サーベイ分析(短観・DI)とは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト2次・市場と経済の分析
ひとことで言うと
- サーベイ分析とは、企業・家計・専門家へのアンケート調査の結果から、景況感や先行きの予想を読み取って分析に生かすことです。
- 代表例は日本銀行の短観(業況判断DI)、購買担当者への調査であるPMI、景気ウォッチャー調査、消費者態度指数、エコノミストの予想を集めたコンセンサス調査などです。
- 生産や売上などの実績データより早く公表され、人々の期待を直接とらえられるのが強みですが、回答の主観性などの限界もあります。
この記事では、証券アナリスト2次「市場と経済の分析」の学習ポイントのひとつ「サーベイを使った分析」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 2次 市場と経済の分析/経済 |
|---|---|
| 大分類 | (10) 市場の分析・予測と経済的要因 |
| 協会の学習ポイント | サーベイ(市場調査)等を利用した分析ができる。 |
サーベイ分析(短観・DI)とは
GDPや鉱工業生産などの「ハード・データ」は、実際の経済活動を測る一方、公表までに時間がかかり、後から改定されることもあります。これに対して、企業や家計に「景気は良いと感じるか」「今後どうなると思うか」を尋ねるサーベイ(ソフト・データ)は、速報性が高く、景気の転換点をいち早くとらえる手がかりになります。
DI(ディフュージョン・インデックス)
多くのサーベイは、回答を「良い/さほど良くない/悪い」のような選択肢で集計し、DIとして公表します。短観の業況判断DIは「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いたもので、プラスなら景況感が良い企業のほうが多いことを示します。DIは景気の水準の大きさよりも、改善・悪化の広がりや方向を示す指標だと理解しておきましょう。
主なサーベイと使い方
短観は、業況判断のほか、設備投資計画、想定為替レート、販売価格・仕入価格の判断、企業の物価見通しなども調べており、企業業績や物価の先行きを考えるうえで重要です。PMIは50を境に景気の拡大・縮小を判断します。景気ウォッチャー調査は、タクシー運転手や小売店の店員など景気を肌で感じやすい人への調査です。また、家計や専門家、市場参加者の予想インフレ率の調査は、金融政策の分析に欠かせません。
コンセンサス予想とサプライズ
経済指標の発表前には、エコノミストの予想を集めたコンセンサス(市場予想)が公表されます。市場価格はすでにコンセンサスを織り込んでいるため、指標が発表されたときに価格を動かすのは、実績とコンセンサスの差(サプライズ)です。
押さえておきたい公式
具体例で確認
例1:短観の業況判断DI
ある業種で「良い」30%、「さほど良くない」50%、「悪い」20%だったとします。
- 業況判断DI:30 − 20 = +10
- 前回調査が+14なら、景況感は4ポイント悪化です。DIはプラスでも、方向としては悪化していると読みます。
- 先行きDIが+8なら、企業はさらに悪化すると見ていることになります。
例2:PMI型のDI
新規受注について「増加」35%、「変わらない」40%、「減少」25%なら、DIは 35 + 0.5 × 40 = 55です。50を上回っているので、受注は拡大方向と判断できます。
試験で問われやすいポイント
- 回答の割合からDIを計算し、前回や先行きと比べて改善・悪化を判断させる問題に備えましょう。
- DIは景気の方向や広がりを示し、景気の水準や変化の大きさを直接示すものではない、という点がひっかけになりやすいです。
- サーベイの長所(速報性、期待を測れる、転換点の把握)と短所(主観的、回答者の偏り、ハード・データとの乖離)を記述で説明できるようにしておきましょう。
- 市場が反応するのは実績そのものではなくコンセンサスとの差である、という論点が問われやすいです。
- 短観の想定為替レートや物価見通し、家計・専門家の予想インフレ率など、サーベイから期待を読み取る使い方も押さえておきましょう。
要点まとめ
- サーベイは企業・家計・専門家の景況感や予想を集めたソフト・データ
- 短観の業況判断DI=「良い」−「悪い」、PMIは50が分かれ目
- 速報性が高く期待を測れるが、主観性や回答の偏りに注意する
- 市場を動かすのは実績とコンセンサスの差(サプライズ)
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
