資産形成(アキュムレーション)とは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト2次・ポートフォリオ・マネジメント
ひとことで言うと
- 資産形成(アキュムレーション)局面とは、現役時代に収入の一部を積み立て、運用しながら老後などに向けて資産を増やしていく段階です。
- 少額から分散投資ができる投資信託、とくに定期的な積立投資が中心的な手段になります。
- 生命保険は、死亡や就業不能で将来の収入(人的資本)が失われるリスクに備える役割を担います。
この記事では、証券アナリスト2次「ポートフォリオ・マネジメント」の学習ポイントのひとつ「資産形成期の運用」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 2次 証券分析とポートフォリオ・マネジメント/ポートフォリオ・マネジメント |
|---|---|
| 大分類 | (5) 個人投資家の資産運用 |
| 協会の学習ポイント | 資産形成(アキュムレーション)局面における資産運用と投資信託や生命保険の活用について理解する。 |
資産形成(アキュムレーション)期の運用とは
資産形成期は、働いて得た収入から生活費を差し引いた余剰資金を積み立て、運用によって増やしていく時期です。この時期の資産の増え方は、積立額(貯蓄率)・運用利回り・運用期間の3つで決まります。複利の効果は期間が長いほど大きくなるため、早く始めて長く続けることが基本です。
投資信託の活用
個人が少額で株式や債券に幅広く分散投資するには、投資信託が便利です。資産・地域の分散を1本で実現できるバランス型ファンドや、市場平均への連動をめざすインデックス・ファンドは、低コストで長期の積立に向いています。長期では信託報酬などのコストの差が最終的な資産額に大きく影響するため、コストの確認も重要です。
毎月一定額を買い付けるドルコスト平均法(定額積立)は、価格が高いときには少なく、安いときには多く買うことになるため、平均購入単価を平準化し、買う時期を判断する負担を減らせます。ただし、常に一括投資より有利になるわけではなく、上昇が続く相場では一括投資のほうが結果がよくなることもあります。
生命保険の活用
資産形成期の人は、金融資産がまだ少なく、将来の労働収入(人的資本)が資産の大部分を占めます。世帯主が亡くなったり働けなくなったりすると、家族の生活や資産形成の計画が大きく崩れます。そこで、比較的安い保険料で大きな保障を得られる定期保険や就業不能保険などで人的資本を守ることが、資産形成の土台になります。
貯蓄機能のある保険(終身保険や養老保険など)は、保障と貯蓄を組み合わせた商品です。強制的に貯蓄できる点などの利点がある一方、途中解約すると元本割れすることがあり、コストの構造も見えにくいため、保障と運用を分けて考える視点と比較しながら選ぶことが大切です。
押さえておきたい公式
具体例で確認
毎月2万円ずつ4か月、投資信託を積み立てるとします。基準価額(1口あたり)は次のように動いたとします。
| 月 | 価格 | 購入口数 |
|---|---|---|
| 1か月目 | 10,000円 | 2.0口 |
| 2か月目 | 8,000円 | 2.5口 |
| 3か月目 | 12,500円 | 1.6口 |
| 4か月目 | 10,000円 | 2.0口 |
- 投資総額:8万円、購入口数:8.1口
- 平均購入単価:8万円÷8.1口 ≒ 9,877円
- 価格の単純平均:(10,000+8,000+12,500+10,000)÷4 = 10,125円
毎回同じ口数を買う方法(定量購入)なら平均購入単価は10,125円ですが、定額積立では価格が安いときに多く買えたため、平均購入単価が低くなっています。
試験で問われやすいポイント
- 資産形成の成果を決める要素(積立額・利回り・期間)と、長期・複利・低コストの重要性。
- ドルコスト平均法の平均購入単価の計算と、それが単純平均価格以下になる理由。
- ドルコスト平均法が常に一括投資より有利とは限らないこと。
- 資産形成期の生命保険の主な役割は、人的資本の喪失リスクへの備えであること。
- 2次の記述式では、積立の将来価値を計算させたり、投資信託と保険をどう組み合わせるかを説明させたりする形が考えられます。
要点まとめ
- 資産形成期は、積立額・利回り・期間で成果が決まり、早く長く続けることが基本。
- 投資信託は少額での分散投資に適し、長期ではコストの差が効いてくる。
- 定額積立は平均購入単価を平準化するが、一括投資より常に有利とは限らない。
- 生命保険は人的資本を守る手段として資産形成の土台になる。
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
