CFA®︎ Level 1「Economics(経済学)」で使われる重要用語を、学習単元(Learning Module)ごとに英語・日本語訳・意味の3点セットで整理しました。全8単元・74語を収録しています。英語の協会テキストを読むときの辞書代わりにお使いください。
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単元(LM)一覧

Economics の重要用語(LM別)

LM1 The Firm and Market Structures(企業と市場構造)

この単元の要点解説:LM1 企業と市場構造
Economic Profit
経済的利潤
総収入から、明示的な費用に加えて機会費用などの暗黙の費用も含めた経済的費用を差し引いた利潤。明示的な費用だけを差し引く会計上の利潤とは区別される。
Breakeven Point
損益分岐点
総収入が総費用に等しく、経済的利潤がゼロとなる生産水準。価格が平均総費用(ATC)に等しい点にあたる。
Shutdown Point
操業停止点
価格が平均可変費用(AVC)の最小値を下回り、短期でも生産を停止するほうが損失が小さくなる水準。AVCを上回る限り、赤字でも固定費の一部を回収できるため操業を続ける。
Economies of Scale
規模の経済
生産規模の拡大に伴って長期の平均総費用が低下する現象。専門化や投入物の価格交渉力が要因となる。逆に費用が上昇する現象を規模の不経済という。
Minimum Efficient Scale
最小効率規模
長期平均総費用が最小となる生産規模。規模の経済が尽きる点にあたり、長期的に競争力を保つための目安となる。
Monopolistic Competition
独占的競争
多数の企業が差別化された製品を供給し、ある程度の価格支配力を持つ市場構造。参入が容易なため、長期的には経済的利潤がゼロとなる。
Oligopoly
寡占
少数の企業が高い参入障壁に守られて供給する市場構造。各社の意思決定が互いに影響し合うため、相手の反応を考慮した戦略的な行動が重要となる。
Kinked Demand Curve Model
屈折需要曲線モデル
寡占企業が値上げしても競合は追随せず、値下げすれば追随すると想定するモデル。需要曲線が現行価格で折れ曲がり、限界収入に不連続な区間が生じるため価格が硬直的になる。
Nash Equilibrium
ナッシュ均衡
各企業が相手の戦略を所与として自らの最適な戦略を選んでおり、どの企業も単独で戦略を変える誘因がない状態。
Herfindahl–Hirschman Index (HHI)
ハーフィンダール・ハーシュマン指数(HHI)
上位企業の市場シェアの2乗を合計した市場集中度の指標。シェアの合計であるN社集中度と異なり、上位企業同士の合併による集中度の上昇を反映できる。

LM2 Understanding Business Cycles(景気循環の理解)

この単元の要点解説:LM2 景気循環の理解
Business Cycle
景気循環
経済の広い範囲にわたって、拡大と縮小が繰り返し起こる現象。回復・拡大・減速・後退の4つの局面に分けて捉える。
Growth Cycle
成長循環
実質GDPなどの経済活動の水準ではなく、長期の潜在成長(トレンド)からの乖離に着目して捉える景気循環。水準に着目する古典的循環と区別される。
Output Gap
産出ギャップ
実際の産出量と潜在産出量の差。実際の産出が潜在を上回れば正、下回れば負となり、景気の局面を判断する手がかりになる。
Credit Cycle
信用サイクル
信用の利用可能性と貸出条件が、緩和と引き締めを繰り返す循環。資産価格や担保価値と連動して景気循環を増幅し、景気循環より長く深い傾向がある。
Inventory-to-Sales Ratio
在庫・売上比率
売上高に対する在庫の比率。景気の転換点で在庫が意図せず積み上がったり減ったりするため、在庫循環を通じて景気の局面を示すシグナルとなる。
Leading Economic Indicator
先行指標
景気全体より先に転換する傾向がある経済指標。新規失業保険申請件数や住宅着工許可件数などがあり、景気の先行きを見通すのに使う。
Coincident Economic Indicator
一致指標
景気全体とほぼ同時に転換する経済指標。鉱工業生産などがあり、経済が現在どの局面にあるかを確認するのに使う。
Lagging Economic Indicator
遅行指標
景気全体より遅れて転換する経済指標。失業期間の平均などがあり、景気の転換がすでに起きたことを確認するのに使う。
Diffusion Index
ディフュージョン・インデックス
複数の構成指標のうち、上昇(改善)している指標の割合を示す指数。景気の変化がどの程度広く経済全体に及んでいるかを測る。

LM3 Fiscal Policy(財政政策)

この単元の要点解説:LM3 財政政策
Automatic Stabilizers
自動安定化装置(ビルトイン・スタビライザー)
累進課税や失業給付のように、政策の変更を必要とせず景気の変動に応じて自動的に働き、総需要の変動を和らげる財政の仕組み。
Discretionary Fiscal Policy
裁量的財政政策
景気対策などの目的で、政府が意図的に税や支出を変更する財政政策。自動安定化装置と異なり、決定と実施に時間がかかる。
Crowding Out
クラウディング・アウト
政府が借入を増やして支出を拡大すると金利が上昇し、民間の投資や消費が押し下げられる現象。財政政策の効果を弱める要因となる。
Ricardian Equivalence
リカードの等価定理
減税などで政府債務が増えても、家計が将来の増税を予想して貯蓄を増やすため、民間支出が変わらず政策の効果が相殺されるという考え方。
Fiscal Multiplier
財政乗数
政府支出の変化が最終的に総所得をその何倍変化させるかを示す倍率。限界消費性向をc、税率をtとして1÷[1−c(1−t)]で表される。
Balanced Budget Multiplier
均衡予算乗数
政府支出を増やし、同額を増税で賄った場合の総所得への効果を示す乗数。支出増の効果が増税の効果を上回るため、プラスとなる。
Structural Budget Deficit
構造的財政赤字(景気調整後財政赤字)
経済が完全雇用の水準にあると仮定した場合の財政赤字。景気による税収や給付の変動を除くため、財政スタンスが拡張的か緊縮的かの判断に用いる。
Transfer Payments
移転支出
年金や失業給付のように、財・サービスの対価ではなく政府が家計などに支払う給付。所得の再分配の役割を担う。
Indirect Taxes
間接税
付加価値税・消費税・たばこ税のように、財・サービスの消費に課される税。所得や資産に課す直接税と比べ、税率の変更を短期間で反映できる。
Fiscal Policy Lags
財政政策のラグ
財政政策の実施に伴う時間的な遅れ。対策の必要性に気づくまでの認知ラグ、決定・実行までの実行ラグ、経済に効果が表れるまでの効果ラグがある。

LM4 Monetary Policy(金融政策)

この単元の要点解説:LM4 金融政策
Lender of Last Resort
最後の貸し手
資金繰りに困った銀行に中央銀行が流動性を供給する役割。預金の取り付けや金融システム全体の混乱を防ぐことを目的とする。
Open Market Operations
公開市場操作
中央銀行が国債などの証券を売買して、銀行の準備預金の量を増減させる金融政策の手段。買い入れは資金供給、売却は資金吸収となる。
Policy Rate
政策金利
中央銀行が金融政策の目標として設定する短期金利。レポ取引などを通じて誘導され、市場金利・資産価格・為替レートに波及する。
Monetary Transmission Mechanism
金融政策の波及メカニズム
政策金利の変更が、市場金利・資産価格・期待・為替レートを通じて国内需要と純輸出に影響し、最終的にインフレと成長に及ぶ経路。
Central Bank Independence
中央銀行の独立性
中央銀行が政府からの政治的圧力を受けずに金融政策を決定できること。政策の運営手段を自ら決める運営上の独立性と、目標を自ら設定する目標設定上の独立性がある。
Inflation Targeting
インフレ・ターゲティング
中央銀行が目標インフレ率と許容幅を公表し、その達成を目指して金融政策を運営する枠組み。独立性・信認・透明性が成功の条件となる。
Exchange Rate Targeting
為替レート・ターゲティング
自国通貨を主要通貨に対して一定の水準に保つことを目標とする金融政策の運営。国内の金利や貨幣供給は為替レートの維持に従属する。
Neutral Interest Rate
中立金利
経済を刺激も抑制もしない政策金利の水準。トレンド成長率+インフレ目標で表され、政策金利がこれを上回れば緊縮的、下回れば拡張的と判断する。
Liquidity Trap
流動性の罠
金利がゼロ付近まで低下し、中央銀行が貨幣供給を増やしても人々が現金を保有し続けるため、金融緩和が需要を刺激できなくなる状態。
Quantitative Easing (QE)
量的緩和(QE)
政策金利を下げる余地がないときに、中央銀行が国債などの資産を大規模に買い入れて資金を供給する非伝統的な金融政策。

LM5 Introduction to Geopolitics(地政学入門)

この単元の要点解説:LM5 地政学入門
Soft Power
ソフトパワー
軍事力や経済的な強制ではなく、文化・価値観・政策の魅力によって他国の行動に影響を与える力。国家間の協調の度合いを左右する要因の一つ。
Autarky
アウタルキー(自給自足)
非協調的でナショナリズムを重視する国の行動類型。国内で必要な財・サービスを自給し、外国との貿易や資本の交流を最小限に抑える。
Hegemony
覇権主義
非協調的でありながらグローバル化を志向する国の行動類型。自国の影響力を用いて地域や世界に対する支配力を行使しようとする。
Bilateralism
二国間主義
協調的だがナショナリズムを重視する国の行動類型。多国間の枠組みではなく、特定の国との個別の協定を通じて関係を築く。
Multilateralism
多国間主義
協調的でグローバル化を志向する国の行動類型。多くの国が参加する枠組みやルールを通じて、貿易や政策の協調を進める。
International Monetary Fund (IMF)
国際通貨基金(IMF)
国際通貨システムの安定を目的とする国際機関。為替や国際決済の安定を図り、加盟国の経済を監視し、国際収支危機に陥った国に融資を行う。
World Bank
世界銀行
途上国の貧困削減と持続可能な成長を目的とする国際機関。長期の融資や技術支援を通じて、インフラ整備などの開発を支援する。
World Trade Organization (WTO)
世界貿易機関(WTO)
多国間貿易体制の法的・制度的な基盤を担う国際機関。貿易ルールの策定と運用、加盟国間の貿易紛争の解決を行う。
Geopolitical Risk
地政学リスク
国家などのアクター間の緊張や行動が、平和な国際関係を損なうリスク。イベント・リスク、外生的リスク、テーマ型リスクの3種類に分けられる。
Velocity of Geopolitical Risk
地政学リスクのベロシティ(影響の速さ)
地政学リスクが市場や経済に影響を及ぼす速さ。高ければ短期的な市場の急変として、低ければ長期にわたる事業環境や資本コストへの影響として表れる。

LM6 International Trade(国際貿易)

この単元の要点解説:LM6 国際貿易
Comparative Advantage
比較優位
ある財を他国より相対的に低い機会費用で生産できること。各国が比較優位のある財に特化して交換することで、双方が貿易から利益を得られる。
Heckscher–Ohlin Model
ヘクシャー=オリーン・モデル
各国の労働や資本などの生産要素の賦存量の違いが比較優位の源泉であるとする貿易理論。豊富な生産要素を集約的に使う財を輸出するとする。
Tariff
関税
輸入品に課される税。国内価格を押し上げて国内生産を増やし輸入を減らすが、消費者余剰の減少が生産者余剰と関税収入の増加を上回り、死荷重が生じる。
Import Quota
輸入割当
一定期間に輸入できる数量に上限を設ける貿易制限。国内価格が上昇し、それにより生じる割当レントは輸入ライセンスの保有者に帰属する。
Voluntary Export Restraint (VER)
輸出自主規制(VER)
輸出国が自らの輸出量を制限する貿易制限。輸入国側の国内価格は上昇し、それによるレントは外国の輸出業者に帰属する。
Export Subsidy
輸出補助金
政府が輸出1単位ごとに輸出業者へ支払う補助金。輸出が増える一方で国内価格が上昇し、補助金は政府が負担する。
Free Trade Area
自由貿易地域
加盟国間の関税などの貿易障壁を撤廃する地域貿易協定。域外の国に対する貿易政策は各加盟国が独自に決める点で関税同盟と異なる。
Customs Union
関税同盟
加盟国間の貿易障壁を撤廃したうえで、域外の国に対して共通の関税などの貿易政策を採る地域貿易協定。自由貿易地域より統合が一段深い。
Common Market
共同市場
関税同盟に加えて、労働や資本などの生産要素の加盟国間での自由な移動を認める地域統合。さらに経済制度・政策の協調まで進めたものが経済同盟である。
Trade Diversion
貿易転換
地域貿易圏の形成により、域外の低コストの輸入が域内の高コストの輸入に置き換わる効果。域内の輸入が高コストの国内生産を置き換える貿易創出と対になる。

LM7 Capital Flows and the FX Market(資本フローと為替市場)

この単元の要点解説:LM7 資本フローと為替市場
Base Currency
基準通貨
為替レートの表記で、1単位あたりの価値が表示される側の通貨。A/Bの表記ではBが基準通貨にあたり、その1単位を買うのに必要な通貨Aの量を示す。
Price Currency
価格通貨
為替レートの表記で、基準通貨1単位の価格を表すのに使われる側の通貨。A/Bの表記ではAが価格通貨にあたる。
Real Exchange Rate
実質為替レート
名目為替レートを自国と外国の物価水準で調整したレート。両国の財の相対的な価格、すなわち相対的な購買力を表す。
Dollarization
ドル化
自国独自の法定通貨を持たず、米ドルなど他国の通貨を法定通貨として使用する為替制度。自国の独立した金融政策は放棄することになる。
Currency Board Arrangement
カレンシー・ボード制
自国通貨を特定の外貨に固定レートで交換することを法的に約束し、発行する自国通貨を外貨準備で全額裏付ける為替制度。
Crawling Peg
クローリング・ペッグ
固定相場の基準レートを、自国と相手国のインフレ率の差などに応じて小刻みかつ定期的に調整していく為替制度。
Managed Floating Exchange Rate
管理変動相場制
為替レートを基本的に市場に委ねつつ、明示的な目標水準を定めずに当局が介入して変動をある程度管理する為替制度。
Capital Restrictions
資本規制
政府が国境を越える資本の流入・流出を制限する措置。危機時の資本逃避の防止、固定為替レートの維持、戦略的産業の保護などを目的とする。

LM8 Exchange Rate Calculations(為替レートの計算)

この単元の要点解説:LM8 為替レートの計算
Cross Rate
クロスレート
市場で直接提示されていない2通貨間の為替レート。米ドルなど共通の第3通貨に対する2つの提示レートを掛け合わせて求める。
Triangular Arbitrage
三角裁定
3つの通貨間の為替レートに不整合があるとき、それらを順に交換して無リスクの利益を得る取引。提示されたクロスレートと計算値の乖離が機会となる。
Forward Exchange Rate
フォワード為替レート
将来の特定の日に通貨を交換するために、現時点で取り決める為替レート。スポット・レートと両通貨の金利差、契約期間によって決まる。
Forward Points
フォワード・ポイント(スワップ・ポイント)
フォワード・レートとスポット・レートの差を、通常は小数点第4位を1単位として表したもの。スポット・レートに加減してフォワード・レートを求める。
Covered Interest Rate Parity
カバー付き金利平価
為替リスクをフォワードでヘッジした場合、どちらの通貨で運用しても同じリターンになるという無裁定条件。フォワード・レートと金利差の関係を規定する。
Forward Premium
フォワード・プレミアム
基準通貨のフォワード・レートがスポット・レートを上回っている状態。基準通貨の金利が価格通貨の金利より低いときに生じる。
Forward Discount
フォワード・ディスカウント
基準通貨のフォワード・レートがスポット・レートを下回っている状態。基準通貨の金利が価格通貨の金利より高いときに生じる。

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