キーレート・デュレーションとは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト2次・債券分析
ひとことで言うと
- キーレート・デュレーションは、2年・5年・10年など特定の年限(キーレート)の金利だけが少し動いたときの、債券やポートフォリオの価格変化率を表す指標です。
- すべてのキーレート・デュレーションを合計すると、おおむね実効デュレーション(平行移動への感応度)に一致します。
- カーブが平行に動かない(スティープ化・フラット化など)ときのリスクを年限別に測れるのが特徴です。
この記事では、証券アナリスト2次「債券分析」の学習ポイントのひとつ「キーレート・デュレーション」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 2次 証券分析とポートフォリオ・マネジメント/債券分析 |
|---|---|
| 大分類 | (5) 金利変動モデルに基づく債券価格評価 |
| 協会の学習ポイント | キーレート・デュレーションとそのイールドカーブ変化に関するリスク計測について理解する。 |
キーレート・デュレーションとは
修正デュレーションや実効デュレーションは、イールドカーブ全体が同じ幅だけ動く「平行移動」を前提にしています。しかし実際のカーブは、短期だけが上がったり、長期だけが下がったりと、形を変えながら動きます。そこで、カーブ上にいくつかの代表的な年限(キーレート)を決め、それぞれを1つずつ動かしたときの価格感応度を測るのがキーレート・デュレーションです。
計算のしかた
ある年限(たとえば5年)の金利だけを小さな幅Δyだけ上げ下げし、その間の年限の金利は隣のキーレートとの間で直線的に(線形補間で)影響を受けるようにして、債券を評価し直します。上げたときと下げたときの価格差から、実効デュレーションと同じ形の式で求めます。キャッシュフローが特定の年限に集中する割引債は、ほぼその年限のキーレート・デュレーションだけを持ちます。
リスク計測への使い方
年限ごとの金利変化の予想やシナリオがあれば、それぞれのキーレート・デュレーションに金利変化を掛けて合計することで、平行移動でないカーブ変化による価格変化率を見積もれます。ポートフォリオとベンチマークのキーレート・デュレーションを比べれば、合計(デュレーション)が同じでも、どの年限にリスクが偏っているかがわかります。たとえばバーベル型とブレット型は、デュレーションが同じでもキーレート・デュレーションの分布が大きく違います。
押さえておきたい公式
具体例で確認
あるポートフォリオのキーレート・デュレーションが、2年0.8、5年2.0、10年3.5(合計6.3)だとします。
- 平行移動で全年限が+0.10%:ΔP÷P≒−6.3×0.10%=−0.63%
- 2年が+0.20%、5年が+0.10%、10年が−0.10%(フラット化):ΔP÷P≒−(0.8×0.20%+2.0×0.10%+3.5×(−0.10%))=−(0.16%+0.20%−0.35%)=−0.01%
2つ目のシナリオでは短中期の金利が上がっているのに、長期の金利低下の効果が大きいため、ポートフォリオの価値はほとんど変わりません。合計デュレーションだけではこうした違いは見えません。
試験で問われやすいポイント
- キーレート・デュレーションの合計が実効デュレーションにほぼ一致するという関係がよく問われます。
- 年限別の金利変化から価格変化率を合計する計算では、金利低下(マイナス)の年限の符号に注意しましょう。
- デュレーションが同じでもキーレート・デュレーションの分布が異なる(バーベル型とブレット型など)ことを使った比較問題に備えましょう。
- 記述式では、平行移動を前提とするデュレーションの限界と、キーレート・デュレーションで補える点を説明させる形が考えられます。
要点まとめ
- 特定の年限の金利だけが動いたときの価格感応度
- 合計すると実効デュレーションにほぼ一致する
- 非平行なカーブ変化による価格変化を年限別に見積もれる
- 同じデュレーションでもリスクの年限の偏りを比較できる
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
