主要国の株式市場とは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト1次・株式分析
ひとことで言うと
- 世界の主な株式市場には、米国(ニューヨーク証券取引所・ナスダック)、英国(ロンドン証券取引所)、欧州大陸(ドイツ取引所・ユーロネクスト)、アジア(中国・香港など)があります。
- 国ごとに代表的な株価指数、市場を監督する当局、売買や決済の仕組みに特徴があります。
- 試験では「どの国の、どんな市場・指数・当局か」という基本的な組み合わせを押さえることが大切です。
この記事では、証券アナリスト1次・科目Ⅰ「株式分析」の学習ポイントのひとつ「主要国の株式市場」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 1次 科目Ⅰ/株式分析 |
|---|---|
| 大分類 | (1) 資本市場の仕組みと株式投資 |
| 協会の学習ポイント | 主要国の株式市場や制度に関する基礎的な知識について理解する。 |
主要国の株式市場とは
株式投資は日本国内だけで完結するものではありません。年金基金や投資信託の多くは海外株式にも投資していますし、アナリストが企業を分析するときにも海外の同業他社との比較が欠かせません。そこで、主要国の株式市場の「顔ぶれ」と制度の基本を押さえておくことが大切になります。
米国:世界最大の株式市場
米国には、伝統的な大型株が多く上場するニューヨーク証券取引所(NYSE)と、ハイテク企業が多く上場するナスダック(Nasdaq)という2大市場があります。ナスダックは、もともとディーラー(マーケットメイカー)が気配値を提示するクォートドリブン型の市場として発展した点も特徴です。代表的な指数には、時価総額加重型のS&P500、株価平均型のダウ工業株30種平均(NYダウ)、ナスダック総合指数があります。市場を監督するのはSEC(証券取引委員会)で、1933年証券法と1934年証券取引所法が証券規制の基本となっています。
英国・欧州大陸
英国の中心はロンドン証券取引所(LSE)で、代表的な指数はFTSE100です。欧州大陸では、ドイツのドイツ取引所(フランクフルト)と代表指数DAX、フランスなど複数国の取引所を統合したユーロネクストと、パリ市場の代表指数CAC40が知られています。欧州では、EU全体で共通の金融規制の枠組みを整えつつ、各国の当局が監督するという重層的な仕組みになっています。
アジア
中国本土には上海証券取引所と深セン証券取引所があり、海外投資家の参加には制限がある一方で、相互接続の仕組みなどを通じて段階的に開放が進められてきました。香港証券取引所は中国企業の上場先としても重要で、代表的な指数はハンセン指数です。
整理しておきたいポイント
| 国・地域 | 主な取引所 | 代表的な株価指数 |
|---|---|---|
| 米国 | ニューヨーク証券取引所、ナスダック | S&P500、NYダウ、ナスダック総合指数 |
| 英国 | ロンドン証券取引所 | FTSE100 |
| ドイツ | ドイツ取引所(フランクフルト) | DAX |
| フランスほか | ユーロネクスト | CAC40(パリ) |
| 中国・香港 | 上海・深セン証券取引所、香港証券取引所 | 上海総合指数、ハンセン指数 |
| 日本 | 東京証券取引所など | TOPIX、日経平均株価 |
このほか、複数の国をまとめて投資するときの物差しとして、MSCIやFTSEなどの指数会社が算出する世界株式指数・先進国株式指数・新興国株式指数がよく使われます。
具体例で確認
日本の投資家が米国株を買う場面を考えてみましょう。
- 米国企業の株式は、主にNYSEやナスダックで売買されます。売買はドル建てなので、円で見たリターンには為替の変動も加わります。
- 米国の上場企業は、SECに年次報告書(Form 10-K)や四半期報告書(Form 10-Q)を提出するなど、米国のルールで情報開示を行います。
- 受渡しの期間も国によって異なります。米国では2024年に、約定日の翌営業日に受渡しを行う仕組み(T+1)へ短縮されました。一方、日本の株式は約定日から起算して3営業日目(T+2)の受渡しです。
同じ「株式を買う」という行為でも、国によって市場の仕組みや制度が違うことがわかります。
動画で解説
この論点は、証券アナリストアカデミーのYouTubeで解説しています。テキストとあわせて確認してください(動画「海外の主要な株式市場と制度の基礎知識」)。
試験で問われやすいポイント
- 国名・取引所・代表的な株価指数の組み合わせ(例:FTSE100は英国、DAXはドイツ、CAC40はフランス)は混同しやすいポイントです。
- S&P500が時価総額加重型、NYダウが株価平均型という算出方法の違いが問われやすいです。
- ナスダックがマーケットメイカーを中心とするクォートドリブン型として発展したことなど、価格形成の方式と結びつけた問いにも注意しましょう。
- 米国の証券規制当局がSECであることなど、市場を監督する機関の名前も狙われやすいです。
- 海外株式投資では、株価の変動に加えて為替の変動がリターンに影響する点も押さえておきましょう。
要点まとめ
- 米国はNYSEとナスダックの2大市場、監督当局はSEC
- 英国はLSE(FTSE100)、ドイツはDAX、フランスはCAC40
- 中国は上海・深セン、香港はハンセン指数
- 国ごとに指数の算出方法や決済・開示の制度が異なる
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
