オプションの満期時損益とは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト1次・デリバティブ分析
ひとことで言うと
- 満期時のコールの価値(ペイオフ)は max(ST − K, 0)、プットの価値は max(K − ST, 0) です。
- 損益は、このペイオフから支払ったプレミアムを差し引いて求めます(売り手は符号が逆)。
- 買い・売り×コール・プットの4つの損益図を描けることが、オプション戦略を理解する土台になります。
この記事では、証券アナリスト1次「デリバティブ分析」の学習ポイントのひとつ「満期時の価値(損益)」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 1次 科目Ⅰ/デリバティブ分析 |
|---|---|
| 大分類 | (3) オプション取引の仕組みと評価 |
| 協会の学習ポイント | オプション(コールとプット)の満期時における価値(損益)について理解する。 |
オプションの満期時の価値(損益)とは
満期日には、オプションの価値は「その場で権利を行使したらいくら得をするか」だけで決まります。この満期時の受取額をペイオフと呼びます。得をしないなら権利を放棄するので、ペイオフはマイナスになりません。
コールの買い
満期の原資産価格STが行使価格Kを上回れば、Kで買ってSTで売れるので、ST − Kを受け取れます。下回れば放棄してペイオフはゼロです。損益図は、Kまでは「−プレミアム」で水平、Kを超えると右上がり(傾き1)の折れ線になります。損益分岐点は K+プレミアムです。
プットの買い
STがKを下回れば、Kで売れるのでK − STを受け取れます。損益図はKより左側で右下がり、Kより右側で「−プレミアム」の水平線です。損益分岐点は K − プレミアムで、最大利益は原資産価格がゼロになったときのK − プレミアムです。
売り手の損益
オプションの売り手は、買い手の損益をちょうど裏返した形になります(ゼロサム)。利益は受け取ったプレミアムが上限で、コールの売りは原資産価格が上がるほど損失が膨らみ、プットの売りは原資産価格が下がるほど損失が膨らみます。
押さえておきたい公式
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| ST | 満期時の原資産価格 |
| K | 権利行使価格 |
| c, p | コール・プットのプレミアム(オプション価格) |
具体例で確認
行使価格100円のコールをプレミアム5円で、同じく行使価格100円のプットをプレミアム4円で買ったとします。満期の株価ごとの損益は次のとおりです。
| 満期の株価 | コール買いの損益 | プット買いの損益 |
|---|---|---|
| 80円 | 0 − 5 = −5円 | 20 − 4 = +16円 |
| 90円 | 0 − 5 = −5円 | 10 − 4 = +6円 |
| 100円 | 0 − 5 = −5円 | 0 − 4 = −4円 |
| 110円 | 10 − 5 = +5円 | 0 − 4 = −4円 |
| 120円 | 20 − 5 = +15円 | 0 − 4 = −4円 |
損益分岐点は、コールが100+5=105円、プットが100−4=96円です。コール・プットの売り手の損益は、それぞれ表の符号を逆にしたものになります。
試験で問われやすいポイント
- ペイオフ(満期の受取額)と損益(プレミアム控除後)を区別して計算できるかが問われます。
- 損益分岐点はコールがK+プレミアム、プットがK − プレミアムです。
- 損益図の形から、どのポジション(コール・プットの買い・売り)かを判断させる問題に備えましょう。
- 最大損失・最大利益:コールの買いは損失がプレミアムまで・利益は無限、プットの買いは利益の上限がK − プレミアム、売り手はその裏返しです。
要点まとめ
- コールのペイオフはmax(ST − K, 0)、プットはmax(K − ST, 0)
- 損益=ペイオフ − プレミアム(売り手は符号が逆)
- 損益分岐点はコールK+プレミアム、プットK − プレミアム
- 4つの基本ポジションの損益図を描けるようにしておく
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
