代表的な関数の微分とは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト1次・数量分析と確率・統計
ひとことで言うと
- xnの微分はnxn-1、定数の微分は0です。
- 指数関数exは微分してもexのまま、自然対数log xの微分は1/xです。
- これらは連続複利、対数リターン、債券価格の感応度などの計算で繰り返し使われます。
この記事では、証券アナリスト1次「数量分析と確率・統計」の学習ポイントのひとつ「代表的な関数の微分」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 1次 科目Ⅲ/数量分析と確率・統計 |
|---|---|
| 大分類 | (8) 微分の基礎 |
| 協会の学習ポイント | 代表的な関数の微分形について理解する。 |
代表的な関数の微分とは
微分の定義に毎回当てはめて計算するのは大変なので、よく使う関数については「微分するとこうなる」という形(導関数)を覚えておくのが実用的です。証券アナリスト試験の数量分析で登場するのは、主にべき関数・指数関数・対数関数です。
べき関数と定数
xnを微分すると、指数nが前に出て、指数が1つ減ったnxn-1になります。nは正の整数だけでなく、負の数や分数でも成り立ちます。たとえば1/x=x-1の微分は-x-2、√x=x1/2の微分は(1/2)x-1/2です。定数cは変化しないので、微分すると0になります。
指数関数
ネイピア数e(≒2.71828)を底とする指数関数exは、微分しても形が変わらないという特別な性質を持ちます。eaxなら微分するとaeaxです。一般の底aの場合はaxの微分がaxlog aとなり、log a(自然対数)が掛かります。
対数関数
自然対数log x(ln xとも書きます)の微分は1/xです。対数の微分は「変化率」と深く関係しており、log P の変化は価格Pの変化率にほぼ等しくなります。これが、ファイナンスで対数リターンがよく使われる理由のひとつです。
押さえておきたい公式
| 関数 | 導関数 |
|---|---|
| 5(定数) | 0 |
| x3 | 3x2 |
| 1/x | -1/x2 |
| √x | 1/(2√x) |
| e0.05x | 0.05e0.05x |
| log x | 1/x |
具体例で確認
例1:多項式の微分
f(x)=3x4-2x+7を微分すると、各項を別々に微分して f′(x)=12x3-2 となります(定数7は0)。x=1での傾きは12-2=10です。
例2:連続複利
100万円を年率5%の連続複利で運用すると、t年後の金額はV(t)=100e0.05t(万円)です。微分するとV′(t)=5e0.05t=0.05×V(t)となり、「その時点の残高の5%の速さで増え続ける」ことがわかります。t=0では年あたり5万円のペースです。
例3:対数関数
f(x)=log xのx=2での傾きは1/2=0.5です。xが大きくなるほど傾きは小さくなり、対数関数が「ゆるやかに増える」関数であることが確認できます。
動画で解説
この論点は、証券アナリストアカデミーのYouTubeで解説しています。テキストとあわせて確認してください(動画「代表的な関数の微分形について理解する」)。
試験で問われやすいポイント
- (xn)′=nxn-1を、負の指数や分数の指数(1/x、√xなど)にも適用できるかが問われやすいです。
- (ex)′=ex、(log x)′=1/xは基本中の基本として確実に覚えましょう。
- eaxを微分すると係数aが前に出る点、底がeでないaxではlog aが掛かる点は混同しやすいので注意しましょう。
- 定数の微分が0になることを忘れて、定数項を残してしまうミスに注意しましょう。
- 連続複利や対数リターンなど、ファイナンスの式と結びつけた出題にも備えましょう。
要点まとめ
- (xn)′=nxn-1、定数の微分は0
- (ex)′=ex、(eax)′=aeax
- (log x)′=1/x
- 連続複利・対数リターンの計算で頻繁に使う
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
