ひとことで言うと

  • 債券は、発行体(国・地方・企業・外国など)、利払いの方法(利付・割引、固定・変動)、通貨と発行地募集方法期間担保や弁済順位などの切り口で分類されます。
  • 分類ごとに信用リスク・金利リスク・為替リスクの性格が異なるため、分類はリスクを整理する出発点になります。

この記事では、証券アナリスト1次「債券分析」の学習ポイントのひとつ「債券の種別と分類」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。

分野 1次 科目Ⅰ/債券分析
大分類 (1) 債券の種類・特性と債券市場の仕組み
協会の学習ポイント 主要な債券の種別や分類について理解する。

債券の種別と分類とは

発行体による分類

国が発行する国債、都道府県や市などが発行する地方債、政府関係機関などが発行する政府関係機関債(財投機関債など)、事業会社が発行する社債(事業債)、一部の金融機関が発行する金融債などがあります。国債・地方債・政府関係機関債をまとめて公共債、それ以外を民間債と呼ぶこともあります。一般に、国債は国内でもっとも信用力が高く、社債は発行体ごとに信用力が大きく異なります。

利払い方法による分類

毎期クーポンを払う利付債と、クーポンがなく額面より安く発行される割引債に分かれます。利付債はさらに、クーポンが一定の固定利付債と、基準金利に連動してクーポンが変わる変動利付債に分かれます。元本が物価に連動する物価連動債もあります。

通貨・発行地による分類

日本の発行体が国内で円建てで出すのが一般的な国内債です。これに対し、外国の発行体が日本国内で円建てで発行する債券は円建て外債(サムライ債)、日本以外の市場で発行される円建ての債券はユーロ円債と呼ばれます。払込みと利払い・償還で通貨が異なるデュアル・カレンシー債(二重通貨建て債)もあります。

その他の分類

不特定多数の投資家に募集する公募債と、特定の少数の投資家向けの私募債、担保の有無による担保付社債・無担保社債、弁済順位が低い劣後債、株式に転換できる転換社債型新株予約権付社債、発行体が期限前に償還できるコーラブル債などがあります。残存期間によって短期債・中期債・長期債・超長期債と呼び分けることもあります。

整理しておきたいポイント

切り口 主な種類 リスク面での特徴
発行体 国債・地方債・政府関係機関債・社債・金融債 信用リスクの大きさが異なる
利払い 固定利付債・変動利付債・割引債 変動利付債は金利変化による価格変動が小さい
通貨・発行地 国内債・サムライ債・ユーロ円債・外貨建て債 外貨建てには為替リスクがある
募集方法 公募債・私募債 私募債は流動性が低い傾向
担保・順位 担保付社債・無担保社債・劣後債 弁済順位が低いほど損失時の回収が少ない

具体例で確認

ある投資家が次の2つの債券を比べているとします。

  • A:日本の国が発行する円建ての10年固定利付債
  • B:海外の事業会社が日本国内で円建てで発行する5年固定利付債

Aは国債なので信用リスクは国内でもっとも小さく、流動性も高い債券です。Bは外国の発行体が国内で発行する円建て外債(サムライ債)で、円建てなので投資家には為替リスクはありませんが、発行体の信用リスクがあるため、通常は国債より高い利回りが求められます。このように、分類を押さえるとどのリスクを負うかが見えてきます。

試験で問われやすいポイント

  • サムライ債・ユーロ円債など、発行体の国籍・通貨・発行地の組合せによる名称の区別が問われやすいです。
  • 円建て外債は円建てなので、日本の投資家にとって為替リスクがない点がひっかけになりやすいです。
  • 変動利付債はクーポンが市場金利に合わせて変わるため、固定利付債に比べて金利変化に対する価格変動が小さいことを押さえましょう。
  • 公共債と民間債、公募債と私募債、担保付と無担保、劣後債などの定義を正確に覚えておきましょう。

要点まとめ

  • 発行体・利払い・通貨と発行地・募集方法・担保や順位などで分類する
  • 発行体の違いは主に信用リスクの違い
  • 変動利付債は金利リスクが小さく、外貨建て債には為替リスクがある
  • サムライ債は外国の発行体が国内で出す円建ての債券

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※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。