CFA®︎ Level 2「Ethical and Professional Standards(倫理・職業行為基準)」で使われる重要用語を、学習単元(Learning Module)ごとに英語・日本語訳・意味の3点セットで整理しました。全9単元・67語を収録しています。英語の協会テキストを読むときの辞書代わりにお使いください。
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単元(LM)一覧

Ethics の重要用語(LM別)

LM1 Code of Ethics and Standards of Professional Conduct(倫理規範と職業行為基準)

この単元の要点解説:LM1 倫理規範と職業行為基準
Code of Ethics
倫理規範
CFA協会が会員・受験者に求める6つの行動原則。誠実性と顧客利益の優先、独立した職業的判断、職業の信用と資本市場の健全性、専門能力の向上を柱とする。
Standards of Professional Conduct
職業行為基準
倫理規範の原則を、市場・顧客・雇用主・協会など義務の相手や場面ごとに具体化した7つの基準と下位項目。守るべき行動の最低水準を定める。
Professional Conduct Program (PCP)
職業行為プログラム
会員・受験者による倫理規範と職業行為基準の違反を調査し、懲戒を行うCFA協会の執行制度。協会の定款と職業行為手続規則を根拠とする。
Disciplinary Review Committee (DRC)
懲戒審査委員会
職業行為プログラムを監督する委員会。その委員等は、処分案が受け入れられなかった案件を審理する審問パネルの構成員にもなる。
Cautionary Letter
注意書
違反の疑いについて調査した職業行為スタッフが、懲戒処分には至らないと判断した場合に出す書面による注意。
Hearing Panel
審問パネル
当事者が処分案を拒否した案件について、違反があったかどうかと科すべき処分を決定する合議体。DRCの委員等で構成される。
Public Censure
公開譴責
違反を公表する形で行われる懲戒処分。処分の幅は公開譴責から、会員資格・称号使用の停止、チャーターの剥奪、受験者の受験停止・禁止まで及ぶ。

LM2 Guidance for Standard I: Professionalism(基準I:プロフェッショナリズム)

Standard I(A) Knowledge of the Law
基準I(A) 法令の知識
法令・規則と基準のうちより厳しい方に従うことを求める基準。違法・非倫理的な行為を知った場合は関与をやめて離脱し、必要に応じて上司などに報告する。
Standard I(B) Independence and Objectivity
基準I(B) 独立性と客観性
発行体、投資銀行部門、顧客、証券会社などからの圧力や便益によって判断を歪めないことを求める基準。影響を与え得る贈答や報酬の受領を禁じる。
Standard I(C) Misrepresentation
基準I(C) 不実表示
資格・実績・サービス・分析内容について、故意に誤った表示や重要事項の省略をすることを禁じる基準。他人の成果の無断使用もここに含まれる。
Standard I(D) Misconduct
基準I(D) 不正行為
不誠実・詐欺・欺瞞を伴う行為や、職業上の誠実性・評判・能力に悪影響を及ぼす行為を禁じる基準。職務外の行為も評価の対象となり得る。
Standard I(E) Competence
基準I(E) 専門能力
担当業務に必要な知識・技能を備えて行動し、業務内容や新しい商品の変化に応じて継続的に維持・向上させることを求める基準。
Dissociation
離脱(ディソシエーション)
違反の疑いがある活動への関与をやめ、自らをその活動から切り離すこと。当局への通報は基準上の義務ではないが、法令上必要となる場合がある。
Issuer-Paid Research
発行体負担のリサーチ
調査対象企業が費用を負担して作成されるリサーチ。報酬が結論に左右されない形であること、費用負担の事実を開示することなど、独立性を保つ工夫が必要となる。
Plagiarism
盗用
他人のリサーチやモデルを出典なしに自分の成果として用いる行為。第三者資料を使う場合は、出典を記録・明示することで防ぐ。

LM3 Guidance for Standard II: Integrity of Capital Markets(基準II:資本市場の健全性)

この単元の要点解説:LM3 基準II:資本市場の健全性
Standard II(A) Material Nonpublic Information
基準II(A) 重要な未公表情報
重要な未公表情報に基づく取引や推奨、他者への伝達を禁じる基準。情報を得た場合は発行体に公表を促し、公表後に市場が反応する時間を経るまで利用しない。
Materiality
重要性
情報が価格に与え得る影響の大きさと、情報源の信頼性から判断される性質。噂や推測にとどまる情報は重要性が低いことが多い。
Expert Network
エキスパート・ネットワーク
業界の専門家と投資家を仲介する情報提供サービス。専門家から重要な未公表情報を得た場合も、その利用は他の経路と同様に禁じられる。
Mosaic Theory
モザイク理論
公開情報と重要でない未公表情報を積み上げて結論を得る分析手法を正当な調査として認める考え方。分析の過程を記録しておくことが望ましい。
Standard II(B) Market Manipulation
基準II(B) 相場操縦
市場参加者を欺く意図で価格や出来高を歪める行為を禁じる基準。虚偽情報の流布のほか、流動性を操作して価格を支配する行為も該当する。
Firewall
情報隔壁(ファイアウォール)
重要な未公表情報が部門間で不適切に伝わらないよう、コンプライアンス部門や法務部門が情報の流れを管理する仕組み。
Restricted List
制限リスト
重要な未公表情報を保有している可能性がある銘柄について、従業員の個人取引や自己勘定取引、顧客への推奨を制限するための社内リスト。
Watch List
監視リスト
重要な未公表情報に関わる可能性がある銘柄を、公表せずに社内で監視するためのリスト。従業員取引のレビューに用いる。

LM4 Guidance for Standard III: Duties to Clients(基準III:顧客に対する義務)

この単元の要点解説:LM4 基準III:顧客に対する義務
Standard III(A) Loyalty, Prudence, and Care
基準III(A) 忠実・慎重・注意
誰が顧客かを特定したうえで顧客の利益を優先し、運用権限の範囲内で合理的な注意と慎重な判断をもって行動することを求める基準。
Standard III(B) Fair Dealing
基準III(B) 公正な取扱い
推奨の伝達と取引配分の両方で、すべての顧客を公正に扱うことを求める基準。異なるサービス水準は、開示され全顧客が利用できる場合に認められる。
Standard III(C) Suitability
基準III(C) 適合性
顧客の投資経験・リスク許容度・制約を確認し、ポートフォリオ全体の観点で投資の適合性を判断することを求める基準。特定の運用方針で運用する場合はその方針に従う。
Standard III(D) Performance Presentation
基準III(D) 運用成績の提示
運用成績を公正・正確・完全に示すことを求める基準。合成成績(コンポジット)の利用、解約口座の含有、必要な開示の添付が推奨される。
Standard III(E) Preservation of Confidentiality
基準III(E) 守秘義務
顧客情報の秘密を守ることを求める基準。顧客の違法行為に関わる情報、法律上の開示義務、顧客の許可の3つの場合に限り開示が認められる。
Soft Dollars
ソフトダラー
顧客の取引手数料を使って証券会社から調査やサービスを受け取る取決め。手数料は顧客の資産であり、その顧客の利益となる目的にのみ使える。
Proxy Voting
議決権行使
顧客が保有する株式の議決権を運用者が代わって行使すること。忠実義務の一部であり、費用と便益を比較してすべてを行使しない判断もあり得る。
Unsolicited Trade Request
非勧誘の取引依頼
運用者が勧めていないのに顧客自ら求める取引。顧客にとって不適合な場合は影響を話し合い、必要に応じてIPSの見直しを検討する。
Investment Policy Statement (IPS)
投資方針書
顧客の特定、リターン・リスク目標、流動性・投資期間・税・法規制・特有の事情などの制約、ベンチマークを記した文書。定期的に更新する。
Pro Rata Allocation
按分配分
ブロック取引で約定した数量を、各顧客の注文量に比例して配分する方法。すべての参加口座に同一の執行価格を適用し、特定の顧客を有利にしない。

LM5 Guidance for Standard IV: Duties to Employers(基準IV:雇用主に対する義務)

この単元の要点解説:LM5 基準IV:雇用主に対する義務
Standard IV(A) Loyalty
基準IV(A) 忠実義務(雇用主)
雇用形態にかかわらず雇用主の利益に反する行為を避けることを求める基準。ただし雇用主の違法・非倫理的な行為に従うことまでは求めない。
Standard IV(B) Additional Compensation Arrangements
基準IV(B) 追加的報酬の取決め
雇用主と競合する報酬・利益を受ける場合に、内容・概算額・期間を書面で報告し、関係者全員の書面同意を得ることを求める基準。
Standard IV(C) Responsibilities of Supervisors
基準IV(C) 監督者の責任
監督下の者の違反を防ぎ発見するための合理的な努力を求める基準。違反を知ったら速やかに調査し、調査中は業務制限や監督強化を行う。
Independent Contractor
独立請負人
雇用契約ではなく業務委託の形で働く者。雇用形態が異なっても、業務を委ねた相手の利益に反する行為を避ける義務は変わらない。
Whistleblowing
内部告発
雇用主の違法・非倫理的な行為を明らかにすること。顧客や市場の誠実性を守るために必要な場合に限り正当化され、私的な利益のための告発は認められない。
Firm Records and Client Lists
雇用主の記録・顧客リスト
顧客リスト、モデル、業務記録など雇用主に帰属する財産。退職時の持ち出しには許可が必要だが、在職中に得た一般的な知識や経験は該当しない。
Compliance Procedures
コンプライアンス手続
違反の防止・発見のために会社が定める手続。明確で理解しやすく、権限あるコンプライアンス・オフィサー、報告と懲戒の手順、定期的な研修を含むものが求められる。

LM6 Guidance for Standard V: Investment Analysis, Recommendations, and Actions(基準V:投資分析・推奨・行動)

この単元の要点解説:LM6 基準V:投資分析・推奨・行動
Standard V(A) Diligence and Reasonable Basis
基準V(A) 勤勉と合理的根拠
自らの調査と第三者リサーチの双方について合理的かつ十分な根拠を求める基準。必要な勤勉さの水準は担当業務や商品の性質によって異なる。
Standard V(B) Communication with Clients and Prospective Clients
基準V(B) 顧客・見込み顧客とのコミュニケーション
投資プロセスの形式・一般原則と重要な変更、重要なリスクと限界を顧客に伝え、事実と意見を区別して示すことを求める基準。
Standard V(C) Record Retention
基準V(C) 記録の保存
推奨や投資行動の根拠を示す記録を維持することを求める基準。電子的な記録やソーシャルメディア上のやりとりも保存の対象で、記録は会社の財産である。
Third-Party Research
第三者リサーチ
外部が作成したリサーチ。依拠する前に前提・厳密さ・適時性・客観性から健全性を確認し、根拠が不十分なら依拠しない。定期的な評価方針の整備が推奨される。
Subadviser
サブアドバイザー
運用会社から運用の一部を委託される外部の運用者。選定時と継続期間中に、倫理規範・順守手続・戦略の順守状況などを調査・評価する必要がある。
Quantitatively Oriented Research
定量的なリサーチ
数理モデルに基づく分析や運用手法。モデルの前提や限界を理解し、想定外の市場環境でどう振る舞うかを検証する責任を伴う。
Group Research and Decision Making
グループによるリサーチと意思決定
チームで決めた推奨に個人が反対であっても、プロセスが合理的で十分な根拠に基づいていれば、その報告書に名前を載せることが認められるという扱い。

LM7 Guidance for Standard VI: Conflicts of Interest(基準VI:利益相反)

この単元の要点解説:LM7 基準VI:利益相反
Standard VI(A) Disclosure of Conflicts
基準VI(A) 利益相反の開示
利益相反を開示し、顧客・雇用主が影響を判断できるようにすることを求める基準。推奨銘柄の保有、取締役就任、報酬の取決め、部門間の利益相反などが対象。
Standard VI(B) Priority of Transactions
基準VI(B) 取引の優先順位
個人取引を顧客・雇用主の取引の後に行い、顧客に不利益を与えないことを求める基準。個人取引そのものは一定の条件のもとで認められる。
Standard VI(C) Referral Fees
基準VI(C) 紹介手数料
紹介の対価として受け取る・支払う報酬を、顧客がサービス契約を結ぶ前に性質と概算額を示して開示することを求める基準。金銭以外の利益も含む。
Front-Running
先回り取引
顧客や雇用主の取引予定を利用し、それより先に自分の口座で売買する行為。顧客の取引を優先すべき義務に反する。
Beneficial Ownership
受益所有
口座の名義人でなくても、その取引の経済的利益を享受する立場。本人と家族の口座などが該当し、個人取引の管理対象となる。
Blackout Period
ブラックアウト期間
顧客取引の前後に従業員の個人取引を禁じる期間。制限期間とあわせ、顧客取引への先行や干渉を防ぐ手段として用いる。
Preclearance
事前承認
個人取引やIPO・私募への参加の前に社内の承認を得る手続。入社時・年1回以上の保有報告や取引確認書の写しの提出と組み合わせて運用する。

LM8 Guidance for Standard VII: Responsibilities as a CFA Institute Member or CFA Candidate(基準VII:CFA協会会員・受験者としての責任)

Standard VII(A) Conduct as Participants in CFA Institute Programs
基準VII(A) CFA協会プログラムへの参加者としての行動
CFAプログラムの誠実性と安全性を損なう行為を禁じる基準。試験中の不正、試験の機密情報の共有、職業行為声明や継続教育の申告での虚偽などが該当する。
Standard VII(B) Reference to CFA Institute, the CFA Designation, and the CFA Program
基準VII(B) CFA協会・CFA称号・CFAプログラムへの言及
会員資格・称号・受験の意味を誇張したり、称号の保有を優れた運用成績と結びつけたりする表示を禁じる基準。名刺や広告資料での表示も対象となる。
Confidential Program Information
試験の機密情報
CFA試験で出題された具体的な問題や範囲の詳細。試験後でも共有は禁じられるが、公開されたカリキュラムの一般的な範囲について話すことは妨げられない。
Professional Conduct Statement
職業行為声明
会員が毎年提出する順守の申告。会費の支払いとあわせて会員資格の維持要件であり、未提出の場合は現在の会員と表示できない。
CFA Charterholder
CFA称号保有者
CFA称号の使用を認められた者。「a CFA」のような名詞的用法ではなく「CFA charterholder」のように称号を形容詞的に用いて表す。
Partial Designation
部分的な称号
一部のレベルの合格をもって称号の一部を得たかのように示す表示。受験者は受験中であることは示せるが、このような表示や称号取得予定の表示はできない。

LM9 Application of the Code and Standards: Level II(倫理規範・基準の適用:Level II)

この単元の要点解説:LM9 倫理規範・基準の適用:Level II
Ethical Decision-Making Framework
倫理的意思決定フレームワーク
Identify、Consider、Decide and act、Reflectの4要素で判断を整理する枠組み。要素の順序は固定されないが、結果の振り返りで締めくくる。
Identify
Identify(特定)
フレームワークの第一の要素として、関連する事実、利害関係者とその者に負う義務、倫理原則、利益相反を明らかにする作業。
Consider
Consider(検討)
状況的影響、上司やコンプライアンス部門など社内外の追加的な指針、取り得る代替案を比較検討するフレームワークの要素。
Decide and Act
Decide and act(判断と行動)
特定と検討の結果から、取り得る代替案の中で最も適切な結論を導き、それに基づいて実際に行動するフレームワークの要素。
Reflect
Reflect(振り返り)
行動の結果が想定どおりだったか、なぜそうなったかを検証するフレームワークの要素。今後の意思決定の質を高める役割を持つ。
Situational Influences
状況的影響
報酬、昇進、組織への忠誠など、判断を外側から左右する要因。Considerの段階で、判断を歪めていないかを点検する対象となる。
Corrective Action
是正措置
違反が見つかった場合に、その影響を正し、会社の従業員による再発を防ぐために講じる措置。方針・手続の整備や見直しを含む。

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