ひとことで言うと

  • パッシブ運用は、株価指数などのベンチマークに連動するリターンを低コストで得ることを目指す運用です。
  • アクティブ運用は、銘柄選択や配分の工夫によってベンチマークを上回るリターン(アルファ)を目指す運用です。
  • 両者はアクティブ・リターントラッキング・エラーの大きさ、コストの違いで特徴づけられます。

この記事では、証券アナリスト2次「株式分析」の学習ポイントのひとつ「パッシブ運用とアクティブ運用」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。

分野 2次 証券分析とポートフォリオ・マネジメント/株式分析
大分類 (5) 株式リターンの分析と株式ポートフォリオによる投資戦略
協会の学習ポイント 株式ポートフォリオ戦略(パッシブ運用、アクティブ運用など)の意義や特徴を理解する。

パッシブ運用とアクティブ運用とは

株式ポートフォリオの運用戦略は、ベンチマーク(運用成果の比較基準となる指数)との関係で整理すると理解しやすくなります。

パッシブ運用

パッシブ運用(インデックス運用)は、ベンチマークとなる株価指数の動きにできるだけ近いリターンを得ることを目標にします。銘柄を調べて選ぶ必要がないため、運用報酬や売買コストが低いのが大きな特徴です。市場が効率的であれば、コスト控除後で見て多くのアクティブ運用を上回りやすいという考え方が背景にあります。一方で、市場全体が下落すれば同じように下落し、指数を上回ることはできません。

アクティブ運用

アクティブ運用は、企業分析やマクロ分析、計量モデルなどを使い、割安な銘柄を多めに、割高な銘柄を少なめに持つことで、ベンチマークを上回るリターンを目指します。成功すれば超過リターンが得られますが、調査コストや売買コストが高く、ベンチマークを下回るリスクもあります。

中間的な戦略

両者の中間として、リスクを抑えつつ小さな超過リターンを狙うエンハンスト・インデックス(セミ・アクティブ)運用もあります。戦略の違いは、ベンチマークからどれだけ乖離するか、つまりトラッキング・エラーの大きさで比べることができます。

押さえておきたい公式

アクティブ・リターン = RP − RBポートフォリオとベンチマークのリターンの差
トラッキング・エラー = σ(RP − RB)アクティブ・リターンの標準偏差(アクティブ・リスク)
情報比(IR) = アクティブ・リターン ÷ トラッキング・エラーアクティブ・リスク1単位あたりの超過リターン

具体例で確認

項目 パッシブファンドA アクティブファンドB
年平均アクティブ・リターン −0.1% +1.5%
トラッキング・エラー 0.2% 3.0%
情報比 —(連動が目的) 1.5 ÷ 3.0 = 0.5

パッシブファンドAはコスト分だけ指数をわずかに下回っていますが、乖離は非常に小さく、目的どおりに運用されています。アクティブファンドBは指数を1.5%上回った一方、3%のアクティブ・リスクを取っています。アクティブ運用は、超過リターンの大きさだけでなく、それを得るために取ったリスクと合わせて評価することが大切です。

動画で解説

この論点は、証券アナリストアカデミーのYouTubeで解説しています。テキストとあわせて確認してください(動画「投資政策・市場特性と最適な株式運用戦略、株式ポートフォリオ戦略を理解する」)。

試験で問われやすいポイント

  • パッシブ運用とアクティブ運用の目的・コスト・リスクの違いを比較して説明させる問題が考えられます。
  • パッシブ運用の評価はリターンの高さではなく、トラッキング・エラーの小ささで行う点がひっかけになりやすいです。
  • トラッキング・エラーはアクティブ・リターンの標準偏差であり、ポートフォリオ自体の標準偏差ではない点に注意しましょう。
  • 情報比の計算では、アクティブ・リターンとトラッキング・エラーを求める過程を示せるようにしておきましょう。
  • 市場の効率性とパッシブ運用の合理性の関係もあわせて問われやすいです。

要点まとめ

  • パッシブ運用は指数連動・低コスト、アクティブ運用は超過リターン狙い
  • アクティブ・リターン=RP−RB、その標準偏差がトラッキング・エラー
  • アクティブ運用は情報比でリスク対比の成果を評価する
  • 中間にエンハンスト・インデックス運用がある

証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。

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※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。