ひとことで言うと

  • スワップレートは、固定金利と変動金利を交換する金利スワップで、変動金利と釣り合う固定金利のことです。
  • 年限ごとのスワップレートを並べた曲線がスワップレート・カーブで、国債のカーブと並ぶ代表的な基準金利の曲線です。
  • デリバティブの評価や金融機関・企業の資金調達コストの目安、債券の割高・割安の判断などに使われます。

この記事では、証券アナリスト1次「債券分析」の学習ポイントのひとつ「スワップレート・カーブ」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。

分野 1次 科目Ⅰ/債券分析
大分類 (3) 金利の理論、期間構造とスプレッド
協会の学習ポイント スワップレート・カーブとその利用方法について理解する。

スワップレート・カーブとは

金利スワップとスワップレート

金利スワップは、同じ通貨で、想定元本にもとづく「固定金利」と「変動金利」の利息を一定期間交換する取引です。元本そのものは交換しません。契約時点で取引の価値がゼロ(どちらにも損得がない)になるように決められた固定金利のことをスワップレートといいます。変動金利の指標には、無担保コール翌日物金利(TONA)など市場の短期金利が使われます。

カーブとしての特徴

2年、5年、10年、30年など年限ごとのスワップレートを並べたものがスワップレート・カーブです。スワップレートは、変動金利で資金を回していく場合と同じ価値になる固定金利なので、「額面で発行される仮想の利付債の利回り(パー・イールド)」とみなすことができます。そのため、ブートストラップ法などでスワップレートからスポットレートやディスカウント・ファクターを求めることもできます。

スワップ市場は多くの年限で活発に取引されており、年限ごとの金利がなめらかにそろいやすいことから、国債の利回り曲線と並ぶ基準金利として広く使われています。スワップレートと同じ年限の国債利回りとの差はスワップ・スプレッドと呼ばれ、銀行間の信用リスクや市場の需給などを反映して動きます。

主な利用方法

  • 金利スワップなどデリバティブの時価評価に使う割引率の基準
  • 金融機関や企業が固定金利・変動金利のどちらで調達するかを比べる際の目安
  • 社債などの利回りを、国債だけでなくスワップレートと比べたスプレッドで評価する(割高・割安の判断)
  • 保有債券や負債の金利リスクをスワップでヘッジ(固定と変動の入れ替え)する際の基準

整理しておきたいポイント

項目 国債の利回り曲線 スワップレート・カーブ
もとになる金利 国債の利回り 金利スワップの固定金利
含まれる信用リスク 国の信用力(最も低いリスクの目安) 変動金利指標やスワップ取引に伴う信用・需給要因を反映
主な用途 無リスク金利の目安、国債・社債の評価 デリバティブの評価、調達コストの目安、ヘッジ

具体例で確認

ある企業が、変動金利で5年間借入れをしているとします(数値は説明のための仮のものです)。5年のスワップレートが0.9%のとき、この企業は「変動金利を受け取り、固定金利0.9%を支払う」金利スワップを結ぶと、借入れの変動金利の支払いと、スワップで受け取る変動金利がおおむね打ち消し合います。その結果、実質的に「固定金利0.9% + 借入れの上乗せ金利」で資金を借りているのと同じ形になり、金利上昇リスクを抑えられます。

また、同じ年限の国債利回りが0.7%であれば、スワップ・スプレッドは 0.9% − 0.7% = 0.2%です。社債の利回りを評価するときは、国債に対するスプレッドだけでなく、スワップレートに対するスプレッドも比べて判断することがあります。

試験で問われやすいポイント

  • スワップレートは「スワップの価値が契約時にゼロになる固定金利」であるという定義。
  • 金利スワップでは元本は交換せず、金利部分だけを交換すること。
  • スワップレートはパー・イールドとみなせ、スポットレートやディスカウント・ファクターの推定にも使えること。
  • スワップ・スプレッド(スワップレート − 国債利回り)の意味。
  • 固定払い・変動受けのスワップで、変動金利の借入れを実質的に固定化できるといった利用方法。

要点まとめ

  • スワップレートは金利スワップの固定金利で、年限ごとに並べたものがスワップレート・カーブ。
  • 国債カーブと並ぶ代表的な基準金利の曲線。
  • デリバティブの評価、調達コストの目安、債券の相対評価、ヘッジに使われる。
  • 国債利回りとの差はスワップ・スプレッド。

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※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。