ひとことで言うと

  • ウィーク型:過去の価格や出来高などの情報が、すでに価格に反映されている状態です。
  • セミストロング型:決算や公表ニュースなど公開情報すべてが価格に反映されている状態です。
  • ストロング型:内部情報などの未公開情報まで含むすべての情報が価格に反映されている状態です。

この記事では、証券アナリスト1次「ポートフォリオ・マネジメント」の学習ポイントのひとつ「3つの効率性の型」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。

分野 1次 科目Ⅰ/ポートフォリオ・マネジメント
大分類 (1) 現代ポートフォリオ理論
協会の学習ポイント ウィーク型、セミストロング型、ストロング型の効率性の定義と意味について理解する。

ウィーク型・セミストロング型・ストロング型とは

市場の効率性は、「どの範囲の情報が価格に反映されているか」によって3つの段階に分けられます。この分類はファーマによって整理されたもので、どの型が成り立つかによって、どのような分析で超過リターンを得られる可能性があるかが変わります。

ウィーク型の効率性

過去の株価・出来高などの市場取引データが、すでに現在の価格に反映されている状態です。この場合、チャートのパターンなどから将来の価格を予測するテクニカル分析では、継続的に超過リターンを得ることはできません。株価の変化がランダム・ウォークに近いかどうか(過去の値動きと無関係か)が、ウィーク型の検証の中心になります。

セミストロング型の効率性

過去の価格に加えて、決算発表、業績予想、経済統計、報道などの公開情報すべてが、公表と同時にすばやく価格に反映されている状態です。この場合、テクニカル分析だけでなく、公開情報をもとに割安株を探すファンダメンタル分析でも、継続的な超過リターンは得られません。情報の公表前後の株価の動きを調べるイベント・スタディが、代表的な検証方法です。

ストロング型の効率性

公開情報に加えて、企業の内部者しか知らない未公開情報(内部情報)まで価格に反映されている状態です。この場合、内部情報を使っても超過リターンは得られないことになります。しかし実際には、内部者取引によって利益が得られる可能性があるからこそインサイダー取引が規制されており、一般にストロング型の効率性は成り立ちにくいと考えられています。

3つの型の包含関係

情報の範囲は「過去の価格 ⊂ 公開情報 ⊂ すべての情報」という関係にあるため、ストロング型が成り立てばセミストロング型も、セミストロング型が成り立てばウィーク型も成り立ちます。逆は成り立ちません。

整理しておきたいポイント

価格に反映される情報 超過リターンが得られなくなる手法
ウィーク型 過去の価格・出来高など テクニカル分析
セミストロング型 公開情報すべて(過去の価格を含む) テクニカル分析、ファンダメンタル分析
ストロング型 未公開情報を含むすべての情報 上記に加え、内部情報の利用

具体例で確認

次の3つの状況が、どの型の効率性と矛盾するかを考えてみましょう。

  1. 「3日連続で上昇した銘柄を買うと、翌日も上がりやすい」という規則が継続して利益を生む → 過去の価格で予測できるのでウィーク型と矛盾します(ウィーク型が不成立なら、セミストロング型・ストロング型も成り立ちません)。
  2. 「増益の決算発表を見てから買っても、その後数週間にわたり超過リターンが得られる」→ 公開情報が価格にすぐ反映されていないのでセミストロング型と矛盾します。
  3. 「企業の役員が未公表の買収計画を知って株を買うと超過リターンが得られる」→ ストロング型とだけ矛盾し、セミストロング型までは否定されません。

試験で問われやすいポイント

  • 3つの型と反映される情報の範囲(過去の価格/公開情報/すべての情報)の対応が最もよく問われます。
  • 型ごとにどの分析手法が無効になるか(ウィーク型→テクニカル分析、セミストロング型→ファンダメンタル分析も)を押さえましょう。
  • 包含関係:ストロング型が成り立てば他の2つも成り立つが、逆は成り立たない点がひっかけになりやすいです。
  • 具体的な現象を示して「どの型と矛盾するか」を答えさせる問題に慣れておきましょう。
  • インサイダー取引で利益が得られる可能性は、ストロング型が成り立ちにくいことを示す例として使われます。

要点まとめ

  • ウィーク型=過去の価格情報が反映(テクニカル分析は無効)
  • セミストロング型=公開情報すべてが反映(ファンダメンタル分析も無効)
  • ストロング型=未公開情報まで反映(内部情報も無効)
  • ストロング型 ⇒ セミストロング型 ⇒ ウィーク型の包含関係

証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。

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※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。