金利の決定要因とは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト1次・数量分析と確率・統計
ひとことで言うと
- 金利の水準は、実質金利と予想インフレ率を土台に、期間や信用リスクなどに対する上乗せ(プレミアム)が加わって決まります。
- 名目金利・実質金利・予想インフレ率の関係はフィッシャー方程式で表されます。
- 同じ時点でも、期間が長い・信用力が低い・換金しにくい金融商品ほど、一般に金利は高くなります。
この記事では、証券アナリスト1次「数量分析と確率・統計」の学習ポイントのひとつ「金利水準の決定要因」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 1次 科目Ⅲ/数量分析と確率・統計 |
|---|---|
| 大分類 | (1) お金の時間価値 |
| 協会の学習ポイント | 金利水準の決定要因について理解する。 |
金利の決定要因とは
世の中にはさまざまな金利があります。預金金利、国債の利回り、社債の利回り、住宅ローン金利などです。これらの金利の高さは、いくつかの要素の組み合わせとして理解すると整理しやすくなります。
土台になるのは「実質金利」
実質金利は、物価の変動を取り除いた「本当の意味でのお金の使用料」です。人々が今の消費をどれだけ重視するか(時間選好)、企業の投資意欲などによる資金の需要と供給、経済の成長力などによって決まると考えられます。
予想インフレ率が上乗せされて「名目金利」になる
私たちが目にする金利は、物価変動を含んだ名目金利です。貸し手は、返ってくるお金の購買力がインフレで目減りすることを見込んで、その分を金利に上乗せしようとします。そのため、名目金利はおおむね「実質金利+予想インフレ率」になります。この関係をフィッシャー方程式といいます。ここで使うのは実際のインフレ率ではなく、予想(期待)インフレ率である点に注意しましょう。
さまざまなプレミアム
- 期間(ターム)プレミアム:長い期間お金を固定することへの見返り。一般に長期金利は短期金利より高くなりやすいとされます。
- 信用リスク(デフォルト)プレミアム:借り手が返済できなくなるリスクへの見返り。国債より社債、格付けの高い社債より低い社債の利回りが高くなります。
- 流動性プレミアム:売りたいときにすぐ適正な価格で売れないリスクへの見返り。
このほか、中央銀行の金融政策は短期金利に直接影響し、将来の政策金利の予想を通じて長期金利にも影響します。
押さえておきたい公式
具体例で確認
実質金利が1%、予想インフレ率が2%の場合の名目金利を考えます。
- 近似式:1% + 2% = 3%
- 厳密な式:1.01 × 1.02 − 1 = 0.0302 → 3.02%
差の0.02%は「実質金利×インフレ率」の部分で、金利やインフレ率が小さいときはほとんど無視できます。
さらに、同じ期間の国債利回りが3%で、ある事業会社の社債の信用スプレッドが0.8%なら、その社債の利回りはおよそ3.8%になります。会社の業績が悪化して信用スプレッドが広がれば、社債の利回りは上がり、価格は下がります。
動画で解説
この論点は、証券アナリストアカデミーのYouTubeで解説しています。テキストとあわせて確認してください(動画「ファイナンスにおける金利の意義と金利水準の決定要因を理解する」)。
試験で問われやすいポイント
- フィッシャー方程式を使って、名目金利・実質金利・予想インフレ率のどれか1つを求める計算が問われやすいです。
- 名目金利に含まれるのは実績のインフレ率ではなく予想インフレ率である点がひっかけになりやすいです。
- 近似式と厳密な式のどちらで計算するよう指示されているかを確認しましょう。
- 信用力が低い・期間が長い・流動性が低いほど金利が高くなるという方向の関係を押さえましょう。
要点まとめ
- 金利=実質金利+予想インフレ率+各種プレミアム、と分解して考える
- フィッシャー方程式:(1+名目)=(1+実質)×(1+予想インフレ率)
- 期間・信用リスク・流動性の違いが金利差を生む
- 金融政策は短期金利と、将来の予想を通じて長期金利に影響する
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
