微分の定義と接線の傾きとは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト1次・数量分析と確率・統計
ひとことで言うと
- 微分とは、xをごくわずかに動かしたときにyがどれだけ変化するか、という変化の割合の極限です。
- グラフ上では、その点における接線の傾きを表します。
- 表記はf′(x)やdy/dxなどがあり、ファイナンスでは「金利が少し動いたときの価格の感応度」を表す道具として使われます。
この記事では、証券アナリスト1次「数量分析と確率・統計」の学習ポイントのひとつ「微分の定義と曲線の傾き」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 1次 科目Ⅲ/数量分析と確率・統計 |
|---|---|
| 大分類 | (8) 微分の基礎 |
| 協会の学習ポイント | 微分の定義と表記の仕方、曲線の傾きとの関係について理解する。 |
微分の定義と接線の傾きとは
関数y=f(x)で、xがaからa+hまで動いたとき、yの変化量をxの変化量で割った値{f(a+h)-f(a)}÷hを平均変化率といいます。グラフでいえば、2点を結んだ直線(割線)の傾きです。
このhを限りなく0に近づけたときの平均変化率の行き先(極限)を、x=aにおける微分係数といい、f′(a)と書きます。2点がどんどん近づくので、割線はやがてその点で曲線に接する接線になります。つまり微分係数は「その点での接線の傾き」=「その瞬間の変化の速さ」です。
各点xに対して微分係数f′(x)を対応させた関数を導関数といい、導関数を求めることを「微分する」といいます。
表記の仕方
導関数はf′(x)、y′、dy/dx、df(x)/dxなどと書きます。dy/dxは「yをxで微分したもの」という意味の記号で、分数そのものではありませんが、「xの小さな変化に対するyの小さな変化の比」というイメージで読むとわかりやすくなります。
傾きの符号が示すこと
f′(x)>0ならその点で関数は増加しており、f′(x)<0なら減少しています。f′(x)=0の点は接線が水平になる点で、山の頂上(極大)や谷の底(極小)の候補になります。この性質は、後で学ぶ最適化で重要な役割を果たします。
押さえておきたい公式
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| f′(x)、y′ | 導関数(ラグランジュ流の表記) |
| dy/dx、df/dx | 導関数(ライプニッツ流の表記) |
| limh→0 | hを限りなく0に近づけたときの極限 |
| Δx、Δy | xやyの有限の変化量 |
具体例で確認
f(x)=x2のx=3における微分係数を、定義どおりに求めてみます。
- h=0.1のとき:(3.12 - 9) ÷ 0.1 = 0.61 ÷ 0.1 = 6.1
- h=0.01のとき:(3.012 - 9) ÷ 0.01 = 0.0601 ÷ 0.01 = 6.01
- 一般に {(3+h)2 - 9} ÷ h = (6h + h2) ÷ h = 6 + h なので、h→0でf′(3)=6
hを小さくするほど平均変化率が6に近づくことがわかります。接線の式はy=6(x-3)+9=6x-9です。
ファイナンスでは、債券価格Pを利回りyの関数と見たときのdP/dy(利回りが少し動いたときの価格の変化)が、デュレーションの考え方の土台になります。
動画で解説
この論点は、証券アナリストアカデミーのYouTubeで解説しています。テキストとあわせて確認してください(動画「微分の定義と表記の仕方、曲線の傾きとの関係について理解する」)。
試験で問われやすいポイント
- 微分係数は平均変化率のh→0の極限であり、グラフ上では接線の傾きを表す、という定義が問われやすいです。
- 平均変化率(割線の傾き)と微分係数(接線の傾き)の取り違えに注意しましょう。
- f′(x)、dy/dxなどの表記の意味を読み取れるようにしておきましょう。
- f′(x)の符号と関数の増減の関係、f′(x)=0が極値の候補になる点がよく使われます。
- 定義式に当てはめて簡単な関数の微分係数を計算させる問題にも備えましょう。
要点まとめ
- 微分係数=平均変化率の極限=接線の傾き
- 導関数はf′(x)やdy/dxと表記する
- f′>0で増加、f′<0で減少、f′=0は極値の候補
- ファイナンスでは価格の感応度(デュレーションなど)の土台になる
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
