金利先物とは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト1次・デリバティブ分析
ひとことで言うと
- 金利先物は、3か月物などの短期金利を対象にした先物取引です。
- 価格は 100 − 金利(%) の形で表示されるため、金利が上がると先物価格は下がります。
- 先物価格に織り込まれた金利は、将来の短期金利に対する市場の見方(フォワード・レート)を反映しており、将来の借入・運用金利のヘッジに使われます。
この記事では、証券アナリスト1次「デリバティブ分析」の学習ポイントのひとつ「金利先物の仕組みと価格形成」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 1次 科目Ⅰ/デリバティブ分析 |
|---|---|
| 大分類 | (4) 金利・通貨を対象としたデリバティブ |
| 協会の学習ポイント | 金利先物取引の仕組みと価格形成について理解する。 |
金利先物とは
金利先物は、将来の一定期間(たとえば3か月間)に適用される短期金利を、いまの時点で売買する取引です。債券先物が長期国債の「価格」を取引するのに対し、金利先物は短期の「金利」そのものを取引対象にしている点が特徴です。海外では米国のSOFR先物などが代表的で、日本でもユーロ円金利先物や、無担保コール翌日物金利(TONA)を対象とした金利先物が上場されています。
「100 − 金利」で表示する理由
金利先物の価格は、100から金利(年率%)を引いた数字で表示されます。たとえば金利0.40%なら価格は99.60です。こうすると、債券と同じように「金利が上がると価格が下がる」関係になり、「価格が上がると思えば買い、下がると思えば売る」という他の先物と同じ感覚で取引できます。
損益の計算とヘッジ
損益は、金利の変化幅(ベーシス・ポイント=0.01%)×想定元本×期間で計算します。想定元本1億円・3か月物なら、1bpの変化で1億円 × 0.0001 × 0.25 = 2,500円の損益です。将来の借入金利の上昇が心配な企業は先物を売り、将来の運用金利の低下が心配な投資家は先物を買うことでヘッジできます。
価格形成:フォワード・レートとの関係
金利先物に織り込まれた金利は、現在のイールドカーブから計算される同じ期間のフォワード・レートに近い水準になります。そうでなければ、現物の短期金融市場と先物との間で裁定取引が可能になるからです。ただし先物は毎日値洗いが行われるため、先渡契約である金利先渡契約(FRA)のレートとは厳密には一致せず、わずかな差(コンベクシティ調整)が生じます。
押さえておきたい公式
具体例で確認
ある企業が3か月後に1億円を3か月間借りる予定で、金利上昇を心配しています。いま、該当する金利先物の価格は99.60(金利0.40%)です。企業は先物を1億円分売ります。
- 3か月後、金利が0.60%に上昇し、先物価格は99.40に下落
- 先物の売りの利益:(99.60 − 99.40) = 20bp × 2,500円 = 50,000円
- 借入コストの増加:1億円 × 0.20% × 0.25年 = 50,000円
借入コストの増加を先物の利益でちょうど相殺でき、実質的な借入金利は0.40%に固定されたことになります。逆に金利が下がった場合は先物で損失が出ますが、借入コストが下がるので、やはり実質0.40%に固定されます。
試験で問われやすいポイント
- 価格が100 − 金利で表示され、金利上昇=先物価格下落になる関係がよく問われます。
- 金利上昇をヘッジしたい借り手は先物を売る、金利低下をヘッジしたい運用者は先物を買うという方向を取り違えないようにしましょう。
- 1bpあたりの損益(想定元本×0.0001×期間)の計算がよく出ます。期間(3か月なら0.25年)を掛け忘れるミスに注意しましょう。
- 先物に織り込まれた金利はフォワード・レートに近い水準になるという価格形成の考え方と、FRAとの違い(値洗いの有無)を押さえておきましょう。
要点まとめ
- 金利先物は短期金利を対象とした先物で、価格は100 − 金利で表示
- 金利が上がると先物価格は下がる
- 借り手は売り、運用者は買いで将来の金利をヘッジできる
- 先物金利はフォワード・レートに近い水準で決まる
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
