ひとことで言うと

  • レポ取引は、債券を担保にして短期間お金を貸し借りする(または、お金を担保に債券を貸し借りする)取引です。
  • 日本では、売買の形をとる現先取引と、貸借の形をとる現金担保付債券貸借取引があります。
  • 債券ディーラーの資金調達や、売った債券の調達(空売りのカバー)を可能にし、債券市場の流動性を支える補完市場です。

この記事では、証券アナリスト1次「債券分析」の学習ポイントのひとつ「レポ取引など補完市場」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。

分野 1次 科目Ⅰ/債券分析
大分類 (1) 債券の種類・特性と債券市場の仕組み
協会の学習ポイント 債券レポ取引など補完市場の仕組みを理解する。

レポ取引とは

債券の現物市場がスムーズに動くためには、ディーラーが債券を買うための資金を調達したり、手元にない債券を借りてきて売ったりできる仕組みが必要です。これを支えるのがレポ取引などの補完市場です。

現先取引(売買形式)

現先取引は、「今、債券を売り、あらかじめ決めた期日・価格で買い戻す」(またはその逆の)約束をセットにした取引です。債券を売って後で買い戻す側を売り現先といい、実質的には債券を担保にお金を借りています。反対に、債券を買って後で売り戻す側は買い現先で、実質的にはお金を貸しています。売却価格と買戻価格の差が、実質的な金利(レポレート)にあたります。

現金担保付債券貸借取引(貸借形式)

こちらは、債券を貸し借りし、その担保として現金を差し入れる取引です。債券の借り手は現金を差し入れ、貸し手は受け取った現金に対して金利を支払い、借り手は貸借料を支払います。両者の差し引きがネットの資金コストになります。

GC取引とSC取引

担保の債券の銘柄を特定しない取引をGC(ジェネラル・コラテラル)取引といい、主に資金の調達・運用が目的です。これに対して、特定の銘柄を指定する取引をSC(スペシャル・コラテラル)取引といい、主にその債券を調達することが目的です。人気が集まり品薄になった銘柄のSCレートは、GCレートより低くなる(資金を出す側の受取金利が下がる)ことがあります。

レポ市場の役割

レポ市場によって、ディーラーは保有債券を担保に在庫の資金を調達でき、先物との裁定取引や空売りも行いやすくなります。また、日本銀行が金融調節を行う場としても使われます。担保価値の変動に備えて、担保の値洗いやヘアカット(担保価値の掛け目)といったリスク管理の仕組みが設けられています。

押さえておきたい公式

買戻代金 = 売却代金 × (1 + レポレート × 日数 ÷ 365)現先取引の資金コスト(片端入れ・年365日ベースの場合)
用語 意味
売却代金 スタート時に受け渡される金額
買戻代金 エンド(期日)に受け渡される金額
レポレート 取引期間中の実質的な金利(年率)

具体例で確認

ある証券会社が、保有する国債を使って100億円を30日間、レポレート年0.5%で調達する(売り現先)とします。

  1. スタート:国債を売却し、100億円を受け取る
  2. 金利分:100億円 × 0.5% × 30 ÷ 365 ≒ 約411万円
  3. エンド:約100億411万円を支払って国債を買い戻す

相手方の投資家(買い現先)から見ると、国債を担保にとって30日間100億円を運用し、約411万円の収益を得たことになります。

試験で問われやすいポイント

  • 売り現先=資金調達、買い現先=資金運用という対応関係が問われやすいです。取り違えに注意しましょう。
  • 現先取引(売買形式)と現金担保付債券貸借取引(貸借形式)の違いを押さえましょう。
  • GC取引は資金取引、SC取引は特定銘柄の調達が主目的という区別が問われやすいです。
  • 品薄銘柄のSCレートがGCレートより低くなる理由(債券を借りたい側が低い金利を受け入れる)に注意しましょう。
  • レポ金利の計算(元本×レート×日数÷365)も確認しておきましょう。

要点まとめ

  • レポ取引=債券を担保にした短期の資金貸借(または現金を担保にした債券貸借)
  • 日本では現先取引と現金担保付債券貸借取引がある
  • GCは資金取引、SCは特定銘柄の調達が目的
  • ディーラーの資金調達や空売りを支え、債券市場の流動性を高める

証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。

▶ 証券アナリストコミュニティーに参加する

※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。