ひとことで言うと

  • カレンダー・スプレッドは、原資産や行使価格は同じで満期(限月)だけが異なる先物やオプションを、一方は買い・一方は売りで組み合わせる取引です。
  • 相場全体の上げ下げよりも、満期の違いによる価格差の変化をねらいます。
  • オプションでは、満期の近いものほど時間価値が早く減る性質を利用するのが代表的な使い方です。

この記事では、証券アナリスト1次「デリバティブ分析」の学習ポイントのひとつ「カレンダー・スプレッド」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。

分野 1次 科目Ⅰ/デリバティブ分析
大分類 (6) デリバティブを用いた投資戦略
協会の学習ポイント カレンダー・スプレッド取引の仕組みや利用方法について理解する。

カレンダー・スプレッドとは

カレンダー・スプレッドは、満期の異なる同種のデリバティブを組み合わせる取引で、タイム・スプレッドや、先物では限月間スプレッドとも呼ばれます。買いと売りを同時に持つため、原資産価格が全体として動いたときの損益はある程度相殺され、2つの価格の差(スプレッド)の変化が損益の中心になります。行使価格が同じで満期だけが異なるオプションの組み合わせは、「水平(ホリゾンタル)スプレッド」とも呼ばれます。

先物のカレンダー・スプレッド

先物の理論価格は「現物価格×(1+金利−配当利回り)」のように、満期までの期間と保有コストで決まります。そのため、期近物と期先物の価格差は主に金利や配当などの保有コストを反映します。たとえば金利の上昇などで期先物のほうが相対的に高くなると予想すれば、「期先を買い、期近を売る」ことで、価格差の拡大から利益を得られます。先物の限月を乗り換える「ロールオーバー」も、実質的にはこの組み合わせの売買にあたります。

オプションのカレンダー・スプレッド

同じ行使価格で、期近のオプションを売り、期先のオプションを買うのが典型的な形です。オプションの時間価値は満期が近づくほど速いペースで減っていくため、原資産価格が行使価格付近にとどまれば、売った期近物の価値が先に大きく減り、買った期先物の価値は比較的残ります。この差が利益の源泉です。

一方、原資産価格が行使価格から大きく離れると、期近・期先とも時間価値が小さくなり、差額が縮んで損失になりやすくなります。また、期先物はボラティリティの影響を受けやすいため、ボラティリティの上昇は一般にこのポジションにとってプラスに働きます。

整理しておきたいポイント

項目 先物のカレンダー・スプレッド オプションのカレンダー・スプレッド
組み合わせ 期近と期先の先物を売買 同じ行使価格で期近を売り、期先を買う(典型例)
損益の源泉 保有コスト(金利・配当など)を反映した価格差の変化 期近の時間価値が先に減ること
有利になる状況 予想どおりに価格差が拡大・縮小したとき 原資産価格が行使価格付近で安定しているとき
主なリスク 価格差が予想と逆に動く 原資産価格が大きく動く

具体例で確認

株価指数が現在28,000で、行使価格28,000のコールについて、残存1か月の期近物が300、残存3か月の期先物が550で取引されているとします。期近物を売り、期先物を買うと、正味の支払いは550 − 300 = 250です。

1か月後、指数がちょうど28,000で期近物の満期を迎えたとします。期近物は本源的価値がゼロで満期となり、売った300はそのまま手元に残ります。期先物は残存2か月となって時間価値が減りますが、仮に400の価値が残っていれば、ポジションの価値は400となり、当初の支払い250に対して150の利益です。反対に、指数が大きく上昇または下落していれば、期先物の時間価値も小さくなるため、利益は減るか損失になります。

試験で問われやすいポイント

  • カレンダー・スプレッドは満期(限月)が異なるものを組み合わせる取引であり、行使価格が異なる垂直スプレッドとの違いが問われます。
  • オプションの場合、期近の時間価値の減り方が速いことが利益の源泉である点を説明できるようにしましょう。
  • 原資産価格が行使価格付近で安定していると有利、大きく動くと不利、という損益特性が確認されやすいです。
  • 先物のカレンダー・スプレッドでは、価格差が保有コスト(金利・配当)を反映することを押さえておきましょう。

要点まとめ

  • カレンダー・スプレッドは満期の異なる同種のデリバティブを買いと売りで組み合わせる取引です。
  • 相場の方向よりも、満期の違いによる価格差の変化をねらいます。
  • オプションでは期近を売り期先を買い、期近の時間価値が速く減ることを利用します。
  • 先物では、期近と期先の価格差が保有コストの変化などを反映します。

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※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。