信頼区間と予測区間とは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト1次・数量分析と確率・統計
ひとことで言うと
- 信頼区間は、あるXのもとでのYの平均的な値(回帰直線上の値)がどの範囲にあるかを示す区間です。
- 予測区間は、あるXのもとで新しく観測される個々のYの値がどの範囲に入るかを示す区間です。
- 予測区間は、個々のデータが持つ誤差のばらつきも加わるため、信頼区間より必ず広くなります。
この記事では、証券アナリスト1次「数量分析と確率・統計」の学習ポイントのひとつ「信頼区間と予測区間」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 1次 科目Ⅲ/数量分析と確率・統計 |
|---|---|
| 大分類 | (7) 回帰分析(単回帰) |
| 協会の学習ポイント | 単回帰分析での信頼区間や予測区間について理解する。 |
信頼区間と予測区間とは
回帰直線Ŷ = â + b̂Xに、あるX0を代入すると予測値Ŷ0が1つ得られます。しかし、â やb̂は標本から推定した値なので誤差を含み、予測値にも不確かさがあります。その不確かさを幅で表したものが、信頼区間と予測区間です。
2つの区間の違い
信頼区間は、「X=X0のときのYの平均(真の回帰直線上の値a+bX0)」の区間推定です。不確かさの源は、切片と傾きの推定誤差だけです。
予測区間は、「X=X0のときに実際に観測される1つのYの値」の区間です。回帰直線の推定誤差に加えて、個々のデータが直線からずれる誤差項εのばらつきも含むため、その分だけ幅が広くなります。標本数をいくら増やしても、信頼区間は狭くなっていきますが、予測区間は誤差項のばらつきの分だけ幅が残ります。
X0の位置と区間の幅
どちらの区間も、X0がXの平均x̄に近いほど狭く、x̄から離れるほど広くなります。回帰直線は平均の点を通るため、平均付近では推定が安定し、端に行くほど傾きの推定誤差の影響が大きくなるからです。グラフにすると、区間の上限と下限は回帰直線の両側にラッパ状に広がる曲線になります。
押さえておきたい公式
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| Ŷ0 | X0における回帰直線の予測値 |
| s | 回帰の標準誤差 = √(SSE ÷ (n − 2)) |
| tα/2 | 自由度n−2のt分布の上側α/2点 |
| Sxx | Xの偏差平方和 |
具体例で確認
データ(X, Y)=(1, 2)、(2, 4)、(3, 5)、(4, 4)、(5, 5)から、回帰直線Ŷ = 2.2 + 0.6X、残差変動SSE = 2.4が得られています(n=5、x̄=3、Sxx=10)。X0=4での95%区間を求めます。
- 予測値:Ŷ0 = 2.2 + 0.6 × 4 = 4.6
- 回帰の標準誤差:s = √(2.4 ÷ 3) ≒ 0.894、自由度3のt分布の上側2.5%点:約3.182
- 信頼区間の半幅:3.182 × 0.894 × √(1/5 + 1/10) ≒ 1.56 → 約3.04〜6.16
- 予測区間の半幅:3.182 × 0.894 × √(1 + 1/5 + 1/10) ≒ 3.25 → 約1.35〜7.85
同じX0でも、予測区間は信頼区間の約2倍の幅になっていることがわかります(標本が小さいため、どちらもかなり広い区間です)。
動画で解説
この論点は、証券アナリストアカデミーのYouTubeで解説しています。テキストとあわせて確認してください(動画「単回帰分析・最小二乗法・信頼区間と予測区間を理解する」)。
試験で問われやすいポイント
- 信頼区間はYの平均的な値、予測区間は個々の観測値についての区間という違いが問われやすいです。
- 予測区間は誤差項のばらつきが加わるため、信頼区間より必ず広い点を押さえましょう。
- X0がx̄から離れるほど区間は広くなるという方向が狙われやすいです。
- 標本数nを増やすと信頼区間は狭くなるが、予測区間は一定以上は狭くならない点に注意しましょう。
- t分布の自由度はn−2で、母平均の区間推定(n−1)と取り違えないようにしましょう。
要点まとめ
- 信頼区間=Yの平均的な値の区間、予測区間=個々のYの値の区間
- 予測区間はルートの中に「1」が加わり、信頼区間より広い
- X0が平均から離れるほど、どちらの区間も広がる
- 単回帰ではt分布の自由度はn−2
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
