代表値とは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト1次・数量分析と確率・統計
ひとことで言うと
- 代表値とは、データ全体の「中心」や「典型的な値」を1つの数字で表したものです。
- 主な代表値は、算術平均(平均値)・中央値(メディアン)・最頻値(モード)、そしてリターンの計算で重要な幾何平均です。
- 外れ値の影響を受けやすいかどうか、何を平均したいかによって使い分けます。
この記事では、証券アナリスト1次「数量分析と確率・統計」の学習ポイントのひとつ「代表値の計算」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 1次 科目Ⅲ/数量分析と確率・統計 |
|---|---|
| 大分類 | (3) 統計の基礎 |
| 協会の学習ポイント | 統計量の基礎を理解しデータの代表値の計算ができる。 |
代表値とは
たくさんのデータを見るとき、まず知りたいのは「だいたいどのあたりの値が多いのか」です。これを1つの数字で表したものが代表値です。代表値にはいくつかの種類があり、データの形によって向き不向きがあります。
算術平均(平均値)
すべてのデータを足してデータ数で割った値です。最も一般的な代表値ですが、極端に大きい(小さい)値、つまり外れ値の影響を強く受けるという弱点があります。各データに重みを付けて平均したものを加重平均といい、ポートフォリオの期待リターン(各資産のリターンを投資比率で加重平均)などで使います。
中央値(メディアン)と最頻値(モード)
中央値は、データを小さい順に並べたときにちょうど真ん中にくる値です。データ数が偶数なら真ん中の2つの平均をとります。外れ値の影響を受けにくいのが特徴です。最頻値は、最も多く現れる値(度数分布なら度数が最大の階級の値)です。
分布が左右対称なら3つはほぼ一致しますが、右に裾が長い分布(所得分布など)では、一般に平均値>中央値>最頻値となります。
幾何平均
複数期間のリターンを平均するときは、各期の(1+R)を掛け合わせてn乗根をとり、1を引く幾何平均を使います。これは「毎期同じ率で成長したとすると何%か」という年平均成長率を表します。幾何平均は算術平均以下になり、リターンのばらつきが大きいほど両者の差は広がります。
押さえておきたい公式
具体例で確認
例1:外れ値がある場合
データ {1, 2, 2, 3, 12} の代表値を求めます。
- 算術平均:(1 + 2 + 2 + 3 + 12) ÷ 5 = 20 ÷ 5 = 4
- 中央値:並べたときの3番目 → 2
- 最頻値:2回現れる → 2
外れ値「12」に引っ張られて、平均値だけが大きくなっていることがわかります。
例2:リターンの平均
1年目+20%、2年目−10%の投資を考えます。
- 算術平均:(20% + (−10%)) ÷ 2 = 5%
- 幾何平均:√(1.20 × 0.90) − 1 = √1.08 − 1 ≒ 3.92%
100万円は2年後に108万円になっており、これは毎年3.92%で成長した場合と同じです。実際の資産の増え方を表しているのは幾何平均のほうです。
動画で解説
この論点は、証券アナリストアカデミーのYouTubeで解説しています。テキストとあわせて確認してください(動画「統計量の基礎を理解しデータの代表値を計算できる」)。
試験で問われやすいポイント
- 平均値・中央値・最頻値を実際に計算させる問題は基本問題として押さえましょう。
- データ数が偶数のときの中央値は真ん中2つの平均になる点に注意しましょう。
- 外れ値の影響を受けやすいのは平均値、受けにくいのは中央値という性質が問われやすいです。
- 複数期間のリターンでは幾何平均≦算術平均となり、実際の資産の成長率は幾何平均で表される点がよく狙われます。
- 右に裾の長い分布では平均値>中央値>最頻値となる関係も確認しておきましょう。
要点まとめ
- 代表値はデータの中心を1つの数字で表したもの
- 平均値は外れ値に弱く、中央値は外れ値に強い
- 複数期間のリターンの平均には幾何平均を使う
- 幾何平均は算術平均以下で、ばらつきが大きいほど差が広がる
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
