CFA®︎ Level 2「Corporate Finance(コーポレート・ファイナンス)」の重要公式22本を、学習単元(Learning Module)ごとに整理しました。公式ごとに数式・記号の意味・使いどころをまとめています。数式が横に長い場合は、横にスクロールしてご覧ください。
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単元(LM)一覧

Corporate Finance の重要公式(LM別)

LM1 Analysis of Dividends and Share Repurchases(配当と自社株買いの分析)

この単元の要点解説:LM1 配当と自社株買いの分析
1. 配当性向
Dividend Payout Ratio
配当性向(Dividend Payout Ratio):利益のうち配当に回す割合
1株当たり配当(Dividends Per Share)
1株当たり利益(Earnings Per Share)
配当総額
当期純利益
使いどころ:配当が利益に占める割合を求める式。配当政策の分析や、目標配当性向に基づく配当額の推定の前提として使う。
2. 配当への実効税率(二重課税・インピュテーション・分離税率)
Effective Tax Rate on Dividends (Double / Imputation / Split-Rate)
二重課税方式での実効税率:法人段階と株主段階の両方で課税される
法人税率
配当への株主課税率
インピュテーション方式での実効税率:法人税が株主の税額から控除される
株主の限界税率(インピュテーションでは法人税がフランキングクレジットとして株主の税額から控除され、実質これのみ)
分離税率方式での実効税率:配当に回す利益に低い法人税率を適用
分離税率制度での配当分の低い法人税率(div = dividend、配当)
使いどころ:二重課税・インピュテーション・分割税率の各方式について、法人段階と株主段階を合わせた配当利益への実効税率を求める式。
3. 目標配当性向調整モデル(リントナー・モデル)
Target Payout Adjustment Model (Lintner)
今期の予想配当
前期の配当
今期の予想1株当たり利益(EPS = Earnings Per Share)
目標配当性向(Target Payout Ratio)
調整係数(Adjustment Factor)=1/(調整年数)
使いどころ:安定配当政策をとる企業が、目標配当性向の水準に向けて前期配当を段階的に調整する場合の当期配当を求める式。
4. 借入資金による自社株買い後のEPS
EPS After Share Repurchase with Borrowed Funds
自社株買い後の1株当たり利益(EPS = Earnings Per Share)
税引後利益(=EPS×発行済株式)
自社株買いに使う借入額
税引後借入コスト(d = debt、負債)
自社株買い前の発行済株式数
買い戻す株数=Funds/株価
使いどころ:借入で自社株買いを行った後のEPSを、税引後の資金調達コストと買付後の株式数から求める式。EPSが増えるか減るかを判断する。
5. 自社株買い後の1株簿価(BVPS)
Book Value per Share After Repurchase
自社株買い後の1株当たり簿価(BVPS = Book Value Per Share)
買戻し前の株主資本(簿価)
自社株買い総額(=時価×買戻し株数)
自社株買い前の発行済株式数
買戻し時の市場株価
使いどころ:自社株買いで純資産と株式数がともに減少した後の1株当たり純資産を求める式。買付価格とBVPSの大小で増減が決まる。
6. 現金配当と自社株買いの株主価値等価
Cash Dividend vs. Share Repurchase Equivalence
分配(自社株買い)後の株価
分配前の株式時価総額(MV = Market Value。=P_0×株数)
分配総額(配当または買戻し額)
分配前の発行済株式数
分配前株価
使いどころ:自社株買い後の株価を求め、同額の現金配当と自社株買いが株主の富に同じ影響を与えることを確認する式。
7. 株式分割・併合・株式配当の株価への影響
Stock Split / Reverse Split & Stock Dividend Price Effect
変更前・変更後の株価
変更前後の株数(2対1分割なら旧1:新2、1対10併合なら旧10:新1)
変更前・変更後の1株当たり利益(EPS = Earnings Per Share)
使いどころ:株式分割・株式併合・株式配当の後の株価とEPSを、新旧の株式数の比率で調整して求める式。
8. FCFEカバレッジ比率
FCFE Coverage Ratio
FCFEカバレッジ比率:株主還元をFCFEで賄える倍率
株主へのフリーキャッシュフロー(Free Cash Flow to Equity)
配当総額
自社株買い総額
使いどころ:配当と自社株買いの合計をFCFEでどの程度賄えているかを測る比率。株主還元の持続可能性を確認する場面で使う。

LM3 Cost of Capital: Advanced Topics(資本コスト:発展的トピック)

この単元の要点解説:LM3 資本コスト:発展的トピック
9. リースの含み金利(暗黙の利子率)
Implied Interest Rate of a Lease
期初の正味支出(資産公正価値+直接費用)(PV = Present Value、現在価値)
各期のリース支払額(PMT = Payment)
求める含み金利(期間当たり)
支払回数
リース終了時の残存価値(FV = Future Value、将来価値)
使いどころ:リースの支払額と残存価値の現在価値が正味の資産価値と一致する利子率を求める式。リースを含む負債コストの推定に使う。
10. 税引後負債コスト
After-Tax Cost of Debt
税引後負債コスト(d = debt、負債)
税引前負債コスト(満期利回りYTMや合成社債利回り+カントリーリスクプレミアムCRP等)
限界法人税率
使いどころ:支払利息の損金算入による節税効果を反映した負債コストを求める式。加重平均資本コスト(WACC)の計算に用いる。
11. マトリクス・プライシング(利回り補間)による負債コスト
Matrix Pricing (Yield Interpolation) for Cost of Debt
対象債の推定満期利回り(YTM = Yield to Maturity)
短年限・長年限の同格付け平均YTM
その満期年数
対象債の満期年数
使いどころ:取引の少ない債券の利回りを、同格付けで年限の異なる債券の利回りから線形補間して推定する式。負債コストの推定に使う。
12. ヒストリカル(過去実績)アプローチのERP
Historical Equity Risk Premium
過去実績に基づく株式リスクプレミアム(ERP = Equity Risk Premium)
株式市場指数の平均リターン
国債(無リスク代理)の平均リターン
使いどころ:過去の株式リターンの平均とリスクフリー資産のリターンの平均の差として、株式リスク・プレミアムを推定する式。
13. グリノルド=クローナー(フォワード)ERP
Grinold-Kroner Forward-Looking ERP
株式リスクプレミアム(Equity Risk Premium)
予想配当利回り(Dividend Yield。インカム要素)
予想P/E(株価収益率)の変化率(リプライシング)
予想インフレ率
予想実質EPS成長率(実質GDP成長で代用可)
予想発行済株数変化率
無リスク金利
使いどころ:配当利回り、PERの変化、インフレ率、実質利益成長率などから将来予想に基づく株式リスク・プレミアムを推定する式。
14. 株主資本コスト(定率成長DDM)
Cost of Equity — Constant-Growth DDM
株主資本コスト(要求収益率)
来期予想配当=D_0(1+g)
現在株価
配当の永久成長率
直近の配当
使いどころ:株価、配当、配当の成長率から、定率成長の配当割引モデルに基づいて株主資本コストを求める式。
15. 債券利回り+リスクプレミアム法
Bond Yield Plus Risk Premium (BYPRP)
株主資本コスト
自社の税引前負債コスト(通常は長期債の満期利回りYTM)
リスクプレミアム(Risk Premium):株式投資家が債券に対して要求する追加プレミアム
使いどころ:自社の債券利回りにリスク・プレミアムを上乗せして株主資本コストを推定する式。
16. CAPMによる株主資本コスト
CAPM Cost of Equity
株主資本コスト
無リスク金利(通常は長期国債YTM)
株式ベータ(市場超過リターンへの感応度)
株式リスクプレミアム(Equity Risk Premium)
使いどころ:リスクフリー・レート、ベータ、株式リスク・プレミアムから株主資本コストを求める資本資産価格モデル(CAPM)の式。
17. ファーマ=フレンチ5ファクターモデル
Fama-French Five-Factor Model
株主資本コスト
無リスク金利
各ファクターへの感応度(回帰係数)
株式リスクプレミアム(Equity Risk Premium)
サイズプレミアム(Small Minus Big:小型−大型)
バリュープレミアム(High Minus Low:簿価時価比の高−低)
収益性プレミアム(Robust Minus Weak:高−低収益性)
投資プレミアム(Conservative Minus Aggressive:保守的−積極的投資)
使いどころ:市場・規模・バリュー・収益性・投資の5つのファクターへの感応度から株主資本コストを推定するマルチファクター・モデルの式。
18. 拡張CAPM/ビルドアップ法(非上場企業の株主資本コスト)
Expanded CAPM & Build-Up (Private Company Cost of Equity)
拡張CAPM:資本資産価格モデル(CAPM = Capital Asset Pricing Model)に追加プレミアムを加えた方法
株主資本コスト
無リスク金利
同業上場ピアから推計・調整したベータ
株式リスクプレミアム(Equity Risk Premium)
サイズ(小型)プレミアム(Size Premium)
企業固有リスクプレミアム(Specific-Company Risk Premium)
ビルドアップ法:ベータを使わず無リスク金利に各種プレミアムを積み上げる方法
業種プレミアム(Industry Premium。ビルドアップ法)
使いどころ:CAPMやビルドアップ法に規模プレミアムや企業固有のリスク・プレミアムなどを加算し、非上場企業の株主資本コストを推定する式。
19. ベータのアンレバー/リレバー(ハマダ式)
Unlevering / Relevering Beta (Hamada)
無借金(資産)ベータ
ピアのエクイティベータ
ピア・対象企業の限界税率
負債資本比率(D=負債、E=株主資本、C=ピア、S=対象企業)
対象企業のエクイティベータ(リレバー後)
使いどころ:比較企業の株式ベータから財務レバレッジの影響を除いて資産ベータを求め、対象企業の資本構成で再びレバレッジを反映させる式。
20. カントリーリスクプレミアム(CRP)と国別スプレッドモデル
Country Risk Premium & Country Spread Model
カントリーリスクプレミアム(Country Risk Premium)
現地国債利回り(先進国通貨建て)−先進国国債利回り
現地の株式市場リターンと国債リターンのボラティリティ(標準偏差σ)の比
対象国の株式リスクプレミアム(Equity Risk Premium)
先進国市場の株式リスクプレミアム
企業の現地国へのエクスポージャー
使いどころ:国債の利回りスプレッドと株式・債券のボラティリティの比からカントリー・リスク・プレミアムを推定し、株式リスク・プレミアムに反映する式。
21. 加重平均資本コスト(WACC・プロフォーマ含む)
Weighted Average Cost of Capital (incl. Pro Forma)
加重平均資本コスト(Weighted Average Cost of Capital)
負債・優先株・普通株の市場価値ウェイト
税引前負債コスト
限界法人税率
優先株コスト・普通株コスト
使いどころ:税引後負債コスト・優先株コスト・株主資本コストを資本構成の比率で加重平均して資本コストを求める式。再編後のプロフォーマWACCの算定にも使う。

LM4 Corporate Restructuring(企業再編)

この単元の要点解説:LM4 企業再編
22. 類似会社・類似取引による評価とテイクオーバー・プレミアム
Comparable Company / Transaction Valuation & Takeover Premium
対象企業の推定価値
ピアの評価倍率(企業価値/EBITDA、株価売上高倍率P/S、株価収益率P/E等の中央値等)
対象の指標(EBITDA=利払い・税・償却前利益、売上/株、利益/株等)
買収(テイクオーバー)プレミアム(Premium)
1株当たりディール価格(Deal Price)
発表前の影響を受けていない株価(Stock Price)
使いどころ:比較企業や比較取引の倍率を対象企業の指標に掛けて価値を推定する式と、公表前株価に対する買収プレミアムを求める式。

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