ひとことで言うと

  • 利回りが変化したときの債券価格の変化率は、−修正デュレーション × 利回り変化 + 1/2 × コンベクシティ × (利回り変化)2 で近似できます。
  • 第1項(デュレーション)が主な効果、第2項(コンベクシティ)が曲線の曲がりによる補正です。
  • コンベクシティの項は利回り変化の2乗なので、金利が上がっても下がってもプラスに働きます。

この記事では、証券アナリスト1次「債券分析」の学習ポイントのひとつ「デュレーション・コンベクシティと価格変化」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。

分野 1次 科目Ⅰ/債券分析
大分類 (4) 債券のリターンと金利リスクの分析
協会の学習ポイント デュレーションとコンベクシティによる金利変化と価格変化率の関係を理解する。

デュレーション・コンベクシティによる価格変化の近似とは

デュレーションだけの近似

修正デュレーションを使うと、価格変化率は「−修正デュレーション × 利回り変化」で見積もれます。これは、価格と利回りの曲線を現在の点での接線(直線)で近似したものです。利回りの変化が小さいうちは十分な精度ですが、変化が大きくなると、曲線と直線のずれが無視できなくなります。

コンベクシティによる補正

実際の価格・利回り曲線は下に凸なので、直線での近似は、利回りが上がったときは値下がりを大きめに、下がったときは値上がりを小さめに見積もってしまいます。そこで、曲がり具合を表すコンベクシティを使った2次の項「1/2 × コンベクシティ × (利回り変化)2」を加えて補正します。この考え方は、数学でいうテイラー展開の2次までの近似にあたります。

符号の読み方

デュレーションの項は、利回りが上がればマイナス、下がればプラスです。一方、コンベクシティの項は利回り変化を2乗するので、利回りの上下にかかわらずプラスになります。つまりプラスのコンベクシティは、値上がりをより大きく、値下がりをより小さくする方向に働きます。利回り変化が大きいほど、コンベクシティの項の重要性が高まります。

押さえておきたい公式

ΔP ÷ P ≒ − Dmod × Δy + 1/2 × C × (Δy)2第1項:デュレーション効果 第2項:コンベクシティ効果
記号 意味
ΔP ÷ P 債券価格の変化率
Dmod 修正デュレーション
C コンベクシティ
Δy 利回りの変化幅(小数。1%なら0.01)

具体例で確認

クーポン3%(年1回)、残存10年、利回り3%で価格100円の債券は、修正デュレーションが約8.53、コンベクシティが約87.07です。

利回りが1%上昇した場合

  • デュレーション効果:−8.53 × 0.01 = −8.53%
  • コンベクシティ効果:1/2 × 87.07 × 0.012 ≒ +0.44%
  • 合計:約 −8.09%(実際に計算した価格変化率は約−8.11%)

利回りが1%低下した場合

  • デュレーション効果:+8.53%、コンベクシティ効果:+0.44%
  • 合計:約 +8.97%(実際は約+8.98%)

デュレーションだけでは±8.53%と上下対称になりますが、コンベクシティを加えると実際の値にぐっと近づき、値上がりの方が大きいという非対称性も表せます。

試験で問われやすいポイント

  • 修正デュレーションとコンベクシティを与えて、価格変化率を計算させる問題。Δy を小数(1% = 0.01)で代入し、2乗を忘れないことが大切です。
  • 「1/2」を掛け忘れる、コンベクシティの項の符号をマイナスにしてしまうといったミスに注意しましょう。
  • コンベクシティの項は金利の上昇・低下どちらでもプラスに働くこと。
  • デュレーションだけの近似は、金利上昇時の値下がりを過大に、金利低下時の値上がりを過小に見積もること。

要点まとめ

  • 価格変化率 ≒ −修正デュレーション × Δy + 1/2 × コンベクシティ × Δy2
  • デュレーションは1次の効果、コンベクシティは2次の補正。
  • コンベクシティの項は金利の上下にかかわらずプラス。
  • 利回り変化が大きいほど、コンベクシティ補正が重要になる。

証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。

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※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。