Learning Module 17「Fixed-Income Securitization(証券化)」は、証券化が発行体・投資家・経済・金融市場にもたらす利点と、証券化の仕組みおよびオリジネーター、特別目的事業体(SPE)、サービサーなどの参加者とその役割を扱う単元です。

本記事では、最新版カリキュラムのLOS(Learning Outcome Statement)と、この単元の重要論点を日本語で整理しました。

LM17のLOS(学習目標)

LOSは、この単元で「できるようになるべきこと」として示されている学習目標です。LM17には2つのLOSがあります。

  1. LOS 1:証券化が発行体、投資家、経済、金融市場にもたらす利点を説明するexplain benefits of securitization for issuers, investors, economies, and financial markets
  2. LOS 2:証券化について、その参加者と各参加者が果たす役割を含めて説明するdescribe securitization, including the parties and the roles they play

LM17のまとめ

この単元の要点をまとめると、次のとおりです。

  • 証券化は、支払リスクの再配分、支払の予測可能性の向上、デフォルト・期限前返済・支払延長など想定外の支払パターンの影響の緩和、投資家のリスク・リターン・満期ニーズとの適合、各種信用補完によるリスク低減を通じて投資家に利益をもたらす
  • 証券化により発行体は資産と貸出リスクをバランスシートから外し(レバレッジを下げ)、融資の実行余力を広げ、より低い調達コストを確保でき、リスク調整後の効率が高まる
  • 証券化は金融システム全体の流動性を高め、流動性リスクを低減して金融市場の効率性を高める
  • 証券化の参加者には、証券化される資産(ローン、売掛債権、リース、債務など)の元の発行体、資産を買い取り新たな証券を作って投資家に売る特別目的事業体(SPE)、原資産の回収を担うサービサー、会計士・弁護士・引受業者などの第三者がいる
  • 証券化の際、元の発行体はまずSPEを設立して資産を売却し、SPEがその資産を裏付けとする証券を発行して投資家に売る。資産からの元利金が投資家への支払に充てられる
  • SPEは別法人とすることで、発行体が財務的困難に陥っても債権者の請求から原資産を守るよう設計されているが、法的枠組みは国ごとに異なるため、購入する法域の法的な検討が必要

以下、LOSごとに重要論点を整理します。

LOS 1:証券化の利点

証券化は、ローンや売掛債権などの資産をまとめて資産担保証券(ABS)に作り替える仕組みです。発行体は資産をバランスシートから外して資金を調達でき、投資家はリスク・リターン・満期の異なる証券を選べ、金融市場全体の流動性も高まります。

  • 発行体:バランスシートからの資産・リスクの切り離し、レバレッジの低下、融資余力の拡大、調達コストの低下
  • 投資家:支払リスクの再配分、支払の予測可能性の向上、ニーズに合うリスク・リターン・満期の選択、信用補完によるリスク低減
  • 経済・金融市場:流動性の向上、流動性リスクの低減、市場の効率化
  • 銀行を仲介せず、投資家が原資産に直接近い形で投資できる
  • 原資産の質や構造が複雑な場合、投資家が負うリスクが見えにくくなる点に注意

LOS 2:証券化の仕組みと参加者

証券化では、資産を保有するオリジネーター(売り手)特別目的事業体(SPE)に資産を売却し、SPEがその資産を裏付けにABSを発行します。原資産からの元利金はサービサーが回収し、あらかじめ定めた順序で投資家に支払われます。

  • オリジネーター(売り手・預託者):ローンなどの資産を組成・保有し、SPEに売却
  • SPE(SPV):資産を買い取り、ABSを発行する別法人。倒産隔離が目的
  • サービサー:原資産の元利金の回収、延滞・デフォルト時の対応
  • 受託者(トラスティ)、会計士、弁護士、引受業者、格付機関などの第三者
  • 真正売買(true sale)により、オリジネーターの破綻時にも資産が債権者の請求から守られる
  • 倒産隔離の法的枠組みは国ごとに異なる

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