寄与度とは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト1次・市場と経済の分析
ひとことで言うと
- 寄与度は、GDP成長率のうち、消費・投資・政府支出・純輸出などの各項目が何%ポイント分を押し上げ(押し下げ)たかを示す指標です。
- 計算は「その項目の増加額 ÷ 前期のGDP × 100」で、各項目の寄与度を合計するとGDP成長率に一致します。
- 成長を主にけん引したのは内需か外需か、どの項目が足を引っ張ったかを分析するのに使います。
この記事では、証券アナリスト1次「市場と経済の分析」の学習ポイントのひとつ「寄与度による成長要因の分析」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 1次 科目Ⅲ/市場と経済の分析 |
|---|---|
| 大分類 | (3) 国民経済計算の仕組み |
| 協会の学習ポイント | GDPを寄与度により分解して経済成長の要因を分析できる。 |
寄与度とは
GDP成長率が2%だったと聞いても、それが個人消費の好調によるものか、輸出の伸びによるものかはわかりません。支出面のGDPは「消費+投資+政府支出+純輸出」という足し算でできているので、成長率を各項目の貢献分に分けることができます。この貢献分が寄与度で、単位は「%ポイント」です。
計算のしかた
各項目の寄与度は、その項目の前期からの増加額を前期のGDPで割って求めます。分母をその項目自身ではなくGDP全体にするのがポイントです。こうすると、GDPに占める割合が大きい項目ほど、同じ伸び率でも寄与度が大きくなります。寄与度は「その項目の伸び率 × 前期のGDPに占める構成比」と書き換えることもできます。
内需と外需
消費・投資・政府支出をまとめたものを内需(国内需要)、輸出から輸入を引いた純輸出を外需と呼び、それぞれの寄与度が公表されます。輸入はGDPの計算で差し引かれるので、輸入が増えると外需寄与度はマイナスに働きます。内需が強くて輸入が増えると、外需寄与度が押し下げられるという関係に注意が必要です。
寄与率との違い
寄与度を成長率全体で割った寄与率(%)は、成長のうち何割がその項目によるものかを示します。寄与率の合計は100%になります。寄与度は「何ポイント押し上げたか」、寄与率は「全体の何割を占めたか」と区別しましょう。
押さえておきたい公式
具体例で確認
| 項目 | 前期 | 当期 | 増加額 | 寄与度 |
|---|---|---|---|---|
| 消費 | 300 | 309 | +9 | +1.73 |
| 投資 | 100 | 96 | −4 | −0.77 |
| 政府支出 | 100 | 103 | +3 | +0.58 |
| 純輸出 | 20 | 24 | +4 | +0.77 |
| GDP | 520 | 532 | +12 | +2.31 |
- GDP成長率:12 ÷ 520 × 100 ≒ 2.31%
- 消費の寄与度:9 ÷ 520 × 100 ≒ 1.73ポイント(寄与率は9 ÷ 12 = 75%)
- 投資の寄与度:−4 ÷ 520 × 100 ≒ −0.77ポイント
- 合計:1.73 − 0.77 + 0.58 + 0.77 = 2.31 となり、成長率に一致します。
内需寄与度は1.73 − 0.77 + 0.58 = 1.54ポイント、外需寄与度は0.77ポイントです。成長の主役は個人消費で、投資は足を引っ張ったと読み取れます。なお投資自体の伸び率は −4%ですが、寄与度は構成比(約19%)を掛けた −0.77ポイントになる点に注意しましょう。
試験で問われやすいポイント
- 寄与度の分母は前期のGDPで、その項目自身の前期値ではない点が最大のひっかけです。
- 各項目の寄与度の合計=GDP成長率という性質を使って、欠けている項目の寄与度を逆算させる問題に備えましょう。
- 輸入の増加は外需寄与度のマイナス要因になる点がよく問われます。
- 寄与度(%ポイント)と寄与率(%、合計100%)の違いを区別しましょう。
- 「伸び率が大きい項目=寄与度が大きい項目」とは限らない(構成比が小さければ寄与度は小さい)点も確認しておきましょう。
要点まとめ
- 寄与度=項目の増加額÷前期GDP×100(%ポイント)
- 各項目の寄与度の合計はGDP成長率に一致する
- 内需寄与度と外需寄与度に分けて成長のけん引役を探る
- 輸入の増加は外需寄与度を押し下げる
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
