Learning Module 2「Guidance for Standard I: Professionalism(基準I:プロフェッショナリズム)」は、基準Iの5項目(法令の知識、独立性と客観性、不実表示、不正行為、専門能力)を実務のさまざまな状況に当てはめ、判断の分かれ目と違反を防ぐ手続を扱う単元です。

本記事では、最新版カリキュラムのLOS(Learning Outcome Statement)と、この単元の重要論点を日本語で整理しました。

LM2のLOS(学習目標)

LOSは、この単元で「できるようになるべきこと」として示されている学習目標です。LM2には2つのLOSがあります。

  1. LOS 1:CFA協会の倫理規範と、職業上の誠実性が問題となるさまざまな状況について十分な知識を示すdemonstrate a thorough knowledge of the CFA Institute Code of Ethics and Standards of Professional Conduct by interpreting the Code and Standards in various situations involving issues of professional integrity
  2. LOS 2:倫理規範と職業行為基準への違反を防ぐための実務と手続を推奨するrecommend practices and procedures designed to prevent violations of the Code and Standards

LM2のまとめ

この単元の要点をまとめると、次のとおりです。

  • 法令と基準が異なる場合は、より厳しい方に従うのが原則。違反の疑いがある活動からは離脱し、必要に応じて上司やコンプライアンス部門に報告
  • 独立性・客観性を脅かす要因は、発行体、投資銀行部門、顧客、証券会社など社内外の多方面に存在
  • 贈答は、顧客からのものは雇用主に開示して受領でき、判断に影響を与え得る第三者からの高額な贈答は受け取らない
  • 他人のリサーチやモデルを出典なしに自分のものとして使う盗用は、不実表示の典型
  • 不正行為の判断では、行為が職業上の誠実性・評判・能力に悪影響を及ぼすかどうかが基準
  • 専門能力は、担当業務の変化や新しい商品に応じて継続的に維持・向上することが必要

以下、LOSごとに重要論点を整理します。

LOS 1:具体的な状況への基準Iの当てはめ

実務では、誰から何を受け取ったか、何を表示したか、違反を知ったときどう行動したかが判断の中心になります。事実関係を整理し、基準Iのどの項目の要求が関わるかを見極めます。

  • I(A):違法・非倫理的な行為を知った場合は関与をやめ、離脱。当局への通報は基準上の義務ではないが、法令上必要な場合がある
  • I(B):投資銀行部門や発行体からの圧力、発行体負担の旅費・調査費用、高額な接待は独立性の脅威
  • I(C):他人の分析の無断使用、第三者リサーチの出典の省略、資格・実績の誇張は不実表示
  • I(D):不誠実・詐欺・欺瞞を伴う行為は、職務外でも職業上の信用を損なえば違反
  • I(E):必要な知識・技能を欠いたままの業務遂行は違反

LOS 2:違反を防ぐ実務と手続

個人の心がけだけでなく、会社としての方針と記録によって違反を防ぐことが推奨されています。

  • 法令の変更を把握し、関連資料を最新に保つ
  • 独立性の方針:贈答の上限、発行体負担の費用の制限、リサーチの独立性を守るファイアウォール
  • 制限リストの作成とIPO等への個人参加の制限
  • 提供サービスと資格の文書化、引用・要約の出典記録
  • 会社の倫理規範と禁止行為の明示、採用時の経歴確認
  • 継続教育による専門能力の維持・向上

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