CFA®︎ Level 2「Portfolio Construction(ポートフォリオ構築)」で使われる重要用語を、学習単元(Learning Module)ごとに英語・日本語訳・意味の3点セットで整理しました。全6単元・49語を収録しています。英語の協会テキストを読むときの辞書代わりにお使いください。
単元(LM)一覧
Portfolio Construction の重要用語(LM別)
LM1 Economics and Investment Markets(経済と投資市場)
Real Default-Free Interest Rate
実質デフォルト・フリー金利
インフレとデフォルトのリスクを含まない金利。資産の割引率を構成する基礎部分で、経済のトレンド成長率やその不確実性と正の関係にある。
Intertemporal Rate of Substitution
異時点間の代替率
将来の消費から得られる限界効用と現在の消費から得られる限界効用の比率。実質金利や資産価格の水準を説明する基礎となる。
Taylor Rule
テイラー・ルール
中立金利を基準に、インフレ率と目標の差や需給ギャップに応じて政策金利を調整すべきとする金融政策のルール。
Neutral Policy Rate
中立金利
景気を刺激も抑制もしない政策金利の水準。トレンド成長率と期待インフレ(インフレ目標)の和として表される。
Break-Even Inflation Rate
ブレークイーブン・インフレ率
同年限の名目債とインフレ連動債の利回り差。期待インフレとインフレ・リスク・プレミアムを含む。
Inflation Risk Premium
インフレ・リスク・プレミアム
将来のインフレの不確実性を負担する対価として、名目債の投資家が求める上乗せの利回り。インフレの不確実性が高いほど大きい。
Consumption Hedging
消費ヘッジ
景気が悪く消費が落ち込む局面で価値が上がる資産の性質。株式はこの性質が弱いため、高いリスク・プレミアムが求められる。
Equity Risk Premium
株式リスク・プレミアム
株式の期待リターンのうち、リスクフリー資産のリターンを上回る部分。景気後退期に拡大しやすい。
LM2 Analysis of Active Portfolio Management(アクティブ運用の分析)
Active Weight
アクティブ・ウエイト
ポートフォリオにおける資産のウエイトとベンチマークにおけるウエイトの差。アクティブ・ウエイトの合計はゼロとなる。
Value Added
付加価値(アクティブ・リターン)
運用ポートフォリオのリターンとベンチマークのリターンの差。アクティブ・ウエイトとアクティブ・リターンの関係から生まれる。
Active Risk
アクティブ・リスク(トラッキング・エラー)
アクティブ・リターンの標準偏差。ポートフォリオのリターンがベンチマークからどの程度ばらつくかを表す。
Information Ratio (IR)
インフォメーション・レシオ(IR)
アクティブ・リターンをアクティブ・リスクで割った指標。ベンチマークとの組合せ比率を変えても値は変わらない。
Fundamental Law of Active Management
アクティブ運用の基本法則
期待アクティブ・リターンやIRを、情報係数、戦略のブレス、移転係数、アクティブ・リスクに分解して表す関係式。
Information Coefficient (IC)
情報係数(IC)
予測したアクティブ・リターンと実現したアクティブ・リターンとの相関。運用者の予測の精度を表す。
Breadth (BR)
ブレス(BR)
1年間に行われる、互いに独立したアクティブな判断の数。判断が独立でなければ実質的なブレスは小さくなる。
Transfer Coefficient (TC)
移転係数(TC)
予測が最適なアクティブ・ウエイトにどの程度反映されているかを示す係数。制約がなければ1で、ロング・オンリーなどの制約で低下する。
LM3 Exchange-Traded Funds: Mechanics and Applications(ETFの仕組みと活用)
Creation/Redemption Mechanism
設定・交換の仕組み
指定参加者がバスケットと引き換えにETF受益権を設定し、または受益権を返却してバスケットを受け取る仕組み。価格とNAVの乖離を抑える。
Authorized Participant (AP)
指定参加者(AP)
ETFの発行体と直接、受益権の設定・交換を行うことが認められた一部の機関投資家。裁定を通じて価格をNAVに近づける。
Tracking Difference
トラッキング・ディファレンス
一定の保有期間におけるETFのリターンと指数のリターンの差。経費のほか、サンプリングや指数変更などから生じる。
Representative Sampling
代表サンプリング
指数の全構成銘柄ではなく、指数の特性を代表する一部の銘柄を保有して指数への連動を図る手法。指数との乖離の要因となる。
Intraday NAV (iNAV)
推定NAV(iNAV)
取引時間中に算出されるETFの推定純資産価値。売買の目安となるが、古い価格に基づくことがある。
ETF Premium/Discount
ETFのプレミアム・ディスカウント
ETFの市場価格がNAVを上回る、または下回る程度。時差や原資産の流動性の低さ、市場ストレスなどで拡大する。
Cash Equitization
キャッシュのエクイタイゼーション
待機資金をETFなどに投資して市場エクスポージャーを持たせ、現金保有によるベンチマークとの乖離を抑える手法。
Exchange-Traded Note (ETN)
上場投資証券(ETN)
発行体が指数などのリターンの支払いを約束する上場の債務証券。発行体の信用リスクを負う点がETFと異なる。
LM4 Using Multifactor Models(マルチファクター・モデルの活用)
Arbitrage Pricing Theory (APT)
裁定価格理論(APT)
資産の期待リターンを複数のファクターへの感応度の線形関数として表す均衡理論。市場ポートフォリオの特定を必要とせず、CAPMより前提が弱い。
Factor Portfolio
ファクター・ポートフォリオ
特定のファクターに対する感応度が1、その他のファクターに対する感応度が0となるように組んだポートフォリオ。
Factor Risk Premium
ファクター・リスク・プレミアム
特定のファクターに対して感応度1のリスクを負うことへの対価として期待される上乗せのリターン。APTの式でλとして表される。
Macroeconomic Factor Model
マクロ経済ファクター・モデル
インフレ率やGDP成長率などのマクロ変数のサプライズ(実績 − 予想)をファクターとするモデル。感応度は時系列回帰で推定する。
Fundamental Factor Model
ファンダメンタル・ファクター・モデル
バリュー、規模、財務レバレッジなど企業や株式の属性をファクターとするモデル。標準化した属性を感応度として用いる。
Statistical Factor Model
統計的ファクター・モデル
因子分析や主成分分析などの統計手法でリターンからファクターを抽出するモデル。当てはまりは良いが経済的な解釈が難しい。
Active Factor Risk
アクティブ・ファクター・リスク
ポートフォリオとベンチマークのファクター感応度の違いから生じるアクティブ・リスクの部分。ファクター・ベットの大きさを表す。
Active Specific Risk
アクティブ固有リスク
ファクターでは説明できない、個別銘柄のアクティブ・ウエイトから生じるアクティブ・リスクの部分。
LM5 Measuring and Managing Market Risk(市場リスクの測定と管理)
Value at Risk (VaR)
バリュー・アット・リスク(VaR)
一定の期間に、一定の確率で発生すると予想される最小の損失額または損失率。損失額、確率、期間の3要素で表す。
Parametric Method
パラメトリック法
リターンが正規分布に従うと仮定し、期待リターンと標準偏差からVaRを推定する方法。オプションなど非線形の商品には向かない。
Historical Simulation Method
ヒストリカル・シミュレーション法
過去の実際のリターンを現在のポートフォリオに当てはめてVaRを推定する方法。分布の仮定は不要だが過去が将来を代表する必要がある。
Monte Carlo Simulation Method
モンテカルロ・シミュレーション法
仮定した分布から多数のシナリオを乱数で生成してVaRを推定する方法。非線形商品にも対応できるが計算負荷が大きい。
Conditional VaR (CVaR)
条件付きVaR(CVaR)
VaRを超える損失が生じた場合の平均的な損失額。VaRでは捉えられないテールの大きさを表す。期待ショートフォールとも呼ぶ。
Incremental VaR (IVaR)
増分VaR(IVaR)
特定のポジションを追加、削除または変更したことによって生じる、ポートフォリオ全体のVaRの変化額。新規ポジションの影響評価に用いる。
Marginal VaR (MVaR)
限界VaR(MVaR)
特定のポジションをわずかに変化させたときのポートフォリオ全体のVaRの変化率。ポジションごとのリスク寄与の把握に用いる。
Reverse Stress Testing
リバース・ストレス・テスト
ポートフォリオにとって耐えられない損失を先に想定し、それを生じさせる条件やシナリオを逆算して特定する手法。
Risk Budgeting
リスク・バジェッティング
組織全体で許容するリスクの総量を決め、それを部門や運用者、戦略ごとに配分して管理する手法。リスク資本の配分にも用いる。
LM6 Backtesting and Simulation(バックテストとシミュレーション)
Backtesting
バックテスト
過去のデータを用いて投資戦略を実際に運用したかのように再現し、リスクとリターンの特性を評価する手法。
Rolling Window Backtesting
ローリング・ウィンドウ・バックテスト
その時点までのデータでモデルを推定し、次の期間で検証する作業を、推定期間をずらしながら繰り返す方式。ウォーク・フォワードとも呼ぶ。
Survivorship Bias
生存者バイアス
分析時点で存続している企業やファンドのみを対象とすることで、消滅した対象が除外され、成果が過大に評価される偏り。
Look-Ahead Bias
先読みバイアス
その時点では入手できなかった情報を用いて分析することで生じる偏り。決算の公表遅れや事後修正されたデータが原因となる。
Data Snooping
データ・スヌーピング
多数の仮説やモデルを試し、偶然良い結果が出たものを選ぶことで、戦略の有効性を過大評価してしまう問題。
Tail Dependence
テール依存性
極端な下落などのテール局面で、複数の資産やファクターが同時に大きく動く傾向。平常時の相関では捉えにくい。
Regime
レジーム
景気拡大期と後退期、高ボラティリティ期と低ボラティリティ期など、市場や経済の性質が異なる局面。戦略の成果を局面別に評価する際の区分となる。
Bootstrapping (Simulation)
ブートストラップ(シミュレーション)
過去のデータから復元抽出を繰り返してシナリオを生成するシミュレーション手法。分布の関数形を仮定する必要がない。
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