ひとことで言うと

  • オーダードリブン方式は、投資家の売り注文と買い注文を直接突き合わせて価格を決める方式です(東京証券取引所など)。
  • クォートドリブン方式(マーケットメイキング方式)は、マーケットメイカーが売り値と買い値を提示し、投資家はその気配値で売買する方式です。
  • 前者は注文の量が流動性を決め、後者はマーケットメイカーが流動性を供給する点が大きな違いです。

この記事では、証券アナリスト1次・科目Ⅰ「株式分析」の学習ポイントのひとつ「株価の決まり方」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。

分野 1次 科目Ⅰ/株式分析
大分類 (1) 資本市場の仕組みと株式投資
協会の学習ポイント 株式市場における価格形成の仕組み(オーダードリブン方式とクォートドリブン(マーケットメイキング)方式を理解する。

オーダードリブンとクォートドリブンとは

株価は「売りたい人」と「買いたい人」の注文がぶつかり合って決まります。ただ、その突き合わせ方には大きく2つのタイプがあります。

オーダードリブン方式(注文駆動型)

オーダードリブン方式は、投資家から集まった売り注文と買い注文を、取引所が一定のルールに従って直接突き合わせ、条件の合ったものから売買を成立させる方式です。オークション方式とも呼ばれ、東京証券取引所の株式売買はこの方式が基本です。

取引所の売買では、次の2つの方法が使い分けられています。

  • 板寄せ方式:取引開始時(寄付き)や終了時(引け)など、一定時間に集まった注文をまとめて突き合わせ、もっとも多くの売買が成立する単一の価格で一斉に約定させる方法です。
  • ザラバ方式:取引時間中に、新しく出された注文を、すでに板に並んでいる反対側の注文と価格優先・時間優先の原則で次々に突き合わせ、条件が合うたびに約定させる方法です。

この方式では、売買の相手はほかの投資家であり、市場の流動性は投資家の注文がどれだけ集まるかに左右されます。

クォートドリブン方式(気配駆動型・マーケットメイキング方式)

クォートドリブン方式では、マーケットメイカーと呼ばれる業者(証券会社など)が、特定の銘柄について「この価格なら買う(ビッド)」「この価格なら売る(アスク/オファー)」という気配値(クォート)を常に提示します。投資家はマーケットメイカーを相手方として売買します。

マーケットメイカーは、買い値と売り値の差(ビッド・アスク・スプレッド)を収益源としますが、自ら在庫(ポジション)を抱えるため、価格変動のリスクを負います。その代わり、投資家にとってはいつでも売買の相手がいる、つまり流動性が確保されやすいという利点があります。

整理しておきたいポイント

比較の観点 オーダードリブン方式 クォートドリブン方式
価格の決まり方 投資家の注文どうしを突き合わせる マーケットメイカーが提示する気配値で売買する
取引の相手方 ほかの投資家 マーケットメイカー
流動性の源泉 集まる注文の量 マーケットメイカーの気配提示
長所 価格形成の透明性が高い 注文が少ない銘柄でも売買しやすい
短所 注文が少ないと売買が成立しにくい スプレッドが実質的なコストになる

具体例で確認

例1:板寄せ方式で寄付きの価格を決める

取引開始前に、次の注文が集まったとします(成行は売り・買いとも100株)。

価格 買い注文 売り注文
1,010円 200株 400株
1,005円 400株 300株
1,000円 300株 200株
995円 なし 200株

各価格で「その価格以上で買ってよい株数」と「その価格以下で売ってよい株数」を累計し、成立する株数(両者の小さいほう)を比べます。

  • 995円:買い1,000株、売り300株 → 300株
  • 1,000円:買い1,000株、売り500株 → 500株
  • 1,005円:買い700株、売り800株 → 700株
  • 1,010円:買い300株、売り1,200株 → 300株

成立する株数がもっとも多い1,005円が始値となり、700株が一斉に約定します。

例2:マーケットメイカーの収益

マーケットメイカーが「買い999円・売り1,001円」の気配を出し、投資家から1,000株を999円で買い、別の投資家に1,000株を1,001円で売れば、スプレッド2円×1,000株=2,000円が収益になります(その間の価格変動リスクは考えない場合)。

動画で解説

この論点は、証券アナリストアカデミーのYouTubeで解説しています。テキストとあわせて確認してください(動画「株式市場の価格形成(オーダードリブン方式とクォートドリブン方式)」)。

試験で問われやすいポイント

  • オーダードリブン(投資家の注文どうしを突き合わせる)とクォートドリブン(マーケットメイカーの気配値で売買する)の定義の取り違えが狙われやすいです。
  • 東京証券取引所の株式売買はオーダードリブン方式が基本である点が問われやすいです。
  • 板寄せ方式(まとめて単一価格で約定)とザラバ方式(連続的に約定)の違いは混同しやすい論点です。
  • マーケットメイカーの収益源はビッド・アスク・スプレッドであり、在庫を持つことで価格変動リスクを負う点。
  • クォートドリブン方式は流動性の供給に優れる一方、スプレッドが投資家のコストになるという長所・短所の組み合わせ。

要点まとめ

  • オーダードリブン方式は投資家の注文を直接突き合わせるオークション方式。
  • 取引所では板寄せ方式とザラバ方式を使い分ける。
  • クォートドリブン方式はマーケットメイカーが気配値を提示し、流動性を供給する。
  • マーケットメイカーはスプレッドで稼ぎ、在庫リスクを負う。

証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。

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※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。