ひとことで言うと

  • 株価指数には、株価平均型・時価総額加重型・等金額型・ファンダメンタル・インデックスなど、構成銘柄のウェイトの付け方が異なるものがあります。
  • パッシブファンドは、完全法・層化抽出法・最適化法などで指数への連動を図ります。
  • 構築方法は、トラッキング・エラーと売買コストのバランスで選びます。

この記事では、証券アナリスト2次「株式分析」の学習ポイントのひとつ「株価指数とパッシブファンドの構築」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。

分野 2次 証券分析とポートフォリオ・マネジメント/株式分析
大分類 (5) 株式リターンの分析と株式ポートフォリオによる投資戦略
協会の学習ポイント 様々な株価指数(ファンダメンタル・インデックスなども含む)の特徴と株式パッシブファンドの構築方法について理解する。

株価指数とパッシブファンドの構築とは

パッシブ運用では、まず「どの指数に連動させるか」を決め、次に「どうやって指数に連動するポートフォリオを作るか」を考えます。指数ごとにウェイトの付け方が異なり、それがリスクやリターンの性質に影響します。

主な株価指数のタイプ

株価平均型は構成銘柄の株価を合計して除数で割る方式で、株価の高い銘柄(値がさ株)の影響が大きくなります。日経平均株価がこのタイプです。時価総額加重型は時価総額に比例したウェイトを持つ方式で、市場全体の動きを表しやすく、売買回転率も低く抑えられます。実務では浮動株を基準に調整することが一般的で、TOPIXもこのタイプです。一方で、値上がりした銘柄ほどウェイトが大きくなるため、割高な銘柄への集中が起きやすいという指摘があります。

等金額型は全銘柄を同じウェイトで持ち、小型株の影響が相対的に大きくなります。ファンダメンタル・インデックスは、売上高・利益・配当・純資産などの企業規模を表す財務指標でウェイトを決める方式です。株価と切り離してウェイトを決めるため、時価総額加重型に比べてバリュー株寄りの性質を持ちやすく、スマートベータの一種とされます。

パッシブファンドの構築方法

完全法(完全複製法)は指数の全銘柄を指数と同じウェイトで保有する方法で、トラッキング・エラーは最小ですが、銘柄数が多いと売買コストや管理の手間が大きくなります。層化抽出法は、業種や規模などで銘柄をグループ(層)に分け、各層の比率が指数と一致するように代表銘柄を選ぶ方法です。最適化法は、マルチファクター・リスクモデルなどを使い、少ない銘柄数でトラッキング・エラーの予測値が最小となるように組み入れ比率を決める方法です。

整理しておきたいポイント

構築方法 長所 短所
完全法 トラッキング・エラーが最も小さい 銘柄数が多いと売買コスト・手間が大きい
層化抽出法 少ない銘柄数で主要な特性を合わせられる 層の切り方しだいで乖離が生じる
最適化法 リスクモデルでトラッキング・エラーを統計的に抑えられる モデルの推計誤差やパラメータ変化の影響を受ける

具体例で確認

3銘柄だけの指数を考えます。A社は株価1,000円・発行済株式100株(時価総額10万円)、B社は株価5,000円・10株(5万円)、C社は株価200円・250株(5万円)です。

  • 株価平均型のウェイト:A 約16.1%、B 約80.6%、C 約3.2%(株価の高いBが支配的)
  • 時価総額加重型のウェイト:A 50%、B 25%、C 25%
  • 等金額型のウェイト:各約33.3%

同じ3銘柄でも、ウェイトの付け方によって指数の値動きは大きく異なります。どの指数に連動させるかは、そのままポートフォリオの性質を決めることになります。

動画で解説

この論点は、証券アナリストアカデミーのYouTubeで解説しています。テキストとあわせて確認してください(動画「様々な株価指数の特徴と株式パッシブファンドの構築方法を理解する」)。

試験で問われやすいポイント

  • 株価平均型・時価総額加重型・等金額型・ファンダメンタル・インデックスのウェイト決定方法と特徴が問われやすいです。
  • 時価総額加重型は割高な銘柄のウェイトが大きくなりやすいこと、ファンダメンタル・インデックスはバリュー寄りになりやすいことを押さえましょう。
  • 完全法・層化抽出法・最適化法のトラッキング・エラーとコストのトレードオフを記述式で説明できるようにしておきましょう。
  • リバランス(銘柄入替え・ウェイト調整)の頻度が高い指数ほど売買コストが大きくなる点も論点になります。

要点まとめ

  • 指数はウェイトの付け方(株価・時価総額・等金額・財務指標)で性質が変わる
  • ファンダメンタル・インデックスは財務指標でウェイトを決める
  • パッシブファンドは完全法・層化抽出法・最適化法で構築する
  • 連動精度(トラッキング・エラー)とコストのバランスで方法を選ぶ

証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。

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※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。