CFA®︎ Level 1「Fixed Income(債券)」で使われる重要用語を、学習単元(Learning Module)ごとに英語・日本語訳・意味の3点セットで整理しました。全19単元・161語を収録しています。英語の協会テキストを読むときの辞書代わりにお使いください。
Leveraged Support Course をご利用の方へFA-Academy の Leveraged Support Course(LSC)をご利用の方には、この用語集と公式集をレベル別に整理した資料(PDF)をお渡ししています。オフラインでの確認や試験直前の見直しにご活用ください。Level 1 Leveraged Support Course の詳細を見る

単元(LM)一覧

Fixed Income の重要用語(LM別)

LM1 Fixed-Income Instrument Features(債券の商品性)

この単元の要点解説:LM1 債券の商品性
Fixed-Income Instrument
確定利付商品
発行体が投資家から資金を借り入れ、あらかじめ定めた利息の支払いと元本の返済を約束する契約。ローンや債券が代表例である。
Issuer
発行体
債券を発行して資金を調達する主体。ソブリン(国)、地方政府、政府系機関、国際機関、事業会社などに分類される。
Maturity
満期(償還期限)
元本が返済され債務が消滅する日。発行時の満期が1年以内のものはマネー・マーケット、1年超のものはキャピタル・マーケットの商品に区分される。
Par Value
額面(元本)
発行体が満期に返済を約束する金額。クーポン支払額の計算基準となり、債券価格は額面に対する百分率で表示されることが多い。
Coupon Rate
クーポン・レート(表面利率)
額面に対して1年間に支払われる利息の割合。クーポン・レート×額面が年間のクーポン額となり、年1回や半年ごとなどの頻度で支払われる。
Seniority
優先順位(シニア/劣後)
デフォルト時に発行体の資産から弁済を受ける順番。シニア債は劣後債より先に弁済されるため、回収の見込みが相対的に高い。
Indenture
債券契約書(インデンチャー)
債券の条件と発行体の義務を定めた法的契約書。元本、クーポン、満期、返済原資、担保・信用補完、コベナンツなどが記載される。
Affirmative Covenant
アファーマティブ・コベナンツ(積極的条項)
発行体に一定の行為を義務づける条項。元利金の支払い、法令遵守、資産の維持、保険の付保、納税など「すべきこと」を定める。
Negative Covenant
ネガティブ・コベナンツ(消極的条項)
発行体に一定の行為を禁止・制限する条項。追加借入、担保提供(ネガティブ・プレッジ)、資産売却、株主への分配などを制限し、債権者を保護する。
Cross-Default Clause
クロス・デフォルト条項
発行体が他の債務でデフォルトした場合に、当該債券についてもデフォルトとみなす条項。アファーマティブ・コベナンツの一種に位置づけられる。

LM2 Fixed-Income Cash Flows and Types(債券のキャッシュフローと種類)

Bullet Bond
ブレット債(満期一括償還債)
満期までは利息のみを支払い、元本の全額を満期日に一括して返済する債券。償却債と対比される最も基本的な返済構造である。
Amortizing Bond
償却債
満期前から元本を段階的に返済していく債券。満期までに全額を返す完全償却型と、満期に残額をまとめて返すバルーン返済を伴う部分償却型がある。
Sinking Fund Provision
減債基金条項
発行期間中に元本の一部を計画的に償還することを発行体に求める条項。満期時の返済負担を平準化し、投資家の信用リスクを低減させる。
Floating-Rate Note (FRN)
変動利付債(FRN)
市場参照金利にクォーテッド・マージンを加えた水準で、クーポンが定期的に見直される債券。上限(キャップ)や下限(フロア)が付くものもある。
Zero-Coupon Bond
ゼロ・クーポン債(割引債)
期中にクーポンを支払わず、額面より低い価格で発行されて満期に額面で償還される債券。発行価格と額面の差が投資家の収益となる。
Inflation-Linked Bond
インフレ連動債
元本やクーポンが消費者物価指数などの物価指数の変化に応じて調整される債券。インデックス連動債の代表例で、実質購買力の保全を図る。
Callable Bond
コーラブル債(コール条項付き債)
発行体が満期前に所定の価格で償還できる権利を持つ債券。金利低下時の借り換えに使える発行体有利の条項のため、投資家はより高い利回りを求める。
Putable Bond
プッタブル債(プット条項付き債)
投資家が満期前に所定の価格で発行体へ売り戻せる権利を持つ債券。投資家に有利な条項のため、同条件のストレート債より利回りは低くなる。
Convertible Bond
転換社債
あらかじめ定めた転換価格で発行体の普通株式に転換できる権利を投資家に与える債券。株価上昇の恩恵を受けられる分、クーポンは低めに設定される。
Eurobond
ユーロ債
発行地の国内通貨とは異なる通貨建てで国際的に発行される債券。自国外の発行体が現地市場・現地通貨で発行する外債と異なり、規制や開示要件が比較的少ない。

LM3 Fixed-Income Issuance and Trading(債券の発行と取引)

この単元の要点解説:LM3 債券の発行と取引
Investment Grade
投資適格
信用格付がムーディーズでBaa3以上、S&P・フィッチでBBB−以上の債券や発行体の区分。デフォルト・リスクが相対的に低いとされる。
High-Yield Bond
ハイ・イールド債(投機的格付債)
信用格付が投資適格を下回る債券。デフォルト・リスクが高い分、投資家は高い利回りを要求する。非投資適格債やジャンク債とも呼ばれる。
Aggregate Bond Index
総合債券インデックス
国債・社債・証券化商品など幅広い債券を採用基準に基づいて組み入れた、構成銘柄数の非常に多いインデックス。セクターや格付に絞った狭いインデックスと対比される。
Primary Market
発行市場(プライマリー・マーケット)
発行体が新たに発行する債券を投資家に販売し、資金を調達する市場。発行方法には、引受やベストエフォート、入札による公募と、特定の投資家に販売する私募がある。
Secondary Market
流通市場(セカンダリー・マーケット)
既に発行された債券が投資家の間で売買される市場。債券の場合は主にディーラーを介した店頭取引で行われ、多くの銘柄は取引頻度が低い。
Underwritten Offering
引受発行(買取引受)
投資銀行が発行債券の全額を発行体から買い取り、投資家に転売する発行方法。売れ残りのリスクは引受業者が負う点で、ベストエフォート方式と異なる。
Private Placement
私募
限られた適格投資家に対して直接債券を販売する発行方法。公募に比べて登録・開示の負担が軽い一方、流通市場での転売は制限される。
Shelf Registration
シェルフ登録
一度の登録手続きで、一定期間内に複数回に分けて債券を発行できる仕組み。発行のたびに開示書類を作成し直す負担を軽減する。
Over-the-Counter (OTC) Market
店頭市場(OTC市場)
取引所を介さず、ディーラーが相手方となって相対で売買が成立する市場。債券の流通取引の大部分はこの形で行われる。
Bid–Ask Spread
ビッド・アスク・スプレッド
ディーラーが提示する買値(ビッド)と売値(アスク)の差。取引コストを表し、差が小さいほど流動性が高いことを示す。

LM4 Fixed-Income Markets for Corporate Issuers(事業会社の債券市場)

この単元の要点解説:LM4 事業会社の債券市場
Commercial Paper (CP)
コマーシャル・ペーパー(CP)
事業会社や金融機関が短期資金の調達のために発行する無担保の約束手形。信用力の高い発行体が、銀行借入より低いコストで資金を得る手段となる。
Backup Line of Credit
バックアップ・ライン
CPを借り換えられない事態に備えて、発行体が銀行と設定しておく与信枠。CPの投資家に対する流動性面の支えとなる。
Rollover Risk
ロールオーバー・リスク
満期を迎えた短期債務を新たな発行で借り換えられなくなるリスク。市場の混乱や発行体の信用力低下の局面で顕在化しやすい。
Factoring
ファクタリング
企業が売掛債権を金融機関などに売却し、回収前に資金化する資産ベースの資金調達。売掛債権の回収リスクも移転する場合がある。
Certificate of Deposit (CD)
譲渡性預金(CD)
銀行が一定期間の預入と所定の利息の支払いを約束して発行する預金証書。譲渡可能なものは流通市場で売買でき、金融機関の短期調達手段となる。
Interbank Market
インターバンク市場
銀行などの金融機関が、主に無担保で短期資金を貸し借りする市場。期間は翌日物から1年程度までが中心である。
Repurchase Agreement (Repo)
レポ取引(現先取引)
証券を売却すると同時に、あらかじめ定めた価格で将来買い戻すことを約束する取引。経済的には証券を担保にした短期の資金借入である。
Repo Rate
レポ・レート
レポ取引における借入金利。買戻価格と当初の売却価格の差から年率で算出され、担保付のため一般に無担保金利より低い。
Haircut
ヘアカット
レポ取引などで担保の時価に対して貸付額を小さくする割合(初期証拠金)。担保価値の下落から資金の貸し手を守る役割を持つ。
Reverse Repo
リバース・レポ
資金の貸し手(証券の買い手)の側から見たレポ取引。証券を購入し、将来あらかじめ定めた価格で売り戻す約束をする。

LM5 Fixed-Income Markets for Government Issuers(政府発行体の債券市場)

この単元の要点解説:LM5 政府発行体の債券市場
Sovereign Bond
ソブリン債(国債)
国の政府が発行する債券。課税権を背景に国内で最も信用リスクの低い発行体となることが多く、短期証券から長期債まで幅広い満期で発行される。
General Obligation (GO) Bond
一般財源債(GO債)
地方政府などが発行し、発行体の課税権と一般財源を返済の裏付けとする債券。特定事業の収入に依存するレベニュー債と対比される。
Revenue Bond
レベニュー債
有料道路や空港など特定の事業から得られる収入を返済原資とする地方債。返済能力は対象事業のキャッシュフローに左右される。
Agency Bond
政府系機関債
法律に基づき特定の公共サービスを担う準政府機関が発行する債券。政府による明示的または暗黙の保証を持つことがある。
Supranational Bond
国際機関債
世界銀行など、複数の国の政府が共通の目的のために設立した国際機関が発行する債券。加盟国の支援を背景に高い信用力を持つことが多い。
Primary Dealer
プライマリー・ディーラー
政府から指定を受け、国債の入札に競争的な価格で参加する義務を負う金融機関。国債の円滑な消化と流通市場の厚みを支える。
Competitive Bid
競争入札
国債の入札で、参加者が希望する利回りや価格を指定して応札する方式。指定条件が落札水準に合わなければ割当を受けられない。
Noncompetitive Bid
非競争入札
入札で決まった利回りや価格をそのまま受け入れ、希望額の割当を受ける応札方式。主に小口の投資家が利用する。
Single-Price Auction
単一価格方式入札(ダッチ方式)
落札者全員に同じ利回り・価格を適用する入札方式。各落札者が自らの応札条件で購入する複数価格方式と対比される。
On-the-Run Security
オン・ザ・ラン銘柄
同じ満期区分で直近に発行された国債。オフ・ザ・ラン(既発)銘柄より取引が活発で流動性が高く、ベンチマーク金利として使われる。

LM6 Fixed-Income Bond Valuation: Prices and Yields(債券の評価:価格と利回り)

この単元の要点解説:LM6 債券の評価:価格と利回り
Yield-to-Maturity (YTM)
最終利回り(YTM)
債券の将来キャッシュフローの現在価値を市場価格に一致させる単一の割引率。満期保有・全額受取り・同率での再投資を前提とした内部収益率にあたる。
Premium Bond
プレミアム債(オーバーパー債)
額面を上回る価格で取引される債券。クーポン・レートが市場の要求利回り(YTM)より高いときに生じる。
Discount Bond
ディスカウント債(アンダーパー債)
額面を下回る価格で取引される債券。クーポン・レートが市場の要求利回り(YTM)より低いときに生じる。
Full Price (Dirty Price)
フル・プライス(ダーティ・プライス)
経過利子を含む債券の受渡価格で、買い手が実際に支払う金額。フラット・プライスに経過利子を加えたものに等しい。
Flat Price (Clean Price)
フラット・プライス(クリーン・プライス)
フル・プライスから経過利子を差し引いた価格。利払日をまたいでも経過利子による価格の上下が生じないため、市場の気配値として使われる。
Accrued Interest
経過利子
前回利払日から決済日までの期間に発生したクーポンの持分。クーポン額×(経過日数÷利払期間の日数)で求め、買い手が売り手に支払う。
Day Count Convention
日数計算の慣行(デイカウント)
経過利子などを計算する際の日数の数え方の取り決め。実日数を使うactual/actualは国債に、1カ月30日・1年360日とみなす30/360は社債に多い。
Pull to Par
プル・トゥ・パー
利回りが変わらない場合、債券価格が時間の経過とともに額面に近づいていく性質。プレミアム債は値下がりし、ディスカウント債は値上がりして満期に額面となる。
Matrix Pricing
マトリックス・プライシング
取引の少ない債券や新発債の価格を、満期・クーポン・信用力が類似した債券の利回りを満期で補間して推定する評価手法。

LM7 Yield and Yield Spread Measures for Fixed-Rate Bonds(固定利付債の利回りとスプレッド)

Periodicity
周期(複利頻度)
1年間に想定される複利計算の回数。年率表示の利回りは周期によって実質的なリターンが異なるため、比較には周期をそろえる換算が必要となる。
Effective Annual Rate (EAR)
実効年利回り(EAR)
周期が1、すなわち年1回複利で表した年率利回り。複利頻度の異なる利回りを共通の基準で比較するときに用いる。
Semiannual Bond Basis Yield
半年複利ベース利回り
半年ごとの周期利回りを2倍して年率表示した利回り。半年払いの債券の利回りを表示する慣行で、年複利に換算するとやや高くなる。
Current Yield
カレント・イールド(直利)
年間クーポン額をフラット・プライスで割った簡易な利回り指標。再投資収益や満期までの値上がり・値下がりを考慮しない。
Yield-to-Worst
イールド・トゥ・ワースト
コーラブル債について、各コール日を償還日とみなしたイールド・トゥ・コールと最終利回りのうち、最も低いもの。投資家にとって最も不利な償還シナリオの利回りを表す。
G-Spread
Gスプレッド
債券の利回りと、満期の等しい国債利回りとの差。国債利回りを基準とするため、信用リスクや流動性などの発行体固有の要因を反映する。
I-Spread
Iスプレッド
債券の利回りと、同じ通貨・同じ満期のスワップ・レートとの差。国債ではなく銀行間の金利水準を基準とする点がGスプレッドと異なる。
Z-Spread
Zスプレッド(ゼロ・ボラティリティ・スプレッド)
ベンチマークのスポット・カーブの各期のレートに一律に上乗せして、割引現在価値の合計を債券価格に一致させるスプレッド。
Option-Adjusted Spread (OAS)
オプション調整後スプレッド(OAS)
Zスプレッドから組込オプションの価値をスプレッド換算で差し引いたもの。コーラブル債ではオプション分だけZスプレッドより小さくなる。
Term Structure of Credit Spreads
信用スプレッドの期間構造
ベンチマークに対する信用スプレッドを満期ごとに並べたもの。発行体の信用リスクが時間軸でどう評価されているかを示す。

LM8 Yield and Yield Spread Measures for Floating-Rate Instruments(変動利付商品の利回りとスプレッド)

Market Reference Rate (MRR)
市場参照金利(MRR)
変動利付商品のクーポンを決める基準となる短期金利。SOFRなどが用いられ、定められた見直し日ごとに最新の水準が反映される。
Quoted Margin
クォーテッド・マージン
変動利付債の発行時に定められる、市場参照金利への上乗せ(または差し引き)幅。発行体の当初の信用リスクを反映し、原則として満期まで固定される。
Discount Margin (Required Margin)
ディスカウント・マージン(要求マージン)
変動利付債の投資家が現時点で市場参照金利に対して求める上乗せ幅。クォーテッド・マージンより大きければディスカウント、小さければプレミアムで取引される。
Discount Rate (Money Market)
ディスカウント・レート(割引率方式)
マネー・マーケット商品の利息額を額面(満期価値)で割って年率化した表示方式。購入価格ではなく額面を分母とするため、実際のリターンを過小に示す。
Add-On Rate
アドオン・レート
投資元本に利息を上乗せして満期に支払う形で表示される利率。利息を投資額(購入価格)で割って年率化したもので、CDやレポ取引などに使われる。
Bond Equivalent Yield (Money Market)
債券等価利回り(マネー・マーケット)
マネー・マーケット商品の利回りを、1年365日ベースのアドオン・レートに換算したもの。表示方式や日数慣行の異なる商品を比較するために使う。

LM9 The Term Structure of Interest Rates: Spot, Par, and Forward Curves(金利の期間構造:スポット・パー・フォワード)

Spot Rate (Zero Rate)
スポット・レート(ゼロ・レート)
デフォルト・リスクのないゼロ・クーポン債の利回り。各時点のキャッシュフローを、その時点に対応するスポット・レートで割り引いて価格を求める。
Spot Curve
スポット・カーブ(ゼロ・カーブ)
満期ごとのスポット・レートを結んだ曲線。金利の期間構造を最も基本的な形で表し、パー・カーブやフォワード・カーブの導出の基礎となる。
Arbitrage-Free Value
裁定のない価格
各キャッシュフローを対応するスポット・レートで割り引いて求めた債券価格。この価格から乖離すると、キャッシュフローの組み替えによる裁定取引が可能になる。
Par Rate
パー・レート
スポット・レートで割り引いたときに債券価格がちょうど額面となるクーポン・レート。その満期までのスポット・レートから導かれる。
Par Curve
パー・カーブ
満期ごとのパー・レートを結んだ曲線。利付債の利回りを表すため、クーポンの影響によりスポット・カーブより傾きが緩やかになる。
Implied Forward Rate
インプライド・フォワード・レート
スポット・レートから逆算される、将来の一定時点に始まる期間の金利。満期を延ばすことによる限界的なリターンであり、損益分岐となる再投資レートを表す。
Forward Curve
フォワード・カーブ
同じ長さの期間に対するフォワード・レートを開始時点ごとに並べた曲線。右上がりのスポット・カーブではスポット・カーブより上に位置する。

LM10 Interest Rate Risk and Return(金利リスクとリターン)

この単元の要点解説:LM10 金利リスクとリターン
Horizon Yield
ホライズン・イールド(実現利回り)
投資期間の終了時点の総額(クーポンの再投資後の将来価値と売却価格の合計)と購入価格から求める、年率の複利リターン。
Reinvestment Risk
再投資リスク
受け取ったクーポンや元本を、当初想定より低い金利でしか再投資できないリスク。金利低下局面で顕在化し、投資期間が長いほど影響が大きい。
Market Price Risk
価格リスク
金利上昇により満期前の売却価格が下落するリスク。再投資リスクとは逆方向に働き、投資期間が短いほど影響が大きい。
Investment Horizon
投資期間
投資家が債券を保有する予定の期間。投資期間とデュレーションの関係によって、再投資リスクと価格リスクのどちらが優位かが決まる。
Carrying Value
キャリング・バリュー(簿価)
購入時の利回りに基づいて、購入価格を額面に向けて償却した後の債券の帳簿価額。売却損益はこの値と売却価格の差で測る。
Macaulay Duration
マコーレー・デュレーション
各キャッシュフローの受取時点を、その現在価値がフル・プライスに占める割合で加重平均した値。キャッシュフロー回収までの平均的な期間を表す。
Duration Gap
デュレーション・ギャップ
マコーレー・デュレーションから投資期間を差し引いた値。正なら価格リスク、負なら再投資リスクが優位であることを示す。
Immunization
イミュニゼーション(免疫化)
投資期間とマコーレー・デュレーションを一致させ、再投資リスクと価格リスクを相殺して金利変動の影響を抑える運用の考え方。

LM11 Yield-Based Bond Duration Measures and Properties(利回りベースのデュレーション)

Yield Duration
イールド・デュレーション
債券自身の最終利回りの変化に対する価格感応度。キャッシュフローを確定的とみなし、マコーレー・修正・マネー・デュレーションやPVBPが含まれる。
Curve Duration
カーブ・デュレーション
ベンチマーク・イールド・カーブの変化に対する債券価格の感応度。キャッシュフローが金利水準によって変わる債券にも適用できる。
Modified Duration
修正デュレーション
最終利回りの変化に対する債券価格の変化率を表す指標。マコーレー・デュレーションを(1+1期あたりの利回り)で割って求める。
Approximate Modified Duration
近似修正デュレーション
利回りを上下に同じ幅だけ動かしたときの価格の差から推定する修正デュレーション。価格・利回り曲線の接線の傾きを数値的に近似したもの。
Money Duration
マネー・デュレーション
修正デュレーションにフル・プライス(ポジションの時価)を掛けた指標。利回りの変化に対する価格の変化を金額で表す。
Price Value of a Basis Point (PVBP)
ベーシス・ポイント・バリュー(PVBP)
利回りが1ベーシス・ポイント(0.01%)変化したときの債券価格の変化額の推定値。利回りを上下に1bp動かした価格の差の半分で求める。

LM12 Yield-Based Bond Convexity and Portfolio Properties(利回りベースのコンベクシティとポートフォリオの特性)

Convexity
コンベクシティ
利回り変化が債券価格に与える2次(非線形)の影響を測る指標。価格・利回り曲線の曲がり具合を表し、オプションのない固定利付債では常に正となる。
Convexity Adjustment
コンベクシティ調整
修正デュレーションによる直線的な価格変化の推定に加える2次の補正項。½×コンベクシティ×(利回り変化)²で表される。
Approximate Convexity
近似コンベクシティ
利回りを上下に同じ幅だけ動かしたときの価格と当初価格から推定するコンベクシティ。近似修正デュレーションと同じ入力で計算できる。
Money Convexity
マネー・コンベクシティ
年率コンベクシティにフル・プライスを掛けた指標。ポジションのコンベクシティを金額ベースで表し、マネー・デュレーションとあわせて価格変化額を推定する。
Portfolio Duration
ポートフォリオ・デュレーション
ポートフォリオ全体の金利感応度。構成債券のデュレーションを時価ウエイトで加重平均する方法と、全体のキャッシュフローから求める方法がある。
Parallel Shift
平行移動(パラレル・シフト)
イールド・カーブ上のすべての満期の利回りが同じ幅だけ変化すること。加重平均によるポートフォリオ・デュレーションが暗黙に前提とする変化である。

LM13 Curve-Based and Empirical Fixed-Income Risk Measures(カーブ・ベースと実証的なリスク指標)

Effective Duration
実効デュレーション
ベンチマーク・イールド・カーブを上下に平行移動させたときの価格変化から求める金利感応度。キャッシュフローが金利で変わる組込オプション付き債券に用いる。
Effective Convexity
実効コンベクシティ
ベンチマーク・イールド・カーブの平行移動に対する価格変化の2次の効果。オプション価格モデルで算出した価格を用いて求める。
Negative Convexity
負のコンベクシティ
利回り低下時の値上がりが、利回り上昇時の値下がりより小さくなる性質。コールの可能性が高まって価格上昇が抑えられるコーラブル債などに見られる。
Key Rate Duration
キーレート・デュレーション(部分デュレーション)
ベンチマーク・カーブ上の特定の満期の利回りだけが変化したときの価格感応度。全キーレートの合計は実効デュレーションに等しく、非平行シフトのリスク把握に使う。
Analytical Duration
分析的デュレーション
数式やモデルによって算出したデュレーション。ベンチマーク利回りと信用スプレッドが互いに独立に動くことを暗黙の前提とする。
Empirical Duration
実証的デュレーション
過去の債券価格とベンチマーク利回りのデータから回帰分析などで推定したデュレーション。金利と信用スプレッドの相関など複数の要因が反映される。

LM14 Credit Risk(信用リスク)

この単元の要点解説:LM14 信用リスク
Credit Risk
信用リスク
借り手が元利金を期日どおりに全額支払えないことから生じる損失のリスク。主な構成要素はデフォルト確率とデフォルト時損失率である。
Probability of Default (PD)
デフォルト確率(PD)
一定期間内に借り手が債務不履行に陥る確率。発行体の返済能力や支払意思などの信用力によって左右される。
Loss Given Default (LGD)
デフォルト時損失率(LGD)
デフォルトが起きた場合に失われる割合で、1−回収率で表す。債務の優先順位や担保の有無によって大きく異なる。
Recovery Rate
回収率
デフォルト時に債権者が回収できる金額の、債権額に対する割合。担保付債務や優先順位の高い債務ほど高くなる。
Expected Loss
期待損失
信用リスクによって見込まれる平均的な損失で、デフォルト確率×デフォルト時損失率で求める。金額ベースではエクスポージャーも掛け合わせる。
Issuer Rating
発行体格付
発行体全体の信用力に対する格付。通常は発行体のシニア無担保債務のデフォルト確率や期待損失を反映する。
Issue Rating
個別債券格付
特定の債券に対する格付。発行体格付を基準に、その債券の優先順位や担保の有無によるデフォルト時損失の違いを考慮して付与される。
Credit Migration
格付推移(クレジット・マイグレーション)
格上げや格下げによって債券や発行体の格付が時間とともに変化すること。格下げはスプレッドの拡大を通じて価格の下落につながる。
Credit Spread
信用スプレッド
同じ満期の無リスク資産(国債など)に対して社債などが上乗せする利回り。信用リスクが高まると拡大し、低下すると縮小する。

LM15 Credit Analysis for Government Issuers(政府発行体の信用分析)

この単元の要点解説:LM15 政府発行体の信用分析
Ability to Pay
支払能力
政府が債務の元利金を支払えるだけの経済力・財政力を持っているかという観点。債務残高、財政収支、成長率、対外的な地位などで評価する。
Willingness to Pay
支払意思
支払能力があっても政府が債務を履行する意思を持つかという観点。制度の有効性や政治的安定性などの定性的要因から評価する。
Central Bank Independence
中央銀行の独立性
中央銀行が政府から独立して金融政策を運営できる度合い。独立性が高いほど、国債の買入れによる安易な通貨供給の拡大が起こりにくい。
Reserve Currency
準備通貨
外国の中央銀行などが外貨準備として保有する、完全に交換可能な通貨。発行国は自国通貨建てで借入を行いやすく、信用力の面で大きな強みとなる。
Debt-to-GDP Ratio
政府債務対GDP比
政府債務残高を国内総生産で割った比率。経済規模に対する債務負担の大きさを表す、ソブリンの信用分析の代表的な定量指標である。
Local Currency vs. Foreign Currency Rating
自国通貨建て格付と外貨建て格付
ソブリン債務に対して通貨建てごとに付与される別々の格付。外貨建て債務は通貨を自ら発行できないため、自国通貨建てより低く格付されることが多い。
Fiscal Flexibility
財政の柔軟性
歳入の増加や歳出の削減によって財政を調整し、債務の返済を確保できる政府の余力。ソブリンの支払能力を測る定性的要因の一つである。

LM16 Credit Analysis for Corporate Issuers(事業会社の信用分析)

この単元の要点解説:LM16 事業会社の信用分析
EBITDA Interest Coverage
EBITDAインタレスト・カバレッジ
EBITDAを支払利息で割った比率。利払いに対する営業上の収益の余裕を示し、高いほど債務の支払能力が高いと判断される。
Debt/EBITDA
負債/EBITDA倍率
負債をEBITDAで割ったレバレッジ指標。債務を営業上の収益で返済するのに何年分かかるかの目安で、低いほど信用力が高い。
FFO to Debt
FFO対負債比率
営業活動から得られる資金(FFO)を負債で割った比率。キャッシュフローによる債務返済能力を示し、高いほど信用力が高い。
Debt-to-Capital Ratio
負債資本比率
負債を総資本(負債+株主資本)で割った比率。資本構成に占める負債の割合を示し、高いほど財務レバレッジが大きい。
Secured Debt
担保付債務
特定の資産が担保として設定された債務。デフォルト時には担保資産から優先的に弁済を受けられるため、無担保債務より回収率が高い。
Subordinated Debt
劣後債務
破綻時の弁済順位がシニア債務より後に置かれる債務。回収率が低くなりやすい分、より高い利回りが求められる。
Pari Passu
パリ・パス(同順位)
同じ優先順位にある債権者を平等に扱うという原則。同順位の請求権は、残余資産から債権額に応じて按分して弁済される。
Absolute Priority Rule
絶対優先ルール
破綻時に上位の請求権が全額弁済されるまで、下位の請求権は弁済を受けないという原則。実際の破綻処理では交渉によって逸脱が生じることがある。
Notching
ノッチング
発行体格付を基準に、個別債券の優先順位や担保の有無に応じて格付を上下に調整すること。担保付債は上方に、劣後債は下方に調整される。

LM17 Fixed-Income Securitization(証券化)

この単元の要点解説:LM17 証券化
Securitization
証券化
ローンや売掛債権などの資産をプールし、そのキャッシュフローを裏付けとする証券を発行して投資家に販売する仕組み。資産を発行体のバランスシートから切り離す。
Asset-Backed Security (ABS)
資産担保証券(ABS)
証券化によって発行される、資産プールからの元利金を裏付けとする証券。住宅ローン、オート・ローン、クレジット・カード債権などが原資産となる。
Originator
オリジネーター(原債権者)
証券化の対象となるローンなどの資産を組成・保有し、特別目的事業体に売却する主体。売り手や預託者とも呼ばれる。
Special Purpose Entity (SPE)
特別目的事業体(SPE)
オリジネーターから資産を買い取り、それを裏付けとする証券を発行するために設立される別法人。SPVとも呼ばれる。
Servicer
サービサー
原資産の元利金の回収や、延滞・デフォルト発生時の対応などの管理業務を担う主体。オリジネーター自身が兼ねることも多い。
Trustee
受託者(トラスティ)
投資家の利益を守るために、SPEの資産の保全や支払いの管理を行う第三者。証券化の契約条件が守られているかを監視する。
True Sale
真正売買
オリジネーターからSPEへの資産の移転が、担保付借入ではなく法的に完全な売却として扱われること。倒産隔離を成立させる前提となる。
Bankruptcy Remoteness
倒産隔離
オリジネーターが破綻しても、SPEが保有する資産がオリジネーターの債権者の請求対象とならないようにする仕組み。法的な枠組みは国によって異なる。

LM18 Asset-Backed Security (ABS) Instrument and Market Features(資産担保証券(ABS))

この単元の要点解説:LM18 資産担保証券(ABS)
Covered Bond
カバード・ボンド
金融機関がシニア債務として発行し、分別管理された資産プール(カバー・プール)で担保される債券。資産は発行体のバランスシートに残る点が一般的なABSと異なる。
Dual Recourse
デュアル・リコース(二重の償還請求権)
カバード・ボンドの投資家が、発行体と、発行体の破綻時にはカバー・プールの両方に請求できる権利。一般的なABSより信用リスクを低くする要因となる。
Credit Enhancement
信用補完
原資産のデフォルトによる損失から投資家を守る仕組み。構造内部で行う内部信用補完と、第三者の保証などによる外部信用補完に分かれる。
Credit Tranching
クレジット・トランシング(優先劣後構造)
証券をシニアと劣後のトランシェに分け、損失を劣後トランシェから先に負担させる構造。劣後部分がシニアに対する信用補完として機能する。
Overcollateralization
超過担保
発行する証券の額面合計を上回る担保資産を保有すること。超過分が損失を先に吸収する内部信用補完の一つである。
Excess Spread
超過スプレッド
原資産からの利息収入のうち、証券の利払いと費用を上回る部分。損失の吸収や準備金の積立てに充てられる内部信用補完である。
Lockout Period (Revolving Period)
ロックアウト期間(リボルビング期間)
非償却型のABSで、投資家に利息のみを支払い、回収した元本を新たな債権の購入に再投資する期間。終了後に元本の支払いが始まる。
Early Amortization Provision
早期償還条項
一定の事由が発生した場合に、ロックアウト期間中であっても投資家への元本の返済を早期に開始させる条項。信用悪化時に投資家を保護する。
Collateralized Debt Obligation (CDO)
債務担保証券(CDO)
社債やローンなど分散された非モーゲージ債務のプールを裏付けとし、キャッシュフローを優先順位の異なるトランシェに配分する証券化商品の総称。
Collateralized Loan Obligation (CLO)
ローン担保証券(CLO)
主にレバレッジド・ローンを裏付けとするCDO。コラテラル・マネジャーが担保資産の売買・管理を行い、CDOのなかで最も一般的な形態である。

LM19 Mortgage-Backed Security (MBS) Instrument and Market Features(住宅ローン担保証券(MBS))

この単元の要点解説:LM19 住宅ローン担保証券(MBS)
Prepayment Risk
期限前返済リスク
借り手が元本を予定どおりに返済しないことによるキャッシュフローの不確実性。返済が早まる短縮リスクと、遅れる延長リスクからなる。
Contraction Risk
短縮リスク
金利低下時に借り換えなどで期限前返済が増え、元本が予定より早く戻るリスク。投資家は低い金利での再投資を強いられる。
Extension Risk
延長リスク
金利上昇時に期限前返済が減り、元本の返済が予定より遅れるリスク。投資家は低い利回りの資産を長く保有することになる。
Time Tranching
時間的トランシング
元本の受取順序が異なる複数のトランシェを作り、期限前返済リスクを投資家間で再配分する仕組み。リスクを消すのではなく配分し直す。
Loan-to-Value Ratio (LTV)
LTV(ローン・トゥ・バリュー)
ローン残高を担保物件の価値で割った比率。低いほど借り手の持分が大きく、デフォルト時の損失が小さくなる。
Mortgage Pass-Through Security
モーゲージ・パススルー証券
住宅ローン・プールの元利金(予定返済と期限前返済)から手数料を差し引いた額を、持分に応じて投資家に毎月支払う証券。
Collateralized Mortgage Obligation (CMO)
担保付モーゲージ証券(CMO)
パススルー証券などを裏付けに、キャッシュフローを複数のトランシェに再配分して、期限前返済リスクへのエクスポージャーが異なる証券を作る仕組み。
Planned Amortization Class (PAC) Tranche
PACトランシェ(計画償還トランシェ)
期限前返済速度が一定の範囲内にある限り、予定どおりの元本返済を受けられるCMOのトランシェ。範囲内の変動はサポート・トランシェが吸収する。
Commercial Mortgage-Backed Security (CMBS)
商業用不動産ローン担保証券(CMBS)
商業用不動産ローンを裏付けとする証券。ノンリコース・ローンが中心で、物件の収益が返済原資となり、ローン単位や構造面のコール・プロテクションを持つ。
Balloon Risk
バルーン・リスク
満期に残る多額の元本(バルーン)を借り手が借り換えられず、返済が遅れるリスク。CMBSにみられる延長リスクの一種である。

あわせて使いたいページ

効率よく学ぶには FA-Academy

CFA®︎の協会テキストは英語で分量も多く、用語や公式を英語だけで理解していくのは大きな負担です。

FA-Academy(Financial Analyst Academy)は、日本語で学べる数少ないCFA®︎試験サポートです。これまで Level 1 から Level 3 まで多くの合格者を輩出しており、合格者の方々との対談も数多く公開しています。どんな方が、どのように合格されたのかは合格者対談・合格体験談の一覧からご覧いただけます。