現在価値計算とは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト1次・数量分析と確率・統計
ひとことで言うと
- 金融商品の現在価値は、その商品から受け取る将来のキャッシュフローをそれぞれ割り引いて合計したものです。
- 利付債なら「利息の現在価値+元本の現在価値」、年金型なら「毎期の支払額×年金現価係数」で求められます。
- 永久に続く一定額のキャッシュフロー(永久債)は、C÷rという簡単な式で計算できます。
この記事では、証券アナリスト1次「数量分析と確率・統計」の学習ポイントのひとつ「金融商品の現在価値計算」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 1次 科目Ⅲ/数量分析と確率・統計 |
|---|---|
| 大分類 | (1) お金の時間価値 |
| 協会の学習ポイント | 代表的な金融商品の現在価値をキャッシュフローから計算できる。 |
金融商品の現在価値とは
金融商品の理論的な価値は、「その商品を持っていると、いつ、いくらのお金を受け取れるか」というキャッシュフローで決まります。受け取る時点が異なるお金はそのまま足せないので、各キャッシュフローを現在価値に割り引いてから合計します。これを割引キャッシュフロー(DCF)法の考え方といいます。
割引債(ゼロクーポン債)
途中の利息がなく、満期に額面だけを受け取る債券です。キャッシュフローは1回なので、額面をn年分割り引くだけで現在価値が求まります。
利付債
毎期一定の利息(クーポン)を受け取り、満期に額面(元本)が戻る債券です。各期の利息と満期の元本をそれぞれ割り引いて合計します。割引率(利回り)がクーポンレートより低ければ価格は額面を上回り(オーバーパー)、高ければ額面を下回ります(アンダーパー)。
年金(アニュイティ)と永久債
毎期同じ金額を一定期間受け取るキャッシュフローを年金(アニュイティ)といいます。各期を割り引いて合計してもよいですが、等比数列の和の公式を使った年金現価係数で一気に計算できます。受け取りが永久に続く場合(永久債、コンソル債)は、現在価値がC÷rに収束します。毎期一定率gで成長する永久のキャッシュフローならC1÷(r−g)となり、株式の定率成長モデルと同じ形です。
押さえておきたい公式
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| C / Ct | 毎期(t期)のキャッシュフロー、利付債では利息 |
| F | 額面(満期に戻る元本) |
| r | 割引率(利回り) |
| n | 期間(満期までの年数) |
| g | キャッシュフローの成長率 |
具体例で確認
例1:利付債
額面100円、クーポン年3円(年1回払い)、残存3年の債券を、利回り2%で評価します。
- 1年後の利息:3 ÷ 1.02 ≒ 2.941円
- 2年後の利息:3 ÷ 1.022 ≒ 2.884円
- 3年後の利息+元本:103 ÷ 1.023 ≒ 97.059円
- 合計:約102.88円(利回り2%<クーポン3%なのでオーバーパー)
例2:年金
毎年末に10万円を5年間受け取る年金の現在価値は、割引率3%なら 10 × [1 − 1.03−5] ÷ 0.03 ≒ 10 × 4.5797 ≒ 45.80万円です。
例3:永久債
毎年3万円が永久に支払われる証券は、割引率4%なら 3 ÷ 0.04 = 75万円です。
動画で解説
この論点は、証券アナリストアカデミーのYouTubeで解説しています。テキストとあわせて確認してください(この論点の解説動画)。
試験で問われやすいポイント
- 利付債の価格計算で、最終年は利息と元本の両方を割り引くことを忘れないようにしましょう。
- 利回りとクーポンレートの大小から、オーバーパー・アンダーパーを判断させる問題に注意しましょう。
- 年金現価係数・永久債(C÷r)・成長永久債(C1÷(r−g))の公式を使い分けられるかが問われやすいです。
- キャッシュフローが期末に発生する前提か、期首か(初回が今日か)で答えが変わる点がひっかけになります。
要点まとめ
- 金融商品の価値=将来キャッシュフローの現在価値の合計
- 利付債は利息と元本をそれぞれ割り引いて合計する
- 一定額の年金は年金現価係数、永久債はC÷rで計算できる
- 割引率が上がると現在価値(価格)は下がる
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
