ひとことで言うと

  • 離散型確率変数は、サイコロの目や倒産件数のように、とびとびの値をとる確率変数です。各値に確率を割り当てたものが確率分布(確率関数)です。
  • ある値「以下」になる確率を小さい方から積み上げたものが累積分布(累積分布関数)で、階段状に増えて最後は1になります。

この記事では、証券アナリスト1次「数量分析と確率・統計」の学習ポイントのひとつ「離散型の確率分布と累積分布」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。

分野 1次 科目Ⅲ/数量分析と確率・統計
大分類 (5) 確率分布
協会の学習ポイント 離散型の確率変数の確率分布とその累積分布について理解する。

離散型確率分布と累積分布とは

離散型確率変数と確率分布

確率変数には、とびとびの値をとる離散型と、連続した値をとる連続型があります。サイコロの目(1〜6)、1年間に倒産する企業数(0, 1, 2, …)、株価が上がった日数などは離散型です。離散型確率変数Xがとる値xiごとに、その確率pi=P(X=xi)を示したものが確率分布で、関数として表したものを確率関数とも呼びます。

確率分布は、各確率が0以上で、すべての確率を足すと1になる、という条件を満たします。確率分布がわかれば、期待値や分散を計算できます。

累積分布(累積分布関数)

Xがある値x以下になる確率P(X ≦ x)をxの関数としてみたものを累積分布関数F(x)といいます。離散型では、x以下の値の確率をすべて足し合わせて求めます。累積分布関数には次の性質があります。

  • 0 ≦ F(x) ≦ 1で、xが増えても減ることはない(単調非減少)
  • xが十分小さければ0、十分大きければ1に近づく
  • 離散型では、Xがとる値のところでその確率の分だけ跳ね上がる階段状のグラフになる

累積分布関数は、「損失が一定額以下に収まる確率」のように、ある値以下(以上)の確率を直接読み取るのに便利です。また、階段の段差の高さが、その値をとる確率そのものになります。

押さえておきたい公式

pi ≧ 0、 Σ pi = 1確率分布の条件
F(x) = P(X ≦ x) = Σxi ≦ x pi累積分布関数(x以下の確率の合計)
E(X) = Σ pi xi、 V(X) = Σ pi (xi − E(X))2確率分布から計算する期待値と分散

具体例で確認

ある株式の1年後のリターンXが、次の4つの値をとるとします。

リターンx 確率P(X=x) 累積分布F(x)
−10% 0.1 0.1
0% 0.3 0.4
10% 0.4 0.8
20% 0.2 1.0
  • 確率の合計:0.1+0.3+0.4+0.2=1(確率分布の条件を満たす)
  • F(0%)=0.1+0.3=0.4:リターンが0%以下になる確率
  • F(5%)も0.4:0%と10%の間では値をとらないので、累積分布は平らなまま
  • 期待値:0.1×(−10)+0.3×0+0.4×10+0.2×20=7%、分散は81で標準偏差は9%

動画で解説

この論点は、証券アナリストアカデミーのYouTubeで解説しています。テキストとあわせて確認してください(動画「離散型確率変数・確率分布・累積分布を理解し、累積分布から確率を計算できる」)。

試験で問われやすいポイント

  • 確率分布の条件(各確率が0以上、合計が1)を使って、未知の確率を求める問題。
  • 累積分布関数F(x)=P(X ≦ x)の定義と、「以下」であること。
  • 離散型の累積分布は階段状で、値と値の間では一定になること。
  • 累積分布の段差(隣り合う値の差)から、各値の確率を逆算すること。

要点まとめ

  • 離散型確率変数はとびとびの値をとり、各値に確率が割り当てられる。
  • 確率は0以上で、合計は1。
  • 累積分布関数F(x)はx以下になる確率で、階段状に0から1まで増える。
  • 確率分布から期待値・分散を計算できる。

証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。

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※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。