通貨指標(M1・M2・M3)とは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト1次・市場と経済の分析
ひとことで言うと
- マネー(通貨)とは、支払い手段や価値の保存手段として使える資産のことで、経済全体に出回るマネーの量をマネーストックといいます。
- 日本銀行のマネーストック統計では、範囲の狭い順にM1・M3(およびM2)・広義流動性という通貨指標が作成されています。
- M1は現金通貨+預金通貨、M3はそれに定期預金などの準通貨とCDを加えたものです。
この記事では、証券アナリスト1次「市場と経済の分析」の学習ポイントのひとつ「マネーと通貨指標の定義」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 1次 科目Ⅲ/市場と経済の分析 |
|---|---|
| 大分類 | (5) 金融・資本市場とマネー |
| 協会の学習ポイント | マネーや通貨指標の定義について説明できる。 |
マネーと通貨指標とは
貨幣(マネー)には、交換手段(支払いに使える)、価値尺度(価格を表す単位になる)、価値保存手段(価値を将来に持ち越せる)という3つの機能があります。現金だけでなく、普通預金のようにすぐに支払いに使える預金もマネーとして働きます。
どこまでをマネーとして数えるかは、資産の流動性(どれだけすぐに支払いに使えるか)によって段階的に決められます。日本銀行はこれをマネーストック統計として毎月公表しています。
通貨保有主体
マネーストックは、一般法人・個人・地方公共団体など(通貨保有主体)が持つ通貨の量です。金融機関と中央政府が保有する分は含まれません。お金を生み出す側(金融機関)や政府の保有分を除き、民間の経済活動に使えるお金の量を測るためです。
主な通貨指標
- M1:現金通貨(日本銀行券と貨幣)+預金通貨(普通預金・当座預金などの要求払預金)。最も支払いに使いやすいマネーです。
- M3:M1+準通貨(定期預金・外貨預金など)+CD(譲渡性預金)。ゆうちょ銀行などを含む全預金取扱機関が対象です。
- M2:対象金融機関を国内銀行などに限った指標で、構成はM3とほぼ同じですが、ゆうちょ銀行などの預金を含みません。
- 広義流動性:M3に投資信託、金銭の信託、国債、金融債、CP(金融機関発行)など、預金以外の金融資産を加えた最も広い指標です。
整理しておきたいポイント
| 指標 | 構成 | 特徴 |
|---|---|---|
| M1 | 現金通貨+預金通貨 | 決済にすぐ使えるマネー |
| M2 | 現金通貨+国内銀行等の預金(準通貨・CDを含む) | ゆうちょ銀行などを含まない |
| M3 | M1+準通貨+CD(全預金取扱機関) | 代表的な通貨指標 |
| 広義流動性 | M3+投資信託・国債・金銭の信託など | 最も範囲が広い |
具体例で確認
ある個人が、普通預金100万円を同じ銀行の定期預金に預け替えたとします。
- 普通預金(預金通貨)が100万円減るので、M1は100万円減少します。
- 定期預金(準通貨)が100万円増えるので、M3は変わりません(M1の減少と準通貨の増加が相殺)。
- 一方、定期預金を解約して投資信託を買った場合は、M3は減りますが、広義流動性は変わりません。
また、銀行が自分の手元に持っている現金は、金融機関の保有分なのでマネーストックには含まれません。
試験で問われやすいポイント
- M1・M2・M3・広義流動性の構成要素と範囲の違いが問われやすいです。
- 通貨保有主体から金融機関と中央政府が除かれる点がひっかけとして狙われやすいです。
- 預金の預け替えや投資信託の購入で、どの指標が増減するかを判断させる問題に慣れておきましょう。
- M2とM3の違いは主に対象金融機関の範囲(ゆうちょ銀行などを含むかどうか)である点を押さえましょう。
- 貨幣の3つの機能(交換手段・価値尺度・価値保存手段)も確認しておきましょう。
要点まとめ
- マネーストック=金融機関・中央政府以外が保有する通貨の量
- M1=現金通貨+預金通貨
- M3=M1+準通貨+CD、M2は対象機関を国内銀行等に限定
- 広義流動性=M3+投資信託・国債などの金融資産
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
