【CFA®︎ L1 Alternatives LM2】Alternative Investment Performance and Returns を要点解説|パフォーマンス評価・IRR・MOIC・報酬控除後リターン

Learning Module 2「Alternative Investment Performance and Returns(オルタナティブ投資のパフォーマンスとリターン)」は、オルタナティブ投資のパフォーマンス評価の特徴と難しさ、そして管理報酬・成功報酬などの報酬体系を反映した手数料控除前後のリターンの計算と解釈を扱う単元です。
本記事では、最新版カリキュラムのLOS(Learning Outcome Statement)と、この単元の重要論点を日本語で整理しました。
LM2のLOS(学習目標)
LOSは、この単元で「できるようになるべきこと」として示されている学習目標です。LM2には2つのLOSがあります。
- LOS 1:オルタナティブ投資のパフォーマンス評価を説明するdescribe the performance appraisal of alternative investments
- LOS 2:オルタナティブ投資のリターンを、報酬控除前と報酬控除後の両方で計算・解釈するcalculate and interpret alternative investment returns both before and after fees
LM2のまとめ
この単元の要点をまとめると、次のとおりです。
- オルタナティブ投資は、長い投資期間、独特のキャッシュフロー・パターン、レバレッジ、非流動的なポジション、複雑な報酬体系、異なる税務・会計処理などの点で伝統的資産と異なり、リターンも正規分布から外れやすい
- 投資のライフサイクルは長く、資本のコミットメント、資本の投下、資本の分配の3段階から成る
- オルタナティブ投資のリターンの測定には内部収益率(IRR)がよく用いられ、投下資本倍率(MOIC)は簡便な指標だがキャッシュフローのタイミングを無視する
- 個別で複雑な報酬体系により運用者と投資家のインセンティブを一致させようとしており、ロックアップや解約に関する特別な条項もある
- 基本の管理報酬に加えて、期間リターンの一定割合を成功報酬として課すのが一般的で、報酬や投資家の純リターンの計算では、ファウンダー・シェア・クラス、どちらか一方型の報酬、ハードル・レート、ハイ・ウォーター・マーク、クローバックなどを考慮する必要がある
- どのように、いつ投資したかによって投資家ごとのリターンが異なるため、パフォーマンス評価を一般化するのは難しい
以下、LOSごとに重要論点を整理します。
LOS 1:オルタナティブ投資のパフォーマンス評価
オルタナティブ投資は、コミットメント・投下・分配の長いライフサイクル、レバレッジ、非流動性、評価の不定期性などにより、伝統的資産と同じ尺度では評価しにくい資産です。リターンの指標としてはIRRが中心で、MOICは簡便だが時間価値を考慮しない点に注意が必要です。
- ライフサイクル:資本のコミットメント → 投下(キャピタル・コール)→ 分配
- Jカーブ効果:初期は報酬・費用で累積リターンがマイナス、その後プラスに転じる
- IRR:キャッシュフローの時期と金額を反映する金額加重型の指標
- MOIC:(実現価値+未実現価値)÷ 投下資本、タイミングを無視
- 非流動資産は評価が平滑化され、ボラティリティや相関が過小評価されやすい
- レバレッジはリターンとリスクを増幅
LOS 2:報酬控除前後のリターンの計算
投資家の純リターンは、総リターンから管理報酬と成功報酬を差し引いて求めます。成功報酬がハードル・レート超過分に課されるか、ハイ・ウォーター・マークを上回った分だけに課されるか、管理報酬控除後の利益に課されるかなど、条件によって結果が変わります。
- 管理報酬:期末(または期首)の運用資産やコミットメント額に対する一定率
- 成功報酬:利益(条件に応じてハードル超過分など)に対する一定率
- ハードル・レート:ハードは超過分のみ、ソフトは超過すれば利益全体に課す
- ハイ・ウォーター・マーク:過去最高値を上回った部分にのみ成功報酬
- クローバック:過去に受け取った成功報酬を事後的に返還させる条項
- ファウンダー・シェア・クラス(初期投資家への報酬割引)、どちらか一方型(管理報酬か成功報酬の大きい方)
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