相関係数とは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト1次・数量分析と確率・統計
ひとことで言うと
- 標本の相関係数は、2つの変数の直線的な関係の強さと向きを、−1から+1の数字で表したものです。
- 共分散 ÷(Xの標準偏差 × Yの標準偏差)で計算し、単位に左右されません。
- +1に近いほど強い正の相関、−1に近いほど強い負の相関、0に近いほど直線的な関係が弱いことを示します。
この記事では、証券アナリスト1次「数量分析と確率・統計」の学習ポイントのひとつ「標本の相関係数」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 1次 科目Ⅲ/数量分析と確率・統計 |
|---|---|
| 大分類 | (7) 回帰分析(単回帰) |
| 協会の学習ポイント | 標本の相関係数を計算できる。 |
標本の相関係数とは
2つの変数がどれだけ一緒に動くかを表す基本的な指標が共分散です。各データの「Xの平均からの偏差」と「Yの平均からの偏差」を掛けて平均したもので、両方が同時に平均より大きい(または小さい)ことが多ければプラス、逆方向に動くことが多ければマイナスになります。
ただし、共分散は変数の単位や大きさに左右されるため、「どのくらい強い関係か」を比べるのには向きません。そこで、共分散をそれぞれの標準偏差で割って基準化したものが相関係数です。こうすることで、値は必ず−1から+1の範囲に収まり、単位が違うデータ同士でも比べられます。
計算上の注意
標本の共分散と標本分散を計算するときは、どちらもn−1で割る(またはどちらもnで割る)ようにそろえれば、割り算の部分が打ち消し合い、相関係数は同じ値になります。実際の計算では、偏差の積の合計Sxyと、偏差の二乗和Sxx、Syyを使う形が便利です。
相関係数の限界
相関係数は直線的な関係しか測れません。また、外れ値の影響を受けやすく、相関があっても因果関係があるとは限りません。ポートフォリオ理論では、資産間の相関係数が低いほど分散投資によるリスク低減効果が大きくなるため、とても重要な指標です。
押さえておきたい公式
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| sxy | 標本共分散 = Sxy ÷ (n − 1) |
| sx、sy | X、Yの標本標準偏差 |
| Sxy | Σ(xi − x̄)(yi − ȳ)(偏差積和) |
| Sxx、Syy | Σ(xi − x̄)2、Σ(yi − ȳ)2(偏差平方和) |
具体例で確認
5期間のデータ(X, Y)=(1, 2)、(2, 4)、(3, 5)、(4, 4)、(5, 5)の相関係数を求めます。
- 平均:x̄ = 3、ȳ = 4
- 偏差:Xは−2, −1, 0, 1, 2、Yは−2, 0, 1, 0, 1
- 偏差積和:Sxy = 4 + 0 + 0 + 0 + 2 = 6
- 偏差平方和:Sxx = 4 + 1 + 0 + 1 + 4 = 10、Syy = 4 + 0 + 1 + 0 + 1 = 6
- 相関係数:r = 6 ÷ √(10 × 6) = 6 ÷ √60 ≒ 0.775
標本共分散(6÷4=1.5)と標本標準偏差(√2.5≒1.581、√1.5≒1.225)から計算しても、1.5÷(1.581×1.225)≒0.775と同じ値になります。かなり強い正の相関といえます。
動画で解説
この論点は、証券アナリストアカデミーのYouTubeで解説しています。テキストとあわせて確認してください(動画「散布図による標本の分析と標本の相関係数を理解する」)。
試験で問われやすいポイント
- 相関係数=共分散÷(標準偏差の積)という定義と、その計算手順が問われやすいです。
- 相関係数は−1以上+1以下で、単位に依存しない(データに正の数を掛けても値は変わらない)点を押さえましょう。
- 共分散と分散で割る数(nかn−1か)をそろえることを忘れると計算を誤ります。
- 相関係数0は「直線的な関係がない」ことを示すだけで、無関係とは限らない点が狙われやすいです。
- 共分散・標準偏差・相関係数のうち2つから残り1つを求める逆算問題にも備えておきましょう。
要点まとめ
- 相関係数=共分散÷(Xの標準偏差×Yの標準偏差)
- 値は−1から+1、単位に左右されない
- Sxy÷√(Sxx×Syy)で計算すると簡単
- 直線的な関係しか測れず、外れ値に弱い
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
