債券価格と利回りの関係とは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト1次・債券分析
ひとことで言うと
- 最終利回りが上がると価格は下がり、下がると価格は上がります(価格と利回りは逆方向)。
- クーポンレート>最終利回りなら価格は額面超(オーバーパー)、クーポンレート<最終利回りなら額面割れ(アンダーパー)です。
- 残存期間が長いほど価格は額面から離れやすく、満期が近づくと価格は額面に近づいていきます。
この記事では、証券アナリスト1次「債券分析」の学習ポイントのひとつ「価格・クーポン・期間・利回りの関係」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 1次 科目Ⅰ/債券分析 |
|---|---|
| 大分類 | (2) 金利と債券価格評価 |
| 協会の学習ポイント | 債券の価格とクーポンレート、残存期間、最終利回りの関係を理解する。 |
債券価格・クーポン・残存期間・利回りの関係とは
固定利付債の価格は、クーポンと額面を最終利回りで割り引いた現在価値の合計です。この式に登場する「価格」「クーポンレート」「残存期間」「最終利回り」の4つは互いに結びついており、どれか1つが変わると他との関係も変わります。
価格と最終利回り:逆方向に動く
キャッシュフローは決まっているので、割引に使う利回りが上がれば価格は下がります。ただし、この関係は直線ではなく、利回りが下がるときの値上がり幅のほうが、同じ幅だけ上がるときの値下がり幅より大きくなります(凸性、コンベクシティ)。
クーポンレートと最終利回り:価格が額面を上回るか下回るか
市場が求める利回りよりクーポンレートが高い債券は、その分だけ魅力があるため価格が額面を上回ります。反対に、クーポンレートが低い債券は、価格が額面を下回ることで利回りの不足分を償還差益で補います。両者が等しければ価格は額面です。
残存期間:長いほど額面から離れやすい
クーポンと利回りの差が同じなら、残存期間が長いほど、その差が効く年数が長いため、価格は額面から大きく離れます。同じ理由で、残存期間が長い債券ほど、利回りの変化に対する価格の変化も大きくなります。また、利回りが一定でも、時間が経って満期が近づくにつれて、価格はしだいに額面に近づきます。
クーポンレートと価格の変動の大きさ
残存期間と利回りが同じなら、クーポンレートが低い債券ほど、キャッシュフローが満期の額面に集中するため、利回りの変化に対する価格の変化率が大きくなります。
整理しておきたいポイント
| 条件 | 価格 | ポイント |
|---|---|---|
| クーポンレート > 最終利回り | 額面超(オーバーパー) | 償還差損が出る |
| クーポンレート = 最終利回り | 額面(パー) | 償還差損益なし |
| クーポンレート < 最終利回り | 額面割れ(アンダーパー) | 償還差益が出る |
| 残存期間が長い | 額面から離れやすい | 利回り変化に対する価格変化も大きい |
| クーポンレートが低い | ― | 利回り変化に対する価格変化率が大きい |
具体例で確認
クーポンレート2%(年1回払い)の債券について、残存期間と最終利回りを変えて価格(額面100)を計算します。
| 最終利回り | 残存1年 | 残存5年 | 残存10年 |
|---|---|---|---|
| 1% | 100.99 | 104.85 | 109.47 |
| 2% | 100.00 | 100.00 | 100.00 |
| 3% | 99.03 | 95.42 | 91.47 |
- 利回りが上がると、どの残存期間でも価格は下がります。
- 利回り=クーポンレート(2%)なら、残存期間に関係なく価格は100です。
- 残存期間が長いほど、価格は100から大きく離れます。
- 残存5年で見ると、利回り1%低下で+4.85、1%上昇で−4.58と、値上がり幅のほうが大きくなっています(凸性)。
試験で問われやすいポイント
- 利回り上昇→価格下落という方向と、クーポンレートと利回りの大小によるオーバーパー・アンダーパーの判定が問われやすいです。
- 残存期間が長いほど、またクーポンレートが低いほど、利回り変化に対する価格変化(率)が大きいことを押さえましょう。
- 利回りが一定でも、時間の経過とともに価格は額面に近づく(オーバーパーは下落、アンダーパーは上昇)点がひっかけになりやすいです。
- 同じ幅の利回り変化でも、低下時の値上がり幅>上昇時の値下がり幅という非対称性に注意しましょう。
要点まとめ
- 価格と最終利回りは逆方向に動く
- クーポンレート>利回りならオーバーパー、<ならアンダーパー
- 残存期間が長いほど、クーポンが低いほど、価格は利回り変化に敏感
- 満期が近づくと価格は額面に収束する
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
