期待 Part 2:資産クラス別リターン予測)

Building Block Approach
ビルディング・ブロック・アプローチ
短期デフォルト・フリー金利を土台に、期間・信用・流動性などのリスク・プレミアムを積み上げて期待リターンを推定する方法。債券や不動産などに適用される。
Term Premium
期間プレミアム(タームプレミアム)
満期の長い債券を保有することで求められる追加的なリターン。デュレーションにほぼ比例し、イールドカーブの傾きと正の関係を持つ。
Grinold–Kroner Model
グリノルド・クローナー・モデル
株式の期待リターンを、配当利回りから株数変化率を差し引いた部分、名目利益成長率、PERの変化による再評価部分に分解して推定するモデル。
Singer–Terhaar Model
シンガー・テルハール・モデル
国際CAPMを拡張し、市場が完全に統合されている場合と完全に分断されている場合のリスク・プレミアムを、統合度で加重平均して資産クラスのプレミアムを推定するモデル。
Capitalization Rate (Cap Rate)
キャップレート(還元利回り)
不動産の当期純営業収益(NOI)÷物件価値で表される利回り。不動産の期待リターンはキャップレート+NOI成長率−キャップレートの変化率で近似される。
Return Smoothing
リターンの平滑化
鑑定評価に基づく価格など、実際の取引価格を反映しにくいデータでリターンがなだらかになる現象。ボラティリティや他資産との相関が過小に表れる原因となる。
Purchasing Power Parity (PPP)
購買力平価
為替レートは各国の物価水準の差を反映して動くという考え方。インフレ率の高い国の通貨は減価するとみるもので、短中期の説明力は弱いが長期の目安となる。
Portfolio Balance Approach
ポートフォリオ・バランス・アプローチ
投資家がある通貨建て資産をどれだけ保有したいかという需給から為替を捉える視点。経常赤字の拡大で海外保有が増えると、通貨安やリスク・プレミアム上昇が必要になるとみる。
Shrinkage Estimation
縮小推定
標本から得た推定値と、別途設定したターゲット値との加重平均を用いる推定方法。標本の推定誤差を抑え、共分散行列や期待リターンの精度を高める。
ARCH / GARCH Models
ARCH・GARCHモデル
直近のショックや前期の分散から今期の分散を予測する時系列モデル。ボラティリティが時間とともに変動し、高い時期と低い時期がかたまって現れる性質を捉える。

LM3 Overview of Asset Allocation(アセット・アロケーションの概要)

Investment Governance
投資ガバナンス
投資に関する意思決定を、必要な知識と能力を持つ者が責任をもって行うための組織的な仕組み。目的の明確化、権限配分、IPSや資産配分の承認手続、報告体制、定期的な監査を含む。
Economic Balance Sheet
経済的バランスシート
金融資産・負債に加え、人的資本や年金受給権、将来の生活費・教育費の現在価値など非金融の資産・負債も含めて作るバランスシート。金融ポートフォリオの配分判断の基礎となる。
Human Capital
人的資本
個人が将来得る労働所得の現在価値。安定収入なら債券的、業績連動なら株式的な性質を持ち、金融資産の配分を補完的に決める際の重要な要素となる。
Asset-Only Approach
アセット・オンリー・アプローチ
負債を明示的に考慮せず、資産ポートフォリオ自体のリスク・リターンの効率性を追求する資産配分の考え方。平均分散最適化が代表的で、リスクは標準偏差やトラッキング・エラーで測る。
Liability-Relative Approach
負債対比アプローチ
将来の負債を賄うことを目的に、資産を負債との関係で配分する考え方。年金基金や保険会社などが用い、サープラスの変動や積立不足をリスクと捉える。
Goals-Based Approach
ゴール・ベース・アプローチ
個人の複数の目標ごとに期間と必要な達成確率を設定し、目標別のサブ・ポートフォリオを組み合わせる資産配分の考え方。リスクは目標を達成できない確率で捉える。
Risk Factor
リスク・ファクター
インフレ、実質金利、景気、クレジット、流動性など、分散では消せずプレミアムを伴うシステマティックなリスク源泉。資産クラスは複数のファクターへのエクスポージャーの組合せとみなせる。
Global Market Portfolio
グローバル市場ポートフォリオ
世界の投資可能な資産を時価総額比率で保有する、高度に分散されたポートフォリオ。アセット・オンリーの資産配分を考える際の基準(ベースライン)となる。
Tactical Asset Allocation (TAA)
戦術的資産配分
短期的な見通しに基づき、戦略的資産配分のウエイトから一時的に乖離させる運用。リスク調整後リターンの向上を狙い、乖離の幅は通常IPSで制限される。
Range (Corridor) Rebalancing
レンジ(コリドー)・リバランス
目標ウエイトの周りに許容幅を設け、実際のウエイトがその幅を超えたときに戻す方式。一定期間ごとに戻すカレンダー・リバランスより資産構成を厳密に管理できる。

LM4 Principles of Asset Allocation(アセット・アロケーションの原則)

Mean–Variance Optimization (MVO)
平均分散最適化
期待リターンから、リスク回避度に応じた分散のペナルティを差し引いた値を最大化する資産配分を求める手法。入力への敏感さや特定資産への集中が弱点とされる。
Reverse Optimization
逆最適化(リバース・オプティマイゼーション)
市場の時価総額ウエイトを最適配分とみなし、そこから整合的な期待リターンを逆算する手法。通常のMVOとは入力と出力が逆になる。
Black–Litterman Model
ブラック・リターマン・モデル
逆最適化で得た市場均衡の期待リターンを出発点に、投資家独自の見通しを確信度に応じて反映させて期待リターンを修正するモデル。極端な配分を抑えられる。
Monte Carlo Simulation
モンテカルロ・シミュレーション
確率分布に従ってリターンの経路を多数生成し、多期間にわたる資産配分の結果の分布を示す手法。拠出・引き出し、税、リバランスを反映し、目標達成確率などを評価できる。
Marginal Contribution to Total Risk (MCTR)
総リスクへの限界寄与
ある資産のウエイトをわずかに増やしたときのポートフォリオ全体のリスクの増加分。ポートフォリオに対するその資産のベータ×ポートフォリオの標準偏差で表される。
Absolute Contribution to Total Risk (ACTR)
総リスクへの絶対寄与
ある資産がポートフォリオ全体のリスクにどれだけ寄与しているかを示す量で、ウエイト×MCTRで求める。全資産のACTRを合計するとポートフォリオの総リスクになる。
Surplus Optimization
サープラス最適化
資産から負債を差し引いたサープラスのリターンを対象に、平均分散最適化を適用する負債対比の資産配分手法。どの積立水準でも使えるが、単一期間のモデルである。
Hedging/Return-Seeking Portfolios Approach
ヘッジ/リターン追求ポートフォリオ・アプローチ
資産を、負債の変動をヘッジするポートフォリオと、残りでリターンを狙うポートフォリオに分ける負債対比の手法。基本型は積立比率が1を上回る場合にのみ使える。
Integrated Asset–Liability Approach
統合的資産負債アプローチ
資産側の配分と負債側の構成に関する意思決定を同時に最適化する負債対比の手法。銀行や保険会社など、負債の中身を自ら調整できる機関で用いられる。
Risk Parity
リスク・パリティ
各資産クラスがポートフォリオの総リスクに等しく寄与するようにウエイトを決める配分手法。期待リターンを考慮しない点が批判される。

LM5 Asset Allocation with Real-World Constraints(現実の制約下でのアセット・アロケーション)

Asset Location
アセット・ロケーション(資産配置)
税効率の低い資産を非課税・課税繰延口座に、税効率の高い資産を課税口座に置くなど、口座の税制上の性質に応じて資産の置き場所を決めること。
Tax-Loss Harvesting
タックス・ロス・ハーベスティング
含み損のある資産を売却して損失を実現し、他の利益と相殺して当期の税負担を軽減する手法。ポートフォリオの税引後リターンの向上を狙う。
Glide Path
グライド・パス
年齢や目標時期などの節目に応じて、あらかじめ定めた道筋で資産配分を変えていく計画。ターゲット・デート・ファンドの株式比率の段階的な引下げが代表例。
Discretionary TAA
裁量型の戦術的資産配分
政治・経済・市場環境についての運用者の定性的な判断に基づいて短期的に配分を変える戦術的資産配分。短期の予測能力が持続することが前提となる。
Systematic TAA
システマティックな戦術的資産配分
バリュエーションやモメンタムなどの定量的シグナルを用いて、規則に従って短期的に配分を変える戦術的資産配分。資産クラスのリターンのアノマリーを捉えることを狙う。
Loss Aversion
損失回避
同じ大きさの利益より損失を強く嫌う傾向。資産配分では過度に保守的な配分につながりやすく、重要な目標を低リスク資産で賄うことなどで対処する。
Illusion of Control
コントロールの錯覚
自分が結果を実際以上に左右できると思い込む傾向。資産配分では予測への過信から過度な集中や頻繁な配分変更につながる。
Mental Accounting
メンタル・アカウンティング
お金を目的や出所ごとに別の勘定として扱い、全体として考えない傾向。ゴール・ベースの配分では、この傾向を目標別サブ・ポートフォリオとして取り込むことができる。

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