ひとことで言うと

  • 債券市場指数(債券インデックス)は、一定のルールで選んだ多数の債券の値動きとクーポン収入をまとめ、債券市場全体の投資収益(トータル・リターン)を表す指標です。
  • 国内債券ではNOMURA-BPI、海外債券ではFTSE世界国債インデックスやブルームバーグ・グローバル総合インデックスなどが代表的です。
  • 運用成果を評価するベンチマークや、パッシブ運用の連動目標として使われます。

この記事では、証券アナリスト1次「債券分析」の学習ポイントのひとつ「債券市場指数」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。

分野 1次 科目Ⅰ/債券分析
大分類 (1) 債券の種類・特性と債券市場の仕組み
協会の学習ポイント 主要な債券市場指数について概要を理解する。

債券市場指数とは

株式市場にTOPIXや日経平均株価があるように、債券市場にも市場全体の動きを表す指数があります。ただし、債券は満期があって銘柄が次々に入れ替わり、しかもクーポン収入が収益の大きな部分を占めるため、株価指数とは作り方が少し異なります。多くの債券指数は、価格の変化だけでなく、クーポン収入(経過利息の変化や再投資を含む)も加えた総合収益を指数化しています。

代表的な指数

国内債券の代表的な指数がNOMURA-BPI(総合)で、国内の国債・地方債・政府関係機関債・社債などの公募利付債を中心に構成されています。海外債券では、主要国の国債で構成されるFTSE世界国債インデックス(WGBI)や、国債に加えて社債や証券化商品なども含むブルームバーグ・グローバル総合インデックスなどがよく使われます。

時価総額加重の特徴

多くの債券指数は、各銘柄の時価総額(発行残高×価格)で加重されています。そのため、たくさん借金をしている発行体ほど指数に占める比率が大きくなるという特徴があります。日本の債券指数では国債の比率が非常に高く、指数全体の性格は国債に強く左右されます。

指数の使われ方と注意点

債券指数は、ファンドの運用成績を比べるベンチマークとして使われるほか、インデックス運用では指数と同じような値動きを目指します。ただし、債券指数は構成銘柄が数千に及ぶことが多く、流動性の低い銘柄もあるため、全銘柄をそのまま買うのは現実的ではありません。そこで、デュレーション・セクター・格付などの特性を指数に合わせて一部の銘柄で再現する層化抽出法などが用いられます。

整理しておきたいポイント

指数 対象 主な用途
NOMURA-BPI(総合) 国内の公募利付債(国債・地方債・社債など) 国内債券運用のベンチマーク
FTSE世界国債インデックス 主要国の国債 外国債券(国債中心)運用のベンチマーク
ブルームバーグ・グローバル総合 世界の国債・社債・証券化商品など 幅広いグローバル債券運用のベンチマーク

具体例で確認

ある国内債券ファンドのベンチマークがNOMURA-BPI(総合)で、指数のデュレーションは約9年、ファンドのデュレーションは約7年だったとします。

この状態で金利が全体的に上昇すると、デュレーションの短いファンドは価格の下落が指数より小さく済み、指数を上回る成績になりやすくなります。反対に金利が低下すると、ファンドの値上がりは指数より小さくなります。このように、ベンチマークの特性(デュレーションや構成比率)を知ることで、運用者がどのような金利見通しに基づいてリスクを取っているかが読み取れます。

試験で問われやすいポイント

  • 債券指数は価格だけでなくクーポン収入を含む総合収益を表すものが一般的である点が問われやすいです。
  • 時価総額加重のため、発行残高が多い発行体の比率が高くなるという特徴に注意しましょう。
  • 代表的な指数の名称と対象(国内の総合指数か、国債中心の世界指数か、社債等も含むか)の組合せが問われやすいです。
  • 銘柄数が多く流動性の低い銘柄もあるため、完全法ではなく層化抽出法などで指数を再現するのが一般的という点を押さえましょう。

要点まとめ

  • 債券指数=債券市場全体の総合収益を表す指標
  • 国内はNOMURA-BPI、海外はFTSE世界国債インデックスやブルームバーグ・グローバル総合などが代表的
  • 時価総額加重のため、借入れの多い発行体の比率が大きくなる
  • ベンチマークやパッシブ運用の連動目標として使われる

証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。

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※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。