ひとことで言うと

  • グローバル債券市場は、米国債・欧州国債などの各国の国内債券市場と、国境を越えて発行されるユーロ債外国債の市場から成り立っています。
  • 日本の投資家が外貨建て債券に投資すると、金利の変化に加えて為替レートの変化が円ベースのリターンを大きく左右します。

この記事では、証券アナリスト1次「債券分析」の学習ポイントのひとつ「グローバル債券市場」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。

分野 1次 科目Ⅰ/債券分析
大分類 (1) 債券の種類・特性と債券市場の仕組み
協会の学習ポイント グローバル債券市場の基礎知識について理解する。

グローバル債券市場とは

主要国の国債市場

世界最大の債券市場は米国で、中心となるのが米国債です。米国債は満期1年以下の短期証券(Tビル)、中期債(Tノート)、長期債(Tボンド)に分かれ、元本が物価に連動する物価連動国債(TIPS)もあります。米国債は流動性が極めて高く、世界の金利の基準として扱われます。欧州では、ドイツ国債がユーロ圏の指標とされ、英国の国債はギルトと呼ばれます。米国では国債に加えて社債市場や住宅ローン担保証券の市場も大きいのが特徴です。

ユーロ債と外国債

国境を越えて発行される債券は、大きく2種類に分かれます。外国債は、外国の発行体がある国の国内市場で、その国の通貨建てで発行する債券です。米国で発行されるドル建て外債はヤンキー債、日本で発行される円建て外債はサムライ債と呼ばれます。一方、ユーロ債は、発行する通貨の国の外で発行される債券で、ユーロ円債(日本国外で発行される円建て債)などがあります。ここでの「ユーロ」は通貨のユーロではなく、「国外の」という意味で使われている点に注意しましょう。

外国債券投資のリスク

外貨建て債券に投資すると、現地の金利変動リスクや信用リスクに加えて、為替リスクを負います。外国の金利が日本より高くても、その分円高が進めば円ベースのリターンは打ち消されてしまいます。為替リスクを避けるために為替予約などでヘッジすることもできますが、ヘッジにはおおむね両国の短期金利差に相当するコストがかかるため、ヘッジ後の利回りは国内債券と大きく変わらないこともあります。

押さえておきたい公式

円ベースのリターン = (1 + 現地通貨ベースのリターン) × (1 + 為替変化率) − 1近似的には「現地通貨ベースのリターン + 為替変化率」
用語 意味
現地通貨ベースのリターン クーポンと価格変化による外貨建てでの収益率
為替変化率 外貨の対円での変化率(円安でプラス、円高でマイナス)

具体例で確認

日本の投資家が、米ドル建ての債券に1年間投資し、ドルベースのリターンが4%だったとします。

  1. 1年間で10%の円高ドル安になった場合:1.04 × 0.90 − 1 = −6.4%
  2. 1年間で5%の円安ドル高になった場合:1.04 × 1.05 − 1 = +9.2%

同じ債券のリターンでも、為替の動きによって円ベースの結果は大きく変わります。外国債券では、金利だけでなく為替の見通しが投資判断の重要な要素になることがわかります。

試験で問われやすいポイント

  • 外国債とユーロ債の違い(その国の国内市場で発行するか、通貨の国の外で発行するか)と、ヤンキー債・サムライ債・ユーロ円債などの名称が問われやすいです。
  • ユーロ債の「ユーロ」は通貨のユーロではない、という点がひっかけになりやすいです。
  • 外貨建て債券の円ベースのリターンを、現地リターンと為替変化率から計算させる問題に注意しましょう。
  • 為替ヘッジのコストはおおむね短期金利差で決まり、ヘッジすると金利差のうまみが小さくなることを押さえましょう。
  • 米国債の種類(Tビル・Tノート・Tボンド・TIPS)の区別も問われやすいです。

要点まとめ

  • 米国債は世界最大・最高流動性の国債市場で、金利の世界的な基準
  • 外国債は外国発行体が国内市場で国内通貨建てで発行、ユーロ債は通貨の国の外で発行
  • 外貨建て債券の円ベースリターン = (1+現地リターン)×(1+為替変化率) − 1
  • 為替ヘッジのコストはおおむね短期金利差

証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。

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※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。