固定利付債とは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト1次・債券分析
ひとことで言うと
- 固定利付債は、発行時に決めた一定のクーポン(利息)を毎期受け取り、満期に額面が償還される債券です。
- 投資家の収益は、クーポン収入と、購入価格と額面の差(償還差損益)から生まれます。
- これらを合わせた利回りが最終利回りで、日本では単利、理論的な分析では複利で表すのが一般的です。
この記事では、証券アナリスト1次「債券分析」の学習ポイントのひとつ「固定利付債の仕組み」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 1次 科目Ⅰ/債券分析 |
|---|---|
| 大分類 | (1) 債券の種類・特性と債券市場の仕組み |
| 協会の学習ポイント | 固定利付債の仕組み(キャッシュフローと利回り)を理解する。 |
固定利付債とは
固定利付債は、もっとも標準的な債券です。たとえば「額面100円、クーポンレート2%、年1回払い、残存4年」なら、1〜4年後に毎年2円のクーポンを受け取り、4年後にはさらに額面の100円が償還されます。日本の国債の多くは年2回(半年ごと)の利払いですが、考え方は同じです。
キャッシュフローの形
キャッシュフローは「一定額のクーポンが並び、最後に額面が上乗せされる」形になります。クーポンの金額は額面×クーポンレートで決まり、市場価格が変わってもクーポンの金額は変わりません。価格の変動を通じて、投資家が実際に得る利回りが調整されます。
利回りのいろいろ
利回りは、投資額に対して1年あたりどれだけの収益が得られるかを表します。購入価格に対するクーポンだけの比率を直接利回り、満期まで保有した場合のクーポンと償還差損益を合わせた利回りを最終利回りと呼びます。新発債を発行価格で買った場合の最終利回りは応募者利回り、途中で売却した場合は所有期間利回りといいます。
単利と複利の最終利回り
日本の実務では、償還差損益を残存年数で均等に配分して計算する単利の最終利回りが慣行として使われてきました。一方、理論的には、キャッシュフローの現在価値の合計が価格に等しくなる割引率として複利の最終利回りを求めます。複利の最終利回りは、途中で受け取るクーポンを同じ利回りで再投資できることを暗黙の前提としています。
押さえておきたい公式
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| P | 債券価格(額面100あたり) |
| C | 年間クーポン(額面100あたり) |
| n | 残存年数 |
| r | 複利最終利回り |
具体例で確認
クーポンレート2%(年1回払い)、残存4年の固定利付債を、価格98円で購入するとします。
- 毎年のクーポン:2円(4年後は2+100=102円)
- 償還差益:100 − 98 = 2円 → 1年あたり 2 ÷ 4 = 0.5円
- 単利最終利回り:(2 + 0.5) ÷ 98 ≒ 2.55%
- 複利最終利回り:98 = 2÷(1+r) + 2÷(1+r)2 + 2÷(1+r)3 + 102÷(1+r)4 を満たす r ≒ 2.53%
- 直接利回り:2 ÷ 98 ≒ 2.04%
額面より安く買っているので、最終利回りはクーポンレート(2%)を上回ります。
試験で問われやすいポイント
- 単利最終利回りの計算は頻出の基本計算です。償還差損益を年数で割り、分母は購入価格である点を押さえましょう。
- 複利最終利回りは、キャッシュフローの現在価値合計=価格となる割引率(内部収益率)であるという定義が問われやすいです。
- 複利最終利回りはクーポンを同じ利回りで再投資できる前提を含む、という点がひっかけに使われやすいです。
- 価格が額面を下回ると最終利回り>クーポンレート、上回ると最終利回り<クーポンレートという関係に注意しましょう。
- 直接利回り・最終利回り・応募者利回り・所有期間利回りの区別が問われやすいです。
要点まとめ
- 固定利付債=一定のクーポンを毎期受け取り、満期に額面で償還
- 単利最終利回り = {C + (100 − P) ÷ n} ÷ P
- 複利最終利回りはキャッシュフローの現在価値合計を価格に一致させる割引率
- 価格が額面より低ければ、最終利回りはクーポンレートより高い
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※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
